12月議会清介の一般質問速報
私的な反訳による速報です。正確には議事録によりご確認下さい。
質問の背景と要点
平成18年度予算編成に対する自民クラブの施策と予算要望について、会派を代表してその考え方を質しました。
議会映像情報で一般質問の様子が配信されています。こちらからご覧下さい。
通告内容
■平成18年度自民クラブ施策と予算要望について
 1.子育て支援策の充実について
 2.産業振興と企業誘致等についての考え
 3.新予防給付と介護保険財政について
 4.まちなか居住政策と中心市街地活性化
 5.環境行政の一元化への考え方

今後の市政運営における課題とまちづくりの基本的な考え方について
 1.コンパクトシテイへの取り組み
 2.行政が担うリスク分担
 3.官民のパートナーシップ
◎中田清介)
 たいへん長時間にわたる質問が続きますが、お許しをいただきたいと思います。この程、私ども自民クラブが提出いたしました平成18年度施策と予算要望につきまして、質問をさせていただきたいというふうに思います。行政に向かって、「市長、この方針で大丈夫なのか、市政全般がこれで市民の理解を得ながら、うまく滑り出せるのか」というような役割を果たすのが、この一般質問であると認識しております。
 私ども、昨日からの6人の議員が登壇致しまして、施策と予算要望に添った質問をさせて頂いております。その中で)の少しすくいきれなかったところをお聞きしまして、全体としての市政運営についての姿勢を行政に質問をさせていただく予定であります。通告の中に一番、二番と別けておりますけれども、そのようにご理解いただきたいと思います。
 昨年でしたが、国家公務員を辞され立命館大学の客員教授となられた村尾さんに高山市までおいでいただきまして、これからの地方行政について、また、国の三位一体改革についてのお話しをいただきました。そこで強調されましたことは、住民に一番身近な行政体である地方自治体が担う役割は何かということをお話ししていただきました。住民にとって、行政要望は1本である。しかしながら、地方自治体が留意をしなければならないことは、この政策は国が担うべき政策なのか、県が担うべき政策なのか、一番身近な市が担う政策なのか、これをきちんと市民にも理解をしていただいて、その中で市民の協力を得て、行政の担う公的サービス分野を社会性ある責任ある市民の間にまで、担っていただく。こうした市民と連携するパートナーシップを構築しての行政運営がこれからのあるべき姿であろうということをおっしゃっていただきました。
 三位一体改革が補助金並びに税源移譲、(その)一部については決着したようでありますけれども、これが進んでいきますと、当然交付税改革に行き着く。そうした中では、よりそうした姿が求められるというお話しでありました。現下の状況を見ましても当然そのような流れになるんであろうというふうに認識をいたしております。
 市長が常々合併協議の中で申されておりました。痛みを分かち合う合併というものは、11か月経ちまして行政年度では9か月経ちまして後3か月を残しまして、17年度諸事業が進められるという中にあります。
 こうした中にありまして2か月の合併後の決算内容、こうしたものについても、ストックの面、フローの面、たいへん予想されていた事とは言え、大きな変化は痛みを伴うという中で現れてきていると思っております。このことにつきましては後ほどまた触れたいと思います。
 一番といたしまして平成18年度自民クラブ施策と予算要望への対応についてといたしております。
ア.といたしまして子育て支援策の充実についてというふうに申し上げております。先般も新聞紙上で出ておりましたが、各国の少子化対策への取り組みの一覧表の中で、一応各国との比較の中では子育て支援策に対する現金給付並びに保育サービス等を含めて家族政策への財政支出というようなことで発表されていますけれども、日本はその中の下から4番目。先進国中でも下位に位置すると伝えられているところであります。高山市においても様々な子育て支援策、今まで取られておることは承知をしております。ただ、その内容につきましては、国の政策に左右される面というようなものもありまして、独自の子育て支援策をどのようにして充実をしていくのかということにつきましては、たいへん高い関心を持って市民の皆さまから見られておるというところではないかというふうに思っております。
 議会でも何度も取り上げられております学童保育の問題。また、家庭環境が変化してきておることからする子育て環境への配慮。 高山市ではつどいの広場というような政策展開をされておりまして、安川のかんかこかんなどでは、そうしたものがたいへん利用されておると。政策の方向は間違っていないというような状況ではあります。
 このことにつきましては学童保育という立場の報道もあった訳であります。国としての基準づくりが求められているという内容でありましたけれども、それに準じて現在の旧高山市地区の学童保育の人数がたいへん多くなっておる。学童保育の施設の面から言いますと一応平米数等はクリヤーされておるような気もいたします。ただ、この面においてはサービスの内容をもうそろそろ充実させるべきではないかと(思っています)。家庭環境が変わってきておる。男女共同参画の話しではありませんけれども、女性の社会進出がこれだけ進んでおる中においては、サービスの充実も、学童保育の面においてはもう必要だろうと。家庭にだけ押し付けておる訳にはいかないという面も感じております。この辺についてどのような支援策(をお考えか)、つどいの広場的な事業も含めてお考えの中にあるのかということをお聞きをしていきたいと思います。
2番目。イ.産業振興策と企業誘致などについての考というふうに通告いたしております。昨年から準備をいたしております高山市の産業振興ビジョン、いよいよこうしたものもまとめていただく時期というふうになっております。昨日も松葉議員より取り上げられておりますが、地域経済におけるシミュレーション。25年後の姿というようなものの提案もあります。私ども、昨年産業委員会の勉強の中で同じく経済産業省が発表しております「地域経済分析・高山都市圏の課題」というのも読ませていただいております。この中で指摘をされておりますことは、高山都市圏の産業の機関車は何であるか、そうした位置付けを指数化してきちんと把握しなければ、産業政策に誤りが生じて、税金投入の投資効果が半減されてしまう、こういう内容の論文でありましたけれども、そのことは別におきますけれども、その中で指摘をされておりましたもう一つの問題は、高山都市圏の中では周辺部と中心の高山市とは、そうした意味から全く違うというところであります。公的支出に頼る周辺部と産業政策立案の中で農業、地場産業、観光をきちんと位置付けなければならない高山市中心部の問題とはまた別ものだろうということはここでも指摘をされております。そういう事を考えますと、現在早期の一体化と支所地域の産業振興という問題が合併後の重要課題であるというふうに認識をしておりますけれども、そうした産業振興策の中で地域の農業、畜産業、林業等に頼った産業施策だけでは、この地域の底上げができないのでないのではないか。そこの中には交通体系の整備に伴いまして、企業誘致等についても従来とは違った視点で位置付けて推進をしなければ、若者の雇用安定、地域の税収のアップ、それぞれについても難しい問題を抱えるのではないかということで、取り上げさせていただいております。このことについてのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
また、産業振興策という面から言いますと、現在、新聞紙上を賑わしております高山市でも耐震構造の偽装に伴う問題も出てきております。一般論でありますが、この地域にとっては観光がひとつの、メインの産業でもありますし、こうしたことが多くの施設を市域の中に抱える中では、心配をしなければならない、次に出てこないとも限りません。こうした問題については国の政策発表などはされておりますけれども、産業振興策としての対応などは高山市でもできるのかどうか、そうしたものでどのような手当てができるのか、そのようなことについてもお伺いをしたいと思っております。
ウ.として、新予防給付と介護保険財政について、取り上げております。介護保険改正に伴う議論は9月議会でも一般質問されまして、その後議事録等も取り寄せまして、十分把握をさせていただいたおります。高山市の方針もその中で示されておるところであります。そうした中で一番心配な点、新聞紙にも出ておりますが、全国の自治体が心配するこの内容については、3点であるというようなことが言われております。新予防給付に関わるサービス体制の整備、介護保険料はそれに伴って増高する問題が各地でも起きております。もうひとつが、地域支援事業、新たに位置付けられましたこの施策の充実、そうした問題が3つの問題と報道もされておりますし、私どもは会派として予防給付の先進地として取り上げました2か所の(視察先の)自治体の担当者からお聞きをいたしましても、一番心配をしている点は、この新予防給付、地域支援事業、こうしたものの、財政的な面の心配であります。9月でもお答えをいただいておるのではないかと思いますけれども、発表されておる内容、介護保険の枠内の3%、当初2%枠内での両事業の展開、こうしたことに2つの自治体の担当者もたいへん心配をされておりました。一般財源を投入できるのか、それから、サービスの内容を維持できるのかというようなことも心配をされておりました。このような事について、今後の介護保険料の増高の見通しと併せてお聞かせいただきたいと思います。
エ.といたしまして、まちなか居住政策と中心市街地活性化というふうに通告いたしております。このことにつきしては、現在まで中心市街地活性化基本計画等発表されまして、現在でも生きている訳なんですが、次年度以降これの見直しもかかってくる。第二次の高山市の方針もこの中が示していかなければならないという状況になっております。中心市街地の活性化という面につきましては、今までも私も一般質問を繰り返しまして、単なる中心商店街の活性化策ではない。まちを整える上での基本的な考え方がどうかということでお話しをさせていただいてきております。特にまちなかの居住政策につきましては、国土交通省の方針も少し変わりまして、まちなか居住の再生ファンドというような考えを打ち出しております。この8月にはこうした施策についての全国キャンペーンと言いますか、説明会も開かれまして、これまでの地方自治体の中心市街地の空洞化に対する施策を、ようやく重い腰を上げて転換していこうという、そういう姿勢が見える、そういう時代となってまいりました。そういうことにつきましても、これからの高山市の担う役割、経済活動とまちなかの再生という意味でどのようなお考えなのかという事をお聞きしたいと思います。
 最後にオ.といたしまして、環境行政の一元化への考え方というふうにしております。昨日の一般質問の中でも、それぞれ行政の方からの答弁の中にも環境という冠の付くお答えがあったと思います。環境と農業、環境と都市政策。新エネルギーや、自然エネルギーの活用ということも、現下の状況では大きな問題というふうになっております。御岳山麓の風力発電の問題につきましても、高山市がそうした問題の指針の発表を迫られたということは、つい最近のことであります。市のそうした体系の中での対応を見ておりますと、環境資源課の廃棄物処理に関わる問題。市長がインターネットの市長コラムの中でも取り上げてられておりますけれども、合併後、広大な森林面積を持つようになりましたこの林務行政の問題、こうした自然環境の問題もたいへんこれからの高山市の行政にとっては、今までに経験しなかった以上の問題として浮かび上がっていると認識いたしております。加えて景観行政については、景観法の制定でこのような対応も問われておる。次年度には環境に関する条例の整備もしなければならないというような時期に迫られております。少なくともそれを統括する部門として、現在の環境資源化の枠を超えて、環境問題に対する市の対応を問われている、そういう問題でもあるかなというふうにも思います。このようなことについても現在の体制の維持も含めていろいろなお考えがあれば、お聞かせをいただきたいというふうに思っております。少し時間が(昼食時間)にまたがりそうでありますので、第1回目の質問とさせていただきます。

昼食時休憩を挟んで

長瀬福祉保健部長)
 それでは自民クラブ施策と予算要望への対応について、私の方から2点のご質問について、お答えをたいします。まず、子育て支援策の充実についてでございますが、子育て支援策の充実のためには多岐に渡る施策を総合的に推進する必要があります。現在、平成17年3月に策定しました高山市子どもにやさしいまちづくり計画に基づきまして様々な施策を積極的に推進をしておりますが、平成18年度につきましても計画の着実な推進を図っていきたいと、このように考えているところでございます。自民クラブの予算要望項目の中の児童福祉施策に対しましては、今年度中に保育園整備5か年計画を策定しまして、改築を必要とする保育園の整備に取り組むとともに、移譲の推進につきましては今までと同様関係者の理解が得られるよう協議を継続しています。児童虐待防止につきましては、高山市内の保健福祉医療をはじめ、教育、警察等の関係機関が連携し、予防、早期発見、早期対応を図るための支援方策や、支援システムを構築するための、協議会を設置すべく、現在関係機関と準備を進めているところでございます。病後児保育の研究につきましては、この9月に児童政策、保育園、医療、支所地域といった関係部署で構成する検討プロジェクトチームを設置して、研究を開始しているところでございます。
 留守家庭児童教室の充実に向けましては保育サービスの内容の充実と、指導員資質の向上の両面から安心して子どもたちを預けることができる環境づくりに取り組みたいと考えております。子育て中の親の負担感の緩和を図るため、子育て親子の交流や、育児相談などを行なう場を身近な地域に設ける子育て親子の居場所づくりについて、検討して行きたいと考えているところでございます。以上のような事業の研究や実施に向けて、取り組むこととしておりますので、よろしくお願いをいたします。
 続きまして新予防給付と介護保険財政についてでございますが、平成12年に介護保険制度が始まり、6年目になりましたがその間介護サービス基盤が、充実してきたことと平行しまして、介護認定者数も大きく増加をしてきました。介護給付費は平成12年度の約30億円から、平成16年度の約59億円とほぼ倍増し、平成17年度につきましては63億円程度となる見込みで、介護保険財政はたいへん厳しく、そのため財政安定化基金からの借入額は第一期事業運営期に1億5,350万円、第二期事業運営期には約2億4,000万円になる見込みで、現在の介護保険料では運営が困難となっている状況でございます。現在、平成18年度から平成20年度までの3か年の介護保険を運営するための第三期介護保険事業計画を策定中でございますが、この計画では再び介護保険料に不足が生じないよう、介護サービスの見込み量を十分検討し、給付費の他、保険料の積算に加わる第一期及び第二期の償還金やその他の要因を考慮して積算をしたいと、このように考えておりますが、1,000円を上回る値上げが必要であるのではないかと、このように思っているところでございます。今回の介護制度の見直しの大きな柱のひとつとしては、介護予防に力を入れている点でありまして、要支援に認定された方には、要介護への重度化の防止や、改善をすることを目的として、本人が本来持っている残存的な能力を引き出すための、介護サービスが提供され、その費用は新予防給付として、今までのように介護給付費の中から当てられます。一方、地域支援事業は介護認定で自立と認定された方や元気な高齢者に対して行なわれる介護予防事業で、その財源は今までは国県の補助金と一般財源であったものが、第一号被保険者の保険料や、国からの交付金、県市の負担金、第二号被保険者の保険料で賄うこととなります。なお、地域支援事業は議員がおっしゃいましたように2%の範囲内で事業実施ということになりますが、こういう形で事業を実施して行きたいと思っておりますのでよろしくお願いをいたします。
大洞商工観光部長)
 それでは私の方から、2点目にご質問いただきました産業振興策と企業誘致等の考え方、これについてお答えをさせていただきます。
 高山市の産業振興、また、地域経済の活性化を図るために、様々な取り組みをしておりますが、その中でも、企業を誘致することも重要な施策・柱のひとつとして、これまでも積極的に推進をしてきておりますし、合併のまちづくり計画、あるいは第七次総合計画にも位置付けされているところでございます。企業誘致によりまして地域の受け皿として雇用対策が進みまして、若者の定住が促進されるなど雇用創出が図られるなど、地域の活性化に大きく貢献すると考えております。合併によりまして市域が広がり、また、東海北陸自動車道等の開通により、交通アクセスも整備がされます。そういったことによりまして、大都市圏からの時間的距離なども縮まり、併せて飛騨高山の魅力を全面に出すことによりまして、企業誘致が行いやすい環境が整ってきたと考えております。県をはじめ地元の民間企業や、庁内の連携を密にいたしまして、情報収集、あるいは情報公開に努めますとともに、適地調査、あるいは、データベースの構築を図りながら企業訪問を行なうなど、企業誘致を積極的に進めて参りたいというふうに考えております。なお、先ほど議員が申されました産業振興ビジョンでございますけれども、この企業誘致につきましても、産業振興ビジョンの中に反映をさせていきたいというふうに考えておりますので、よろしくお願いいたします。
荒井財務部長) 
 耐震強度偽装問題に関連しまして、市の対応につきまして、税を担当いたします立場からお答えをいたします。この問題に関連をしまして、耐震強度不足が判明し、その結果、使用禁止等となった家屋、これはマンション、ホテルがございますが、これに係ります固定資産税、都市計画税、これにつきましては該当する家屋については、減免による対応をというふうに考えております。
古田基盤整備部長)
 エのまちなか居住政策と中心市街地活性化についてお答えいたします。中心市街地の活性化につきましては、これまで、宮川河川環境整備事業や、バリアフリー事業、駅周辺整備事業などのハード事業の実施や商店街活性化事業としまして、空き店舗活用事業への助成など、各種の支援を行なっておりますが、中心市街地の活性化には、まちなかの定住人口を増やすことも重要であると考えております。国では現在、都市計画法や中心市街地活性化法を見直し、市街化調整区域の開発抑制や病院などの公共施設も郊外進出を容易に認めないなど、都市機能を集中させる方向で検討中であります。今後も商店街の支援等を進めるとともに、これらの法改正の動向を見ながら平成19年度に予定しております中心市街地活性化基本計画の見直しの中で、まちなか定住人口の増加施策につきましても、支援制度を含め議員のご意見や先進都市の事例等を参考に調査研究し、進めていきたいと考えております。
國島企画管理部長) 環境行政の一元化の対応でございます。高山市の環境に対します取り組みといたしましては、平成6年度に高山市環境基本条例を制定いたしまして、環境に関する施策を総合的かつ計画的に推進することとしております。ご指摘の通り環境に対する施策につきましては、ごみ、し尿から森林保全、大気汚染、温暖化などの自然環境も含めまして、地球的規模に拡大しております。全庁的に全職員が環境に対する意識を持ってそれぞれの業務に従事することが、必要となってきているところでございます。市の組織といたしましては、平成6年に助役を委員長として関係する22課の課長による環境行政推進会議を立ち上げておりまして、その中で基本計画を策定し、調査研究、連絡調整を勧めてきております。現在この基本計画の進捗管理を行なうとともに、総合的に環境行政を所管する部局といたしまして、市民環境部環境資源課を位置付けておりますので、更にこの課の機能を発揮させることも含め、現行体制で行きたいと考えておりますので、ご理解を賜りたいと思います。
◎中田清介)
 それぞれにお答えをいただきました。施策の推進に当たりましては、今後立案も含めまして3月議会までに予算化をされる中で、私どももただ今懸念をいたしました事項を含め見守っていきたいというふうに思っております。今、政策が大きく変わろうとしております。農業においては直接支払制度の導入、都市政策におきましては地方都市をどう守っていくか、先ほども申し上げましたけれども、三位一体改革の中で国と地方の財政改革、どうするのかというようなことが取り上げられております。
 新聞報道によりましても、地方制度調査会の意向として、中間答申案の中に、来年度、自治法を改正し、収入役廃止をというような文言も伝えられております。地方議会の担う役割についても、それぞれ見直しをかけようではないかと。 自治法の改正、長い間の制度疲労、仕組みのいびつさというものも、戦後60年経つ中で少し見直していこうという提案も各部局から出ておるというふうに認識いたしております。私どもの地方自治体の担う役割も当然変化にさらされております。昨日も質問の中で水の問題等で取り上げられておりましたけれども、合併前に課題となった事項においても合併後においては当然対処していかなければならない、そういう重荷を担ってこれから施策の充実に向けて進めなければならないというところにも来ております。好むと好まざるとにかかわらず、解決への努力を官民一体となって続けていかなければならないことは言うまでもありません。そうした中にありましては、市長部局の皆さま、それぞれ職員の皆さまのご努力をお願いする訳でございます。
 2といたしまして、今後の市政運営における課題とまちづくりの基本的な考え方というふうに通告をいたしております。私どもは今年度施策と要望を予算要望をまとめる中に当たりまして、今後の市政運営の中の基本的な3点は、官民のパートナーシップを強固に位置付ける中で、合併後のまちづくりの基本は、市の中心部の求心力を高めるためにも、また、市域全体の考え方としてもコンパクトシティへの取り組みが必要である。また、先ほども申し上げましたけれども、各地域の産業振興、こうしたものについては経済の問題は民間に任せておけばよいというようなところから脱して、行政はある程度リスク分担を負わなければ強固な産業振興策は打ち立てられない、そういうふうに感じております。
今回通告しておりますコンパクトシティへの取り組み、行政が担うリスク分担、官民のパートナーシップ、この3点が基本となりまして、要望の第1ページには私どもの考え方を付けておりますが、こうした今後のまちづくりの基本的な考え方について再度お伺いをしておきたいと思います。
 コンパクトシティへの取り組みという問題につきましては今までにも何度も外国の事例とまちづくりの中で取り上げられておる考え方であります。これまでの先進国の歩みの中から施策の反省点として取り上げられていることは、外縁部への拡散がもう限度であろうと。人口減社会の中にあっては、行政の投資効果を今まで以上に高めていくためにも、集約されたまちづくり、こうしたものが要求される。そういう中で伝統と文化を重んじるまちの伝統を活かした都市の形成、今までの形成の中からもそうしたものを大事にしていこうではないかという姿勢であります。合併をいたしまして、たいへん広い地域の高山市となりまして、それぞれの支所地域の皆さんの生活をどうやって守っていくのか、自治をどうやって担保していくのか、そうしたことに根ざした議論は合併協議の中でも様々に繰り返されてきたというふうに認識をしております。しかしながら大きな市域を守りながら活力を失わせないように、これからも求心力を保っていくためには、旧高山市域の求心力を高め、そして支所地域の経済的自立、これも図るための産業振興策をきちんと整えていく、こうしたことが必要であろうというふうに思っております。そうした中にあっては、先ほども企業誘致等のお考えの中で一部はお聞きいたしましたけれども、今までの政策、少し外郭を整えさえすれば経済的行為は民間に任せて、民間の力で打ち立てていくんだというような方向性も少し変えていかなければならないのかなというように思います。リスクといいますと財政的リスク、その他に政策遂行への外縁を整えるということで、長期的視野に立った、長期的展望に立った高山市のあり方についての施策を強固に打ち立てて、それを持続していく、こうした面も行政にかけられたリスク分担ではないかというふうに思っております。何にいたしましてもこのまちをどうするのかというのが、今始まったばかりであります。合併を、先ほど申し上げましたけれども、踏切りましてから11か月、まだ、これからが正念場というところに来ております。いつもですと、前年度決算と同時に発表されます財務諸表、バランスシート、行政コスト計算書等の財務諸表の発表も本年は未だされていないという状況であります。
合併後2か月でありますけれども、その中で受け継いだストックの状況、世代間負担比率の比較、このままで果たして高山市が財政的余力の中で政策を遂行していけるかという比較も、今までは(旧)高山市だけの視点の中で比較検討をしてまいりましたけれども、これからはそうしたところから一歩踏み込んで大きな視野で全体を見回しながら、整えていかなければならないというところに追い込まれております。今回の決算を見ましても繰り出し金の増高、債務残高の増高というものは合併前に予想された通りの結果となっております。これも克服していかなければならないひとつの観点である。これからの行財政運営の中ではその観点に立って政策の決定、優先順位の決定、こういうものも見ていかなければならないというふうに思っております。そうした中で大切な視点はやはり官民のパートナーシップということが言えるのでないかと思います。私たちも施策要望の第1項目として、官と民の連携するまちづくりというものを取り上げてお示しをさせていただいております。こうした観点によって今後いろいろな施策を充実して、合併してよかったと言われるまちづくりを構築していかなければならないというふうに思っております。
リスク分担(については)、特に産業政策の中で大切な視点ではないかというふうに思っております。少し考え方は違いますけれども、水沢市が随分前に導入をいたしました産業振興施策の中でのインキュベーター施設、こうしたものが地域の産業を活性化させるために、研究ならびにインキュベートな施設として設置をして、そこに税を投入して地域を活性化させようという施策、数々の成果を生んでいるようであります。高山市に取っても産業振興策が大切な視点であるならば、今後、こうした考え方に基づく政策も位置付けていただきたい(と思います。)
まちの求心力を高めるというような政策のひとつとしては、これは(都市の規模からすると)その必要があるのかとも思えるような事例ですが、東京都は新規(の)東京にマンション購入者には固定資産税3年間免除というような制度もあったのではないかというふうに思っております(が)、税の免除というのは、リスク分担のひとつの考え方でありますけれども、そうしたものも、今後産業振興という面では大いに必要ではないかと(思います)。
行政の意思を全国の皆さんにお見せする大切な視点であると先ほど午前中にも申し上げましたけれども、交通環境が大変整ってまいりました。もう一年しますと、東海北陸自動車道も全線開通するというような時代になっております。こうした行政が担うリスク分担の考え方についても、少しお聞きをしておきたいと思います。
國島企画管理部長)
 
3点についてお答えをさせていただきたいと思います。はじめにコンパクトシティへの取り組みでございます。議員ご指摘のように広い地域を整備する場合につきましては、多く投資するよりも、投資効果を高めるためには、市街地の一定の地域の整備を図りまして、まちのコンパクト化を図りながら、まちなか居住や中心市街地の活性化につなげていくというまちづくりの手法は投資経費をより有効なものとしてまちの活性化に役立つ有効な手段として注目を集めていることは認識しているところでございます。当市といたしましても大きな駐車場を備えた大規模店舗が郊外に進出し、中心市街地をどう活性化するかが課題であると考えますと、コンパクトシティの考え方はまちづくりのあり方としてたいへん参考になるものであります。しかしながら一方合併により広大になった市域を考えますと高山地域とともにそれぞれの支所地域の特性を活かしながら調和の取れた発展を目指す基本方針の元にまちづくりを進めているこの現在、支所地域の振興と中心市街地の発展というバランスも考慮していかなけれどなりません。そこで他市における実例などを十分に研究しながら駅周辺整備事業や、平成18年度に向けて予定しております、中心市街地活性化基本計画の見直しの中で検討を進めさせていただきたいと考えているところでございます。
 2つめの行政が担うリスク分担でございます。まちづくりや産業振興を図る場合に、議員ご提案のように行政が先導的に施策を立案し、民間活力を誘導するような形でのインフラ整備も実施する例もあるようでございますし、それが成功に結びついたものも全国的に紹介されているところでございます。思い切った施策を打ち出し多少のリスクを想定しながらもまちづくりに取り組むことは、その地域の実情にあったものであることや、市民の皆さんの理解と協力を得て実行することが重要であります。特に産業振興を図る上では、積極的な施策として展開しようとする場合で、それをより大きな効果が見込まれると判断すれば、それに伴うリスクを含んでいたとしても、事業実施する場合もあるものと考えております。また、この場合には民間の積極的な参画が当然として求められておりますので、コンセンサスの醸成も含め事前の十分な検討と準備が必要であろうと考えております。ご紹介の事例につきましても研究してまいりたいと思っております。
 3番目の官民のパートナーシップの件でございます。第七次総合計画の構想の着実な推進を目指しての項目の中に市民参画を重要な施策として掲げております。この内容といたしましては一つには行政と民間事業者の協働がありますし、現在進めております指定管理者制度によるもの、市民活動団体との連携なども含まれているものでございます。これからのまちづくりを進める上では、行政側からの情報提供を十分に行なうとともに民間事業者からのニーズを的確に把握して官と民が住み別けるべきものと協働すべきものを適切に判断して、連携が取れた事業運営をしていくことが重要であると考えております。民間事業者や団体の皆さま方が自発的に進めようとしてみえる地域振興活動、あるいは地域活性化事業に対しての行政の支援のあり方については、その予測される成果を考慮しながら、ともに研究を進める関係の構築を新しく施策として講じていく必要があるのではないかと思っております。これまで以上に民間活力の活用につきましては取り組んでまいります。
◎中田清介) 
 少し2項目に渡りまして質問させていただきました。くどい点もあったかと思います。しかしながらこれからの高山市のあり方についての大きな転換点、これから始まるというふうに思っております。特に官民連携によるまちづくりの中で、指定管理者がこの4月1日導入で第一次始まろうとしております。また、6月には第二次の募集というような事も聞いております。この点が、行政がこれまで担ってきた公的サービス、これを固定化するのではなく、流動化させて、市民と一体となってまちを整えていこうという、これが始まるということで、たいへん私どもも注目いたしております。ものの本でございますが、ご紹介いたしますが、公共サービス提供主体の固定化を排除(しよう)というところの中に、この考え方については、行政内へのインハウス型もある。パートナーシップ型もある。外部委託型もある。こうしたものをきちんと整理をして、インハウス型、行政内部にあっても、効率がきちんと守られる、それから公平性のあるサービスが提供できるということになれば、そこが担っていくべきであろうと、もちろん外部へ民間化という中で、民間の考え方も投入して、そして整えていく、これも必要だろうというような事が言われております。こうした点についても今後、私どもも合意形成に向けて議会機能の充実の中で取り上げて行きたいというふうに思っております。
 いろいろ次年度の予算と施策の編成方針についてお聞きをしました。本年は土野市長の3期目の最後の年(次)ともなるというような位置付けで政治日程も、来年夏には市長選挙、再来年春には市議会議員選挙というような日程で推移する中に位置付けられております。これまで合併という大きな仕事を成し遂げられまして、来年度予算編成につきましてもたいへんご努力される中で、今後の市政運営についても責任のある立場で、その編成に望まれるものと私ども理解をいたしております。これまで、3期お努めになる中で、たいへん高山市にとりましても観光都市、飛騨の中核都市としての政策を整えていただきまして、この2月1日の合併もまとめていただきました。こうしたことを考えますと、今後の市政に対する市長のお考えも聞いておかねばならないというふうに認識をいたしております。
 私ども自民クラブにおきましてもそういう時期であるというような認識で固まっております。これまでの市政に対するご功績は十分私ども認識させていただいておるつもりでおります。このような時期でございます。予算と施策の要望に重ねまして土野市長のこれからの市政担当に対する意欲、お考えなど、ありましたらお聞かせいただきたいというふうに思います。
土野市長) 
 今お話ございましたように3期の最後の年次に入っておりまして、今一生懸命仕事をさせていただいているというところでございます。
 お話しございましたように2月1日に合併をたいしまして、高山市非常に広大な市域となりましたし、それから合併に伴う新しいまちづくりというものをどうしていくかということは、まだ、スタートしたばかりでありまして、これから更に充実していかなければならない課題が山積をしていると思います。また、同時に高山市のこれからの将来ということを考えていきますと、行政改革の推進というのは避けて通れない課題でありまして、これを今手をつけたところでございまして、何とかこの行政改革を確実に推進をして高山市の将来に渡る財政基盤、あるいは、行政基盤の安定を図っていくということが非常に重大な事柄ではないかなと、こんなふうに思っているところでございまして、残された期間、一生懸命このことに当たって参りたいというふうに考えておりまして、それ以後の事等につきましては全く何も考えておらないというところでございますのでご理解いただきたいと思っております。