平成17年9月議会清介の一般質問
私的な反訳による速報です。正確には議事録によりご確認下さい。尚一問一答方式で掲載致しております。
質問の背景と要点
・小中学校の耐震化率が低いがその対応と、地震に対する避難所としての整備条件について伺いたい。
・このほど文化財保護法の一部改正がなされ、文化的景観の保全についての方針が打ち出されたが、高山市の合併後の地域振興面で活用が出来ないか、まず実態調査が必用であるが歴史街道をその柱として位置づけられないか伺いたい。
・建築後54年を経過する総和保育園は耐震といった面でも無防備に近い園舎である。用地問題で暗礁に乗り上げている現在、その改築については西小学校との合築を決断すべきである。
通告内容
 ア.耐震化進捗率・県下46市町村中37番目の現状をどう考えるか
 イ.避難所として活用出来る耐震化とは
 ア.地域資源の活用にまず実態調査を
 イ.歴史街道と歴史文化遺産の活用をその柱に
 ウ.訪れてみたいまちづくりに「文化の力」を
総和保育園の改築問題 はこちらから
 ア.先般の学・保複合施設としての提案に、関係部局は具体的にどのような検討を加え  てきたか
 @移譲計画と整備計画並びに用地問題
 A教育施設の独立性と交流効果のバランス、並びに学校と保育園との所属の問題 
◎中田清介) 
 本日は沢山の傍聴の皆さんをお迎え致しまして、私も緊張の中で一般質問させて頂きます。本日朝日新聞の一面に「教室の天井高3m規制撤廃」という記事が載っておりました。明治以来続いてきた仕組み・制度、こういう物が一つ一つ見直しをされ 、改革そして規制緩和の流れが一歩一歩前進をしておるのだというふうに感じました。
 この問題は、耐震改築を期に草加市の提案で議論が始まったことで、テレビにおきましても特集番組を組まれまして、官庁とのやり取りその中で苦悩される市職員の姿を、私も(テレビを通じて)目の当たりにしておりましたので、大変これまでのご努力に対して敬意を表すると共に、これからの私達が住まいする自治体においての取り組み、そうした規制緩和のなかで、一つ一つ足元を固めていかなければならないという風に感じたところであります。
 通告に基づきまして3点、6項目につきお伺い致します。最初に
 ア.耐震化進捗率・県下46市町村中37番目の現状をどう考えるか と通告致しております。
 1995年に施行された「建築物の耐震改修の促進に関する法律(耐震改修促進法)」では、人が多く集まる大規模施設の所有者には、耐震診断や耐震改修の努力義務を課しております。特に小・中学校には地震も含めた災害時に避難場所として指定されているところが多く、文部科学省はその耐震化率を100%にするよう求めております。
6月29日の朝日新聞に、そうした文部科学省の要請を受けた岐阜県の調査結果が報道されておりました。いわゆる県内の公立小中学校の耐震化状況に対する調査内容であります。
 その内容は、「県教育委員会の調査では、県内で小中学校施設の耐震化対策の進捗度合いにはばらつきがあり、法の耐震基準を満たす施設の割合・耐震化率は、県全体では60%を越したものの、50%未満も14市町村あった。厳しい財政事情のなかでいかに改修を進めていくか。計画性が大切である。」とする記事の内容でございました。
 ちなみに県全体では62.1%であり、100%対応済みが安八町・墨俣町・坂祝町・富加町の4町、以下瑞穂市の94.7%、岐南町93.8%、岐阜市の91.1%と続き、高山市の耐震化率は46.4%であり、37番目であるというものです。
 これまでの市の状況はといえば、大規模改修・耐震改修等でもう少し対応ができていたはずであると思いこんでいたためか、指摘された県下46市町村中37番目という位置づけに対し、少し驚くとともに今までの説明に疑問も感じた内容でありました。
 この調査結果では、最低が笠原町の6.3%で、16棟中15棟が未改修というものでしたが、こうしたばらつきが出てきた要素は、新しい耐震基準が出てきた1981年以前に建築された施設で、改修の必要があるかどうかを判断する「耐震診断」の結果が大きく左右しているというものでした。
 少し内容を精査して見ますと、この調査は面積率ではなく校舎の棟数による調査であり、高山市の小中学校の全棟数は125棟、耐震診断の対象外のもの・安心して学べるもの40棟、耐震診断の対象棟数は85でありますし、診断済み棟数は76棟、その中で改修不要棟数は4棟でありました。あろ改修済み棟数は14棟、従って未改修棟数は58棟まだあるとする内容でした。
 市の大規模改修や耐震化工事について振り返ってみますが、旧高山市内に限っても昭和63年の南小旧管理棟の工事から初めて順次進めてきた歴史があり、耐震化とともに行った大規模改修については、H8に西小学校、H9年に江名子小学校、H10年東山中学校、H11年・12年には山王小学校がそれぞれ1期・2期工事を行ってきております。
 しかしながら、その対応は校舎及び学校施設の一部であり、今回の調査の棟数で判断する内容には合致しない点もあったようであります。
 その点について教育委員会に問い合わせましたが、高山市が把握している耐震補強率の数値は平米数でとっておるが、概ね発表の通りであるということでありました。
  現状では、耐震化という点については建物の建築年次もよりますが、支所地域に於いて中学校の耐震化が遅れていること、並びに高山市においても耐震化を進めてはいるものの校舎などの一部対応のみであるということでありました。
 耐震化工事には、事業費の1/3の国庫補助金はつくものの県の補助はございません。2/3は市町村の対応となるため、財政の壁があるという状況で「計画的改修」がいわれる所以であります。しかしながら、現状の認識と今後の対応をどうお考え手折られるのか、こうした数値発表がなされた段階での理事者の見解を伺いたいと思います。
 次に イ.避難所として活用出来る耐震化とは と通告致しております。
 今回の文部科学省による調査の一つの柱には、小中学校は地震などの災害時に避難所と指定される場合が多く、(文部科学省は)耐震化率を100%にするよう求めております。
 昨年の中越地震を例にとるまでもなく、避難所と指定されている小中学校施設は地域の防災拠点としての役割は重要なものがあり、昨年の高山市に於ける豪雨災害におきましても、地域住民の皆様の災害時の受け皿として機能したところであります。
 高山市においてはその際の反省点としては、災害備蓄品の備蓄状況のばらつきや避難所としてのエリアの問題等改善すべき点を議論してきたところではありますが、耐震化を進める中においてはそのその要求されるハード面での基準のほかにも、地震の際に避難所として求められるソフト面での基準・要求度というものも出てくるのではないかと思います。
 乳幼児からお年寄りまでが一時避難する避難所として、ハード面及びソフト面でも対応する基準と整備の方針などについて伺います。
◎打保教育委員会事務局長) 
 お早うございます。それでは私の方から小中学校の耐震化についてのご質問についてお答え致します。最初に朝日新聞への掲載の記事の件たいしてお答えいたします。
 耐震補強については、昭和56年に建築基準法が改正されて建物の耐震性能の強化が義務付けられたことにより、昭和56年以前に建築された学校については耐震補強工事等が必要となりました。その為、該当する建築年次の学校については耐震診断調査を行い、その結果を基に耐震補強工事等が必要か否かの判断を行う事になります。
 高山市に於いては、平成7年の阪神・淡路大震災を契機に、昭和56年以前に建築され他建物の耐震診断調査を実施し、耐震補強工事等が必用な場合は順次耐震改築。補強工事を実施してきました。
 この耐震補強工事を行う場合には、併せて大規模改修工事を実施して参りました。この事については合併町村も動揺の対応をしております。
 議員ご指摘の朝日新聞で掲載されました耐震化率は、棟数を基準としたものであり、面積を基準とした場合では、国の耐震化率49.1%を上回る約5割の耐震化率となりますが、いずれにしても耐震化が充分とまではすすんでいないのが現状です。その理由といやしましては、議員のご指摘にもありましたありましたように、一つには高山市では支所地域も含め早くから小中学校の鉄筋コンクリート化を図ってきており、昭和56年以前に建設された建物が全小中学校の7割を占めているといったことがあります。又、耐震化を実施する場合、大規模改造を併せて実施したことで、財源確保等の問題から耐震化が進まなかったということがあります。主にこれらのことが現在の耐震化率に反映されているものと考えます。
 今後は、高山市小中学校建物改造整備5カ年計画の中で、耐震化を優先して小中学校の耐震化を進めることとしております。5年間で全体の4分の3程度の建物の耐震化を予定しています。
 次ぎに避難所として活用出来る耐震化のことですが、
 学校の耐震化につきましては、これまでも計画的に実施して参りましたが、小中学校整備5カ年計画の中で、地震等の災害から児童生徒を守るとともに、住民の皆様の避難場所の役割を果たす校舎・屋内運動場とするため、早期に耐震性能を確保する為の耐震改築。耐震補強工事を行うこととしております。
 同時に、災害時を想定し、多くの市民が利用する施設でもありますので、段差の解消、トイレを車いすでも利用可能とする為の改修等、学校施設のバリアフリー化も計画的に実施しております。
◎中田清介)
 2点についてそれぞれお答え頂きました。
 小中学校の校舎の耐震化につきましては、地域の住民の皆様の安全を守るという点につきまして、学校施設の役割ということもまちづくりの中で大きく位置づけられていかなければならないということで、重要な視点であると認識しております。
 只今の御答弁では学校施設等整備計画の中で順次そうした基準をクリアーしていくよう努力されるということであったと思います。
 私どもも、そういえばそうであったなと。西小学校の大規模改修は、私がPTAの役員をしておりましたもう10年以上前のことでありますが、一緒になって進めて参ったと記憶がございますけれども、校舎の一部(であった。)、じゃあその校舎全体ではどうかと思いますと、3分の2はまだそのままであったと改めて認識したところです。
 それから(全市の)体育館でありますが、支所地域においての整備が、その建築年次により耐震基準を満たさないものが多くあるという説明でありましたが、何とかこの辺の方も速やかに調査され、順次対応出来る様に改修を進めてもらいたいと思います。
 先程もう一点、ソフト面での対応ということもお答え頂きました。車いす対応等のバリアフリー化やトイレの整備、こうしたものは万が一の場合に要求される性能ではないかと思います。中越地震の時の被害者の(皆様の)姿を見ておりますと、うち続く余震に怯えられる姿が大変私達の目に映ってきております。
 多くの皆さんが体育関東に避難されている中での、恐怖に駆られる様子は繰り返される余震に対する精神的ケアー(の必要性)も 、テレビで繰り返し報道されたと思っております。
 こうしたことに対する耐震性能の確保という御答弁も頂きましたが、耐震性能といった面からいえば、現在では免震工法といったものが各企業に於いて開発され成果を上げているようであります。
 特に巨大ビルや高層ビル等では、その技術が採用されているようであります。予算面での制約もありますし、改築時にしかなかなか導入出来ないといった制約はあると思いますが、今後の課題として免震工法等にも考慮して頂きますようお願いをしておきます。
 アとして地域資源の活用にまず実態調査を
 イとしては歴史街道と歴史文化遺産の活用をその柱に としております。
 ウといたしましては.訪れてみたいまちづくりに「文化の力」を と通告致して おります。
 景観法の制定による高山市の対応については、平成16年12月議会に於いてその対応をお聞きしたところであります。その時のやりとりでは「まだ国の運用基準が明確に定まっておらない、県における条例制定等の動きも見なければならない、それと連動する形で高山市の今ある景観を守る条例等手直し等が必要であれば行っていかなけばならない」という答弁であったと記憶しております。又私は「高山市は観光都市として、これまで優れた景観を残す(一方で)、一過性のイベントに頼らないまちづくりを推進し、年間観光客300万人という実績を築いてきております。今後新市に於ける展開といたしましては、高山の町並みを保存して景観を守るという努力とともに、農村の原風景、こうしたものを景観法に基づいて保存・活用することで、地域振興面でもいろいろなことができるのではないか。棚田を守るツールとしてもこの景観法は利用できるであろう、街の中の中心市街地の活性化にも、古い町並みの保存地区だけでなく、地域に広げて活用できるのではないか。今後そうした中の一つ一つを充実させて、高山のまちづくりに繋げていって頂きたいと思います。」と要望しておるところであります。
 そうした状況下ではありますが、昨年文化財保護法の一部改正により、「文化的景観」
の保護保全という方針が打ち出され、平成17年4月1日からの施行となっております。
 今回の改正においては、「地域における人々の生活又は生業(なりわい)及び当該地域の風土により形成された景観地で、我が国民の生活又は生業(なりわい)の理解のために欠くことのできないものを「文化的景観」と定義し、このような文化的景観は地域の歴史や文化と密接に関わる固有の風土的特色を表す文化的資産であり、我が国の歴史、文化等の正しい理解のため欠くことのできないものであることから、新たな文化財として位置づけております。また、文部科学大臣は、都道府県又は市町村等地方公共団体の申出に基づき、文化的景観のうち特に重要なものを『重要文化的景観』として選定することができる」としております。
 景観法に基づく景観計画区域や景観地区等の決定や、それに基づく景観計画や景観地区に関する都市計画の策定などが前提とはなっておりますが、地方自治体は文化的景観の保全のため必要な規制等を定める条例の制定ができるとしております。
 このことは、合併により多くの伝統と文化に根ざす地域資源を受け継ぎ・有することとなった高山市に於いて、先の答弁にありましたように「景観法に連動する形で条例等の手直しも必要」とする、高山市の方針に、これを後押しする重要な手がかりとなるものと考えております。
 地域資源の掘り起こしとネットワーク化による交流人口の増加は、合併における地域振興策の一つの柱として位置づけられる大きな課題でもあります。
 文部科学省の方針も、都道府県及び市町村の申し出に基づき、景観法で定める景観計画区域又は景観地区内にある文化的景観の内、特に重要なものを重要文化的景観として選定することとしており、その為の調査研究費を予算計上すでにしており、文化的景観に関する保存調査についても、文化的景観保存計画の策定にも文化庁の経費補助をすでに打ち出しているところです。高山市においてはこうした背景の中で、景観法関連の条例整備と併せ文化的景観保全計画が策定できるよう、速やかに実態調査を進めるべきと考えますが理事者の見解を伺います。
(イ)として歴史街道と歴史文化遺産の活用をその柱に と通告しております。
 高山市は合併記念イベントとして、「親子で街道史跡めぐり」を企画され、7月31日・8月3.6.9.21日まで多くの市民の皆さんの参加を得てこうしたが合併記念イベントを実施され手織り増す。歴史に裏打ちされた新市の一体感を改めて認識していただく企画として大変好評であったと聞いておりますし、私も荘のように感じております。。
 今回実施されましたのは、高山を起点として江戸街道・尾張街道・郡上白川街道・越中街道・平湯街道の5方面でありました。現在の自動車を中心とする道筋とはまま異なる点はありますけれども、地域を結ぶこうした街道は、物資の輸送・人の往来・地域文化の発展には欠かせぬ重要な役割を担ってまいりました。それに伴いこうした街道沿いには地域に根ざした文化的景観や(指定された)指定文化財、伝統行事や民俗芸能等が多く見られるところです。
 先ほど申し上げましたネットワーク化による地域振興にも活かせる方策として、是非歴史街道の活用をその柱に据えていただきたいと思いますが、理事者の見解を伺っておきます。
(ウ)として訪れてみたいまちづくりに「文化の力」を としております。今までの高山市の方針を見れば言わずもがなのことではありますが・・・。
 私は、平成14年9月議会でウオーキングシテイ構想の中での遊歩道整備と里山歩きについて質問し、遊歩・あるこことの楽しみを見つける中での新しい旅の創造をと提案してまいったところです。
 今回の景観法制定と文化的景観の保護保全についての国の方針は、合併で広くなった高山市の地域振興の方針と合致するものであり、これまでの高山市の観光振興の方針に新たな視点を加えるものと捉えております。
 改めて申し上げるまでもありませんが、訪れてみたいまちづくりに「文化の力」を大いに活用する事を大いにお願いするものであります。
 ウオーキングシテイ構想は旧高山市街を想定し、バリアフリーのまちづくりは新市全域を捉えて実現を図る。こうした方針は地域再生計画を国へ提出する際の、地域再生計画策定時の市の見解ではあります。しかしながら景観法と今回の文化的景観の保護保全という考えをドッキングさせ、各支所地域に拡大していく中でネットワーク化を図ることは、「文化の力」を活用した「訪れてみたいまちづくり」につながるものと考えますが、この点についても見解を伺っておきたいと思います。
打保教育委員会事務局長)
 次ぎに、文化的景観の保全についての課題 についてお答え致します。
 文化的景観については、議員も質問の中でご指摘になられましたように、「地域における人々の生活又は生業(なりわい)及び風土により形成された景観地で、国民の生活又は生業の理解のため欠くことのできないもの」.と定義され、人と自然が調和した景観を保護しようという趣旨で、平成16年に文化庁により文化的景観の保護制度が作られております。段々畑とか屋敷林、防風林、用材林、棚田、農山村景勝地などが対象とされる景観地として想定されています。その中で特に重要なものは、文化財としての価値に照らし国の「重要文化的景観」に選定される仕組になっております。
 そこで最初のご質問の「地域資源の活用にまず実態調査を」についてですが、
 高山市は、合併により指定文化財の件数が大幅に増え、また指定外の歴史的文化遺産も多くを保有することになりました。
 これらは地域の文化遺産として大切に保存されてきたものですが、一般には知られていないものも多くあります。「文化的景観」についても昨年かに制度化が作られたばかりでございます。、どういった景観地が、何箇所ぐらいあるかは、これからその実態を調査し、その活用方法についても調査研究し、検討していく必要があるとと思います。
 次ぎに「歴史街道と歴史文化遺産の活用をその柱に」ついてですが、
 高山市には、東西南北方向に主要歴史街道が伸びており、人でにぎわう重要な政治、経済、産業の街道として発展をしてまいりました。
 これらの街道沿いには、素晴らしい景勝地、文化的景観を保有する農村地帯なども残っているため、これらの街道を歴史街道と位置づけて、7月から8月に掛けて、新高山市合併記念イベント事業として、「親子で街道史跡めぐり」を市民参加による歴史街道めぐり
として行ないました。各地域を結ぶ、新高山市の一体感を増す事が出来るとの参加者からの感想・評価も頂いております。
 こういった歴史街道を軸にして、文化的景観を接続してゆく事も、歴史文化遺産の有意義な活用につながると考えております。
 次ぎに「訪れてみたいまちづくりに「文化の力」を」ということですが、
 高山地域の中で、旧高山城下町は歴史文化や歴史的建造物群保存地区のある魅力ある町として、全国的な評価も頂いているところでございます。
 又、伝建地区以外にも、旧城下町の町並が残っているところがありますので、それらを掘り起こす事によって、歴史文化をまちづくりの中で活用してまいりたいと考えております。
 又、支所地域においても 指定文化財をはじめ文化的景観など諸制度に規定される文化遺産や地域の伝統行事、民俗芸能など見るべきものが多くありますので、それらの保存と活用には、歴史文化の調査を含めて市民の皆様のご理解とご協力を得ながら進めてまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
◎中田清介)
 続きまして、文化的景観の保全についてもお答えを頂きました。
 これからの地域振興の柱になる文化的景観をどのように活用していくのかというのが、今後観光都市としての高山市の課題といえるのではないかと思っております。
  江戸街道を考えてみますと、伊能忠敬が作りました全国図にもその足跡が記されており、最後は山口村から高山へ入り杉崎村まで足を伸ばしたとういう足跡が、その伊能全図の中にも記されております。そうした歴史に裏打ちされた街道(等を)もう一度見直して頂きまして、(そうしたことが)新市の一体感に寄与するもの考えております。
 近年では、岐阜新聞が刊行致しました(「鰤街道物語」という本)。ここにおいでになる増田議員もその調査員として名を連ねてお見えになりますが、その「鰤街道物語」という本が出版されておりますが、あの内容などはまさにこうした街道を活かすといった主旨にそった内容であったと、私は読ませていただ開いております。
 是非こうした法律の主旨も活用されまして、活気ある・元気ある高山市づくりにお知恵を出して頂きたいと思います。地域の皆さんもそれを望んで折られると思いますので、よろしくお願い致します。
 
総和保育園の改築問題 についてうがいたいと思います。
 ア.先般の学・保複合施設としての提案に、関係部局は具体的にどのような検討を加え  てきたかと通告致しております。
 @移譲計画と整備計画並びに用地問題
 A教育施設の独立性と交流効果のバランス、並びに学校と保育園との所属の問題  として通告致しております。
 この問題につきましては、去る平成16年9月議会に於いて今井議員より問題提起された問題と認識しております。
 会派としても取り上げ調査研究してきた内容であります。
 その時の議論について改めて議事録を読み直してみましたが、@として通告しております移譲計画と整備計画並びに用地問題が絡んだ今回の事例については、私は、具体的に西小学校との合築という方向を決断すべきではないかと訴えて質問に入りたいと思います。
 少しこの問題を整理してみますが、昭和25年建設の総和保育園については、築後54年を経過しており、老朽化しただけではなく耐震という問題については無防備な園舎といえ、これまでに何遍も早急な改築が必要とされ、そうした議論が繰り返されてきたところです。
 しかしながら用地問題で行き詰まり現地での立て替えは不可能であり用地の選定を迫られている。又、委譲計画と整備計画の関係では、新たな園舎を整備した後に委譲していくという考えが繰り返し示されており、平成17年度中の改築に続く委譲の方針が示されてきたところであり、残る旧市内の2園についてはその後順次委譲という方針ではなかったかと思っております。
 3つの課題に直面している現状を何とか打破しうる方法として、学・保複合施設という考え方ができないかというのが先般の問題提起であったと認識しております。
 この改築問題が行き詰まっているため、市は委譲計画の数値目標との整合性から「条件が整った保育園から順次委譲の手続きにはいる」との方針で、城山保育園等の委譲の説明に入っているのが現状で、対象とされた城山保育園の保護者会ではちょっと話の順番が違うのではないかと山王・総和の保護者会との連携をとり、市の対応に反異論を唱えているという状況となっていると認識しております。
 そこで伺います。
 1.用地問題で行き詰まった現況で、これまでの計画を変更していくのか。
 2.移転しなければならないとなったら、近辺に適当な用地確保ができるのか。
 3.先般の学・保複合施設の提案に対しては具体的に検討されたのか伺いたい   と思います。
 続きまして、A教育施設の独立性と交流効果のバランス、並びに学校と保育園との所属の問題と通告致しておりますが、この問題に関しては先般教育現場の検討課題として今井議員の質問時に教育長が答弁された内容でありますが、当然複合施設として考えた場合にはそれを可能にする条件をクリアーしなければならず、そうした検討課題として答弁されたものと受け止めております。
 私たちは、これまで幼保一元化特区における施設運営状況、小学校と幼稚園の併設状況、保育園と小学校との併設合築などについて視察もし、調査もしこれまでに至っておりますが、まず市民の理解を得る努力も含めて種々クリアしなければならない問題点についてはそうした地でも指摘されてきました。
 こうした制約条件については、関係部局間で検討を加えられたのかについても伺っておきたいと思います。
◎長瀬福祉保健部長)
 お早うございます。総和保育園の改築問題についてご質問でございますので、お答え致します。
 まず@でございますが、総和保育園は建替えてから委譲していくという考えに変更がありません。しかしながら、議員言われましたように地主の都合により立ち退きを求められており、現地での建替えは不可能となっている現状でございます。
 新たに土地を求めて移転改築することも検討しましたが、かなりの面積を必要とすることなどの問題があって、具体的に話を進めることができない状況でありました。
 このような状況の中で、平成16年6月議会で今井議員から提案されました学・保複合施設について、西小学校との合築した場合保育園や小学校についてどのような検討が必要なのか、例えば安全面の配慮や、授業・保育の妨げにならないよう安心できる施設管理と利用、さらには、合築することによって保育園や小学校にとってマイナスにならないよう快適に施設を利用可能にするにはどうしたら良いのか、さらには、学校用地が全体的に狭い中での土地の利用方法、さらには建築の技術的な問題を様々な角度から諸問題について教育委員会と協議をしているところでございます。さらには都市整備課など関係部局間と協働で検討をしているところでございますので、よろしくお願いをしたいと思います。
◎森瀬教育長)
 2つの問題についてお答えをさせて頂きたいと思います。
 一つは街道を取り上げて頂きまして、文化の力を高山市の活性化に使うべきだというご指摘をたまわりまして、大変私のそのとおりだと思いました。
 飛騨の存在は、飛騨の存在そのものが街道が繋ぐ町であり村であった言うことから考えて、今後ともそういう地域の文化を大切にしなければならないし、文化とは暮らしの輝きであり、その足跡だと考えますので、暮らしの中に心の景色が残っていることを大切にして、そういう目線を持って新市の文化の継承をして参りたいと思います。 
 それから2点目は、西小学校と保育園との合築問題が、具体的に西小学校という名前が出ましたので。私も一言申し述べさせて頂きたいと思います。
 私はまちに暮らしがあってこそ潤いがあり、又暖かさがあり、人々の目があってそこに教育的土壌が成立するのだと思います。
 そういう点でまちの中心に学校があるということは、魅力的な高山のまちづくりの重要な要素であろうと思います。
 私もそういう意味で全国2箇所程そういうところを見て回りましたが、簡単に利点を上げられるところもありましたし、大々的に利点を上げられるところもありますが、必ずしも上手くいっていると私は思いませんでした。しかしその教育的効果は考えてみるだけの値打ちがあるだろうと思います。
 いずれにいたしましても、繰り返しの出来ない子供達の教育条件整備の問題ですので、その後にとっては繰り返しが出来ませんので、私ども教育委員会といたしましては、慎重に検討して参ったところでございます。今西小学校を複合化の実現を目指すととするなら、幾多の課題はあると思いますけれども、幼児と小学生の連続が必ずしも上手くいってない今は、教育的効果の必要性も感じておりますので、その際少しでも新しい市の一つのモデルケースとして少なくとも各地に何かを発信出来るものを効果的に考えていくことが、市民的了解・理解を得られるものと考えておりますので、ご理解をたまわりたいと思います。
◎中田清介)
 この問題につきましては、大変慎重な対応が必用であろうと思っております。
具体的に名前を挙げて議論されませんでした、少しオブラードに包んでお話を進めて参られました前回の議論の中でも、種々の規制クリアーしなければならない条件についてそれらの御議論があったと認識しております。
 今、教育長が申されました中心市街地の問題と連動するまちづくり、こうしたものの中に位置づけられる教育施設のポジションということは、これから様々な意味で重要度を増して議論されてくると考えております。
 高齢化が進み少子化の中で学校経営をどうしていくのか、又、少子化が進み高齢化が進んでいるからこそその地域の保育の環境をどうするのか、こうしたものを2つながら併せて考えるとき、併設の合築という方向性も、私達の許容範囲の中で議論していかなければならないところであると思っています。
 又、これまでの答弁では、教育長は高齢者と交流出来る複合施設の可能性については、肯定的なご意見を述べられております。複合施設としての考え方の中に、学・保の問題も慎重にではありますが進めていって頂きたい問題であると思います。
 又、西小学校そのものの課題といたしましては中心部の小学校として位置づけるには、学区の問題もいびつな形になっている。生徒数の問題もクリアーしなければならない。又、若達・花岡線(の拡幅)等の問題もありまして、制約される条件が種々多岐にわたっている。そういう中での合築・併設というものを考える時には、第1にやはり保護者の皆さん、生徒の父兄の皆さん、地域の皆さんに十分理解がされるそうした議論を進めて頂くことが大切だと思います。そして、それをクリアー出来るような計画案をお示し頂くことも、必要な要素でないかと思っております。
 少し教育論からはずれるかと思いますが、具体的に先程部長も答弁されましたけれども、新たな用地を確保した場合、要求される施設規模からしてその用地費の問題もかなり高額になるのではないかと思っております。1億単位・2億単位の中心市街地の用地取得でありますから、そうした金額の問題もクリアーしなければならない問題の一つであると思います。
 そうした問題も合築であるならば、その用地費を学校整備の中使っていける。先程も耐震化の問題でご指摘致しましたがけれども、西小学校の3分の2はまだ耐震化手をつけておりません。そうした耐震化と併せて考えるならば、もっと良い案も出るのではないかと思っております。
 敷地面積の絶対量が少ないという問題は、実は南小学校の改築時にも地域の皆さん、ご父兄の皆さんからご指摘を受けたところでありましたけれども、そうした問題も見事クリアーされた高山市の姿勢であります。知恵と工夫で克服していって頂きたいと思います。
 土野市長には、耐震化(については)もう限界に来ているこの総和保育園問題につきまして、時間的課題をどうクリアされるのか、この点だけについて見解を伺い足しの質問を終わります。
◎土野市長)
 全体の耐震化の問題につきましては、さっきご指摘頂きましたように遅れている面があると思っています。これは耐震化だけをやればもう少しスピードアップ出来たのであろうと思いますけれども、大規模改造と併せてやるという手法をとった為に遅れたという面があったかと思いますが、何とか先程答弁致しました様な5カ年以内に対応するようにしたいと考えております。
 それから、総和保育園の問題でございますが、大変遅くなっておりまして、わたしどもも申し訳ないと思っている事でございます。
 今年中には一応の方向づけはしたいと思っています。どちらにするにしましても、今年度中に結論を出すと言うことで対応して参りたいと思いますのでよろしくお願いいたそます