平成18年12月議会一般質問
私的な反訳による速報です。正確には議事録によりご確認下さい。尚一問一答方式で掲載致しております。
発言の中で言い回しの不備な点などについては、括弧で注を付けております。
通告内容
1.指定管理移行後の水道事業について
 ア.企業会計に於ける給水区域の問題と経営的視点
 イ.簡易水道に於ける集約化と統合
 ウ.長期ビジョンの必要性
2.市民活動と協働で取り組むまちづくりについて
 ア.市民まちづくり活動の広がりと市の対応
 イ.公益信託と公社資金の考え方
3.教育研究所と「であい塾」の移転について
 ア.移転候補地とスケジュールについて
 イ.大学等との連携についての考え

質問の背景と要点
 日本の上水道事業は、戦後復旧と共に建設の時代を半世紀経過してきましたが、今後は持続的経営の時代に入り、長期の事業運営を見据えた経営計画立案が必要であると訴えました。市民活動については、行政のバックアップのなかで、地域協同の考え方でまちづくりの担い手として育む必要がある。その為地域ファンドの考え方を広くアピールしていく必要がある。教育研究所については、一之宮支所に置く方向で調整しているが、その内容や今後の運営方針について質しました。
質問と答弁内容
中田清介)
 先ほどの議論をお聞きしておりまして、私感じますことは、現在我々は大きな歴史の転換点にたっておるのだという感じがしてなりません。国の政策も次々と新たな舵取りを(迫られ)、右に切るのか左に切るのかわかりませんけれども、転換をしていっております。その中で私たち地方に住まいする者も、それに沿ったまちづくに進まなければならない。人口減少社会が進展する中で高山市が迫られるものは、観光と交流の力を借りてその活力を維持していく、そうしたまちづくりが望まれておるということを痛切に感じました。また、その為のまちづくりには今いわれております。「地域協働」の考え方を取り入れて、官民協働で新しいまちづくりを模索しなければならないというところではないかと思っております。
 昨日より私ども、会派として6人が登壇致しまして、「施策と予算要望」に基づきまして、それぞれ分担しあいながら課題について理事者の見解をお聞きしているところでございます。私もその中から3点取り上げまして質問させて頂きます。
通告に基づき、3点質問をさせていただきます。
まず「1.指定管理移行後の水道事業について伺いたいと思います。
ア.企業会計に於ける給水区域の問題と経営的視点
イ.簡易水道に於ける集約化と統合
ウ.長期ビジョンの必要性 と通告致しております。
 これまで水道事業につきましては、私はH13年9月議会、ここでは水道法改正に伴う対応について.H15年6月議会において水需給に関わる事項、特にその料金体系等についてその対応をお聞きしてきたところであります。又、H16年12月議会では、@施設の耐震化と城山配水池の耐震診断及び老朽管対策 A宮水源の積極活用について B新市域に於ける上水道事業の運営管理について 伺っております。
今回「指定管理移行後の水道事業について」としておりますが、16年12月の質問時点においてお答え頂きました、給水区域についての考え・新市に於ける水道事業の考えの項につきましては、「今後にその対応をはかり適正化につなげる」といった答弁であったと思っております。その後合併となり、指定管理制度の導入による取水から浄水までの運営管理について、その効率的運営とサービス向上への制度改正がなされたことは皆様ご承知のとおりであります。今後にその対応が求められている訳ででございます。
 さて、本年度に導入され、本年度より始まった指定管理制度導入は、半世紀を経過した高山市の水道事業に於ける必要な見直しや再構築の為のひとつの通過点に過ぎず、今後は体系だった長期計画の基に運営基盤の強化やより安全な水の安定供給、さらに災害対策の充実と燃料費等の節減による環境エネルギー対策の強化等に向かうべきで有り、その為にも長期ビジョンの作成が急務であると訴え質問に入りたいと思います。
 平成13年の水道法改正の前後から、我が国の上水道事業は全国的に設備の大規模更新・再構築を、史上はじめて経験する時代へ突入し、人口減少時代への移行や市町村合併の進展等に対応する為、厚生労働省は平成16年6月「水道ビジョン」を策定し、各水道事業者にも運営基盤の強化等に対する対応を求めると共に、事業者を取り巻く環境を総合的に分析した上で経営戦略を策定し、その対応を計画的に実行していくことが必須であるとし、「地域水道ビジョン」 の策定を推奨しているところであります。
 その為17年10月には「地域水道ビジョン策定の手引き」を通知すると共に、その間17年1月には(社)日本水道協会規格として「水道事業ガイドライン」が整備されると共に、17年5月には同じく(社)日本水道協会策定の「水道施設更新指針」 が発表されるなど、矢継ぎ早に事業全般にわたる分析・評価の指針や、ハード面からの機能診断等の指針も出されてきたところであります。
 その間、高山市は平成17年2月の合併をふまえ、多くの水道水源や異なる管理運営体制を抱える地域事情から、各種調整事項への対応と施設全般にわたる現状の把握に追われる中で、平成17年度〜21年度にわたる5カ年計画を策定され、資本的支出に関する厳しい見通しを発表されているところでもあります。
 そこで、ア.企業会計に於ける給水区域の問題と経営的視点 と通告致しておりますが、指定管理者導入後の企業会計としての視点から、給水区域の問題をどう捉えていくのか伺いたいと思います。今まで宮水源の積極活用をいわれる中にあって、以前の答弁では、上野の配水コントロール弁の調整で全量を使い切れるとか、宮水源の増強により動力費・及び薬品投入費で1300万(円)節減出来たというような、現有施設の再構築や再配置という観点でのチェックではなく、直接的効果について述べられる答弁が主でありましたが、16年12月答弁ではこう述べられております。「現在、郊外の宅地化、企業の水需要の変化などにより、給水区域の見直しを迫られている状況にあります。 この見直しを進める上においては、配水池の拡張、配水管の敷設替えなど資本的支出の増大につながることになり、効率的な浄水施設の運用が求められております。
 宮水源につきましては、現在も日平均1万5千トンを配水し、平成15年度実績では総配水量の58%を占めており、有効活用を図っているところであります。
 今後は、さらに宮水源を最大限活用することにより、給水区域の拡大を図り、コスト削減や施設の効率的運営につなげたいと考えております」と、お答え頂いておる状況であります。
 この中で述べられている内容からすれば、宮水源を最大限活用する手だては、給水区域の拡大を図る事である。資本的支出の増大つまりかなりの資本投下はしなければならないが、その事を踏まえコスト削減や効率的運営をはかるということのようであります。
 指定管理導入による管理運営コストの削減効果が今後見込まれる中にあって、副次的には技術上も管理しやすい事業体系への転換や、エネルギー消費の面からも環境負荷の少ない運営体制への転換なども要求され、宮水源を積極活用する給水区域の見直しは早晩迫られるものと思っております。
 16年8月に高山管設備工業協働組合より提言のあった思い切った給水区域の見直し案については、今一度比較検討しその実現を図ることが必要なのではないかと私は思っております。その骨子は自然流下方式を多用した配水計画・給水区域の拡大で、宮水源を江名子・山口地区や松倉地域まで拡大するというものであり、小手先の給水区域の拡大では、長期にわたる経営基盤の強化や、動力費を主とするランニングコストの削減に対応することは出来ず、加えて長期の建設投資に於ける自己資本比率の向上、つまり借金に頼らない収益からの投資が出来る環境を打ち立てるにはこの見直しが必要というものであります。これまでがそうであったように、これから半世紀先を見据えた経営戦略を打ち立てる為には、必要な投資は行うべきではないかと考えるからであります。
 初期投資とランニングコストの比較や起債の償還計画等の課題もありますが、指定管理により人的コスト等水道事業にかかる経常的運営費は軽減されており、この軽減された運営費を財源とした上水道事業の運営基盤の強化といった観点に立てば、長期的展望の上に給水区域替えを計画すべき時と考えますが、市の見解を伺いたいと思います。
イとして、簡易水道に於ける集約化と統合について伺いたいと思います。
 合併により多くの水源を持つ簡易水道事業を効率的に運営し、その運営基盤を強化し安全な水の安定供給を図る為にも、簡易水道に於ける集約化や統合については、今後計画的に推進する必要があると考えます。既に統合が図られた丹生川地区のような幹線整備で対応出来るところ、区域を越えた配水管網の連結により一体化を実現出来るところ、新たな水源により効率運営を図り給水区域を拡大出来るところ、又企業会計での浄水施設との連結で統合出来る処などが考えられますが、こうしたところを順次改善していく努力も求められているところであります。又、効率的な運営管理面から言えば、多くの水源を持つ簡易水道事業故に、早急にテレメーターによる集中管理を実現し、その管理運営基盤を強化することは急務と考えますが、その点についての見解をも伺いたいと思います。
ウとして、長期ビジョンの必要性 について伺います。
 縷々述べて参りましたが、厚生労働省の「水道ビジョン」が求めているところは、合併後の高山市に於いても、その多くが必要な指摘でもあると読ませて頂いております。
 長期的な政策目標を達成する為の総合的な水道施策の推進の項に盛り込まれております、「運営基盤の強化」・「安心安全な給水の確保」・「災害対策等の充実」・「環境エネルギー対策の強化」などは、高山市にとっても欠かせぬ課題であると見ております。
 ア・イで述べました事項についても、勿論その中に包含されている事項ではあります。
 その為「地域水道ビジョン策定の手引き」においては、簡易水道事業を有する市町村においてはそれらを包含して市町村単位で作成することがのべられており、水道ビジョンにおいては新たな概念の広域化に触れられていると共に、中長期的財政収支に基づく計画的な施設の整備更新の項では、次のように述べております。「人口減少や高齢化の進展により国民の負担能力が減少する中にあって、持続可能な水道事業の投資額の確保の為にも、持続可能な経営に留意し内部留保資金を確保して建設改良財源への自己資金投入比率を高める必要がある」というふうに述べております。
この点は、運営基盤の強化と経営努力で適正利益を確保して、その経営基盤を強化せよと言っているのであり、アで質問をいたしました経営的視点というものの指摘ではないかと読ませていただいております。
高山市はこうした経営効率化の観点からの運営形態の多様化については、指定管理制度の導入により対応済みでありますが、本来は事業全体を総合的に分析し、長期的視点に立った「地域水道ビジョン」の策定と連動して導入されるのが筋ではなかったかというふうにも考えます。
 しかしながら、合併によるあまたの調整の中で全てを求めることは難しいところと理解するところでもあります。
 なにより企業会計においては水道料金と借入資本金とで施設整備に当たることになり、水道ビジョンに述べる経営効率化の視点も、現場から見ればより有効なコスト縮減策実現に当たっても、資本投下が必要になる事項については、起債残高・資産残高・積立金残高に留意し、資本調達、施設整備、資産形成、事業運営益や減価償却資金による起債償還の循環を重要視していかねばなりません。
それらの上に立って、必要な事業の計画的遂行が求められているわけですので、「地域水道ビジョン」の策定は急務であるといわざるを得ません。平成17年を起点とする5ヶ年計画の最終年は平成21年であります。指定管理の試行期間は平成20年で終了し、本契約による管理運営委任は同じく平成21年からとなっています。少なくともそうした事態に対応し、地域水道ビジョン作成の手引きが述べる「平成20年頃までを目途に策定」されたいとする条項に対応する為にも、次の5カ年計画に合わせて「地域水道ビジョン」を策定する必要があり、その為には平成19年度中の対応も求められる。そういうふうに考えますが、水道部長の見解を伺います。
松崎水道部長)それでは、3点のご質問に対してお答えしたいと思います。
 まず、企業会計に於ける給水区域の問題点と経営的視点ということで、お答え致します。 宮水源は良質な地下水を自然流下で利用できるため使用エネルギーを低く抑えることが出来、きゅうすいげんかをも低く抑えることが出来ます。安全面や経営効率の視点から、今後も最大限に活用していくことが重要であると考えています。しかし、現在の配水池容量や或いは配水池の標高では、今以上に宮水源からの給水区域を拡張することは困難であります。従いまして今後、宮水源の配水区域を広げるためには、配水池を始めとする施設整備を時期高山市水道事業整備5カ年計画の中で費用対効果を含めまして慎重に分析検討し、より一層の宮水源の有効活用を図っていきたいと考えております。
 次に、簡易水道に於ける集約化と統合についてお答え致します。
高山市には簡易水道をはじめとする多数の水道事業が各地域に存在しております。日々市民の皆様に水道水を供給しております。合併により市町村の境界が無くなりましたので、経営効率化や低廉でかつ安定した水道水の供給をおこなっていくためにも、各地域に多数存在しております簡易水道事業等の統合に向けた検討が重要な課題であると認識しております。
 具体的には地理的条件により統合が困難なものを除きまして、旧高山市に隣接するもの、或いは地理的にお互いが近接しており統合が可能なものについては、これも費用対効果を含めて統合の検討を進めていきたいというふうに考えております。
 次に長期ビジョンの必要性についてでございますが、昨年市町村合併によりまして、高山市は広大な市域に水道事業及び簡易水道事業など計50もの事業を経営しております。
 議員がご指摘のとおり、今後先の2点の質問でお答えしたことも踏まえまして、より一層の水道事業経営の効率化を図っていくためには、高山市全域を視野に入れた長期的な将来像を描き、事業の統合やそれに基づきます施設整備の計画、いわゆる地域水道ビジョン、それの作成が緊急かつ重要な課題になっていると認識しております。
中田清介)
 それぞれお答えを頂きました。指定雄管理(移行)後の水道事業について、全国共通する課題がこの水道事業には山積しておる。これも制度改革システム改革の1つではないかというふうに思っております。
そもそも水道法改正が先行する。そうした状況下の中にあって、これまで建設をする時代から持続的経営の時代に入ったという事が水道ビジョンの中に言われています。将にそのとおりではないかと。
 宮水源の活用につきましても、現在までは既設の敷設管を目一杯使って15,000dを出来るだけ多く使うことにより、上野(浄水場)の運転係数を減らし効率的運営に寄与してきたわけでありますけれども、今度長期ビジョンづくり・長期の経営戦略というものを打ち立てる必要があるというふうに言われておりまして、私は石狩市、北海道の日本海側にあります小樽と札幌にはさまれました石狩市の水道ビジョン等も見させて頂きまして、概要版ではありますけれども。石狩市は旧(合併前の)高山市と人口規模も同じと言うことで、私たちも図書館建設の視察に伺ったところでありますが、ここの(地域)水道ビジョンでその事に触れてこのように述べています。『概ね50年先を見定めた、あるべき姿をイメージした経営戦略を策定し、長期的な方向性を設定致します。さらにはその施策推進の為の基本的な考えも今後10年程度のタイムスパンで整理し、出来る限り具体的に掲げていく』と述べ、細かな指針の方策等を定めておるというふうに見させて頂きました。
こうしたことが矢張り高山市にも求められるのではないか。戦後50年を経ちました宮からの導水管につきましては、既に敷設替えをして頂いております。
施設の更新という事で、まずは導水管の敷設替えが先行しております。今後は坂口からの配水管の問題を早急に切り替え、城山配水池までの安定・安全な送水体系を作らなければならないというところにも来ていると見ております。
 このルート等につきましては、(高山管設備工業協同組合からの)提言は川を渡らない方法でありましたけれども、今までにもれ承るところでは、旧国道41号を下ってきて(枡形)橋を渡って城山へ登るという様な方法を模索されているようでありますけれども、この事につきましても未だに決定がなされていないという状況下にあります。
自然流下の効率性、自然流下方式による水道事業の運営ということは、先人が残してくれた高山市の財産であります。これからも大切にしていかなければならない運営思想でありますけれども、そういうことから言えば(城山配水池への送水管が)2度宮川を渡るという発想は、宮川にかかる水害危険度・リスクというものを2度そこにかける(ということです。)
 そうした発想に立てば、本当にそれが良いのかということもこれから議論していかねばならないというふうにも考えております。そうした視点がひとつ。
それから指定管理に出された水道事業でありますけれども、(指定管理料の)3億円の内、ほぼ1億円が動力費であるというようなことが言われております。大きな数字が電力料金ということで、環境負荷をかけているということが現れておると思いますが、そうしたエネルギー需要を抑えて効率的な運営基盤を打ち立てるということになれば、やはりそうした長期のスパンにわたる経営戦略というものを、この際打ち立てる必要があるのではないかというふうに思っております。
 そうしたことの資金需要としましては、20億(円)とか30億(円)とも試算されたようでもありますが、そうした資本投下が50年先を見すえた、今後の高山市の水道事業に寄与するということになれば、先程申し述べられました様に費用対効果をきちんとやはり精査して、そうした方法が良いのか机上の空論に終わるのか、検証をして頂きたいなと思っております。20億・30億規模ということになれば、今言われております様なPFIによる民間資金の導入というようなことも言われておりますので、その辺も同じように俎上に載せましてこれから比較検討しっかりして頂きたいと思っております。
 先程財政部長がバランスシートの事を述べられましたが、H16年度にH15年度のバランスシートが公表されて以来、2年ぶりに今度公表されると言うことになっております。その中では先程述べられましたような(財務分析の)視点もありますけれども、私は水道事業会計における社会資本形成にかかる世代間負担比率ということを(分析して)出しております。H15年度では特別会計の水道事業会計で、0.61。これは現役世代の負担が61%。将来世代の負担が39%。起債残高・施設整備による資本関係でありますけれども、こうした数字も出ているわけでございます。果たして巨大な投資が可能であるのか、そうしたこともしっかり精査して頂きたいというふうに思っております。
何遍も申し上げるようでありますが、水道ビジョンのいう「人口動態」・「自己資本比率の向上」の考え方は、矢張り経営戦略というものをしっかり打ち立てないと今後考えられないという状況でありますので、こうした事・水道事業全般につきまして、市長のお考えも伺っておきたいと思います。
土野市長)
 私共の使命として、安全で美味しい水を安定的に供給するという事は、課せられた義務でありまして、そういう意味で高山市の水道事業そのもの、かなり時間的経過も経ってご指摘のような老朽化の問題があると思います。
 そういう中で、おっしゃるような長期的な計画を立てていくべき時期に来ているのかなというふうに思いますが、その計画を立てる前提として矢張り人口推計でありますとか、それから水の需給、これからの需要の調査とか、さらに街のゾーニングの問題とか、いろんな課題があるんじゃないかなと思います。
 そういうものを前提としてさらに費用対効果ということを考えながら、矢張りやって行かなきゃいかんのじゃないかと思っております。
 一方で、簡易水道事業を含めて50もの事業主体になっているということも、矢張り統合とか合理化を図っていかなきゃならない大きな課題でありますので、その辺も踏まえて、全体としてどういう長期的な水道ビジョンの見通しを立てるのがよいのか研究させて頂いて、いずれにしても安定的な水道水を供給出来るようなことを市として考えていきたい。このように思っております。
中田清介)
 
続きまして2.市民活動と協働で取り組むまちづくりについて 質問を致します
アとして、市民まちづくり活動の広がりと市の対応
 イとして、公益信託と公社資金の考え方 と通告致しております。
高山市では平成17年度から市民活動団体登録制度を設け、指針に基づき市民活動団体設立補助金やその活動事業補助金の交付を実施して頂いております。その間多くの団体が登録をされ活発な活動への支援が行われてきたと認識しております。また今年度に入っても新たな団体登録がされるなど、市民活動団体のひろがりが見られる中にあっては、市のバックアップ体制の重要さが改めて感じられるところであります。
 これまで要望してまいりました市民活動拠点の整備については、市長のマニュフェストにも取り上げて頂き、心強く思っているところでもあります。
 今こうした活動が注目されるのは、これまでの何でも行政が担い手のまちづくりから、企業や団体等と協働するまちづくり、市民や市民活動団体と協働するまちづくりがいわれ、市民活動がまちづくりの受け皿として育ってきている状況があります。もちろん既存の町内会・自治会などの組織との棲み分けや、活動方法の違いといった面も有しますが、全ての公共サービスの受け皿とはならなくても、地域に密着した「まちづくり」の分野では、むしろ市民活動団体がふさわしい事例もあるといわれています。
 またそうした活動は、これまで福祉分野のソフト分野に限られがちと受け止められてまいりましたが、市民団体の活動を支援する資金原資の新しい形が整えられつつあり、従来の補助金による支援のみといった状況から、ファンドを主体とする投融資といった考えが導入されるに及んで、ハードに関わるまちづくりにまでその活動の幅が拡がり、市民活動団体の位置づけが変貌しつつあります。
 一般的に市民活動への補助制度については事業補助と団体補助とがありますが、事業補助については別として、団体補助は長い習慣の中で多くの指定枠が設けられ、なにかと硬直した面があったことも否めません。又、ソフト事業対象の補助などは、全国でだいたい上限50万円までといった制約も多く、ハードに関わるまちづくりへの支援は、これまでその要む声はあっても難しい状況下にあったといえます。その為、例えば「ヨコハマ市民まち普請事業」は、緑地や建物等の身近な地域まちづくり施設整備に関して、上限500万円まで助成する制度として発足するなど、活動を支援する制度のほうも変貌を見せてきております。
 そうした中にあっては、(財)民間都市開発推進機構が資金拠出をするファンドの制度として、「住民参加型まちづくりファンド」がございます。これは地域の企業や住民による資金を使って、景観形成や観光振興などに寄与する住民参加型まちづくりファンドに対して、国の補助金を受けた民間都市開発推進機構が資金拠出をする制度です。これまでの枠にとらわれない、社会変革の流れに対応した画期的なファンドとして注目されておるという状況にあります。
 支援対象事業としては、町並み景観に配慮したファサード整備や、シンボル施設の整備やライトアップ施設の整備、伝統文化の継承や歴史的施設の保全、観光物産品の販売施設の整備等まで幅広いハード整備を目的とする事業にたいして、通常は2千万円まで、特段の事情がある場合は5000万円まで資金拠出をする制度ということであります。こうしたファンドへの拠出はまちなか居住再生ファンドなどと同じく地方自治体の資金拠出が行われている公益信託の方法によるか、公益法人であることを条件としております。
 又、総務省の支援するコミニテイ・ファンドは同じく地域住民や地域の企業などによるコミュニテイファンドに地方自治体が出資や貸し付けを行った際に出資権の償還金利子の一部を地方交付税に算入する方式で支援するものであります。官民協働・地域密着型のコミュニテイサービス等のソフト活動を活性化させるファンドであります。
 こうした活動に共通するのは、公益信託としての受け皿の組織が必要なことと、行政が黒子としてその枠組みの中に資金拠出を求められていることであります。
先のまちなか居住再生ファンドの件でもそうですが、こうしたファンドの考え方においては、行政の支援策を準備しておくことが求められてもおるわけです。高山市に於いてはこれからの感のある支援制度ですが、制度の利点や活用の幅をアピールすることによって資金需要を伴う市民団体の活動は活発になることも考えられます。
 又、そうしたことになれば必然的に行政が連動することを求められる事項・制度でありますので、こうした面に於ける今後の対応について見解を伺っておきたいと思います。
 又、様々な活動に対する資金面での支援方法としては、公社の資金や収益を有効に活用し、市民活動への助成策に充てる方法などもあると聞きます。その場合公社の収益をまちづくりの基金に充てる方法、公社等への民間企業等の寄付金を充てるものなど様々な形があると聞いています。併せて、公益信託と公社資金の活用に対する将来への展望も必要になると考えますが
行政としてのお考えをお聞かせ頂きたいと思います。
国島企画管理部長)
 始めに市民活動の広がりについてお答えさせて頂きます。お話にございましたように、市では「市民活動応援指針」に基づき、昨年の7月から市民活動団体登録制度を設けまして、設立補助金、市民活動事業補助金などの市民活動団体に対する支援を行ってきているところです。
 現在まで市民活動は大きな広がりを見せておりまして、今年に入って27の団体が新たに登録され、計58団体が市内で登録されています。
 その多くが、介護や子育てなどのソフト的な事業を主体とする団体でございますけれども、今後は地域の環境整備やハード的な事業を行う団体など、ソフ
ト・ハードに拘らず、多様な市民活動団体が育ってくるよう市民活動団体設立補助金のPRなどを行うとともに、既に活動している団体に対しては活動事業補助金などを活用していただき、さらに市民活動を広げていただきたいというふうに考えております。
 また、相談業務を行う一方で、登録団体同士のネットワーク化を図る、登録団体が一堂に会する情報交換会というようなものを開催して、課題の把握を行うとともに、新たに市民活動支援共同事務所の設置も検討など、これは始めていきたいと思っています。
 それから次ぎに新しい支援策についてのお尋ねでございます。
平成17年3月に総務省の「分権型社会に対応した地方行政組織運営の刷新に関する研究会」というところが、『分権型社会における自治体経営の刷新戦略』というのをまとめました。この中でこれからの地方分権型社会における公共サービス提供のあり方として、行政だけではなく住民団体やNPO、企業など多様な主体によって公共サービスや公共的サービスが担われる社会、これをいわゆる「新しい公共空間」と申し上げますが、そういう空間が提唱されました。
 この「新しい公共空間の形成」を推進する手法の一つとして、市民や企業、地域団体、行政など(が)地域の多様な主体が協力して公共的サービスを提供するという、先程お話にありました「地域協働」の考え方が示されたわけでございます。
 岐阜県においては、この「地域協働」の考え方に基づきまして、県民が様々な形で新たな公共の担い手となり、公共的サービスを提供する地域社会の形成を図るために、県の出えん金と企業や県民からの寄附金による「公益信託ぎふNPOはつらつファンド」を昨年7月に創設したところでございます。また、全国の地方自治体においても、こうした地域協働の推進に向けて地域ファンド等の形成の取組みが、今行われはじめました。
 新しい公共空間の形成の為にも時代の流れは官から民への舵取りが進んでおりまして、受け皿として民側も企業等の法人だけではなく、市民活動団体も対象となってきました。今後は官から民間企業へという方向と、官から市民団体へという方向。2つの方向で捉えられます。
 市民団体の受け皿の育成や、従来手法である補助金支援からファンド等の新しい支援の手法が求められているように感じております。こうした国や県の同好を踏まえまして、地域ファンドの形成目的や地域協働の考えに基づく地域づくりを進めていく上での、新たな資金提供のあり方と捉えまして、公益信託や公社資金等の様々な手法による地域ファンドの形成への、先進自治体の取り組みなども参考に致しまして、高山市にふさわしい地域ファンドの形成のあり方について、金融機関等も含め研究を進めて参りたいというふうに思っております。
中田」清介)
 市民活動支援の受け皿としてのファンドの考え方、大変柔軟な発想で様々な分野のまちづくりに、政府のほうは支援策を用意しておるようであります。
国交省系、経済産業省系、総務省系。まちづくりという言葉の範囲が大変多岐にわたっておりますので、地方を自立へと追い込む中で先程も申し上げました『地域協働のまちづくり 』、こうしたものを是非進めて行かなければ、今後の日本のまちづくり、特に地方都市の構築というものが難しいのではないかと・・・。これはまちづくり三法の改正時点から、ハードに関わる思想の中にも如実に表れてきているファンドの考え方であります。
 小さな町内会単位のハード事業、昨日も(何人もが)言われましたけれども、支所地域に於ける自立へ向けてのまちづくり事業、そうしたものにも先程申し上げましたが、ソフトの部分からハードの部分までファンドの考え方が導入されて折ります根で、高山市にもこうしたまずは考え方をアピールして頂きまして、このような活動範囲でも使えるファンドの形成は、こういうところにもあるという事をアピールされることが、今後の市としての責務ではないかというふうに思っております。
 その様なところご留意頂きまして、今お答え頂きましたような活動の中で懐(深く)その幅を広げ言って頂きたいと思います。
最後に教育研究所と「であい塾」の移転についてお聞きを致しております
 アとして移転候補地とスケジュールについて 、イとして大学等との連携についての考えと致しております。
 昨日も車戸議員への答弁におきまして、一之宮支所地域に教育研究所・であい塾は移転の候補地になっているというお答えでございました。大変積極的な空きスペースの活用、私どもが昨年以来申し上げております遊休施設の有効活用。このひとつの具体例がやっと陽の芽を見てきたというふうな考えでおります。
 特にであい塾について申し上げますと、私も一度過去に一般質問で取り上げまして、中山運動公園管理棟から、クリーンセンターへの移転というそうしたタイムリーを捉えまして質問をさせて頂いた事があります。
特にであい塾については相談窓口を設けて不登校などの相談業務に当たって頂いたのが、平成十年以前からで無いかと思っていますが、社会状況の中で不登校やいじめの問題が浮かび上がった時点から、高山市教育委員会としては素早く取り組まれた事、そうしたことも評価致しますし、それからの変遷を考える時、感慨深いものがあるわけでありますが、こうしたであい塾を併設した教育研究所の移転につきまして、それではその選定に関わる内容や経緯について、何故一之宮支所地域が選ばれたのか、又、地域の住民の皆様の意向調査等はきちんとなされたのか、その様なこと選定の経緯について伺っておきたいと思います。
又、大学等との連携についての考えと致しておりますが、もう皆様ご存じと思いますが、新聞発表等にも現れております岐阜女子大学・岐阜大学との連携が発表されておりますので、これからの教育研究所の活動内容とは又違った広がりを見せるのではないかと期待して折ります。どのような研究内容・活動を期待することが出来るのか、一言伺っておきたいと思います。
打保教育委員会事務局長)
 それでは、私の方から教育研究所とであい塾の移転についてお答えさせて頂きます。
教育研究所は、高山市教育の振興発展を図る為、教育研修センター、ソフトウエアライブラリーセンター、であい塾の三つの機関をおき、平成十四年四月に高山市冬頭町333番地高山市下水道センター内に設置致しております。今回、合併により広大になった市域をカバーし、利用者のニーズに答えていくには手狭となってきたことを受け、教育財産の蓄積或いは活用の場としての活用、又新たに大学連携の拠点としての活用を図り、高山市教育の一層の振興発展を図る為、教育研究所の機能を充実し移転をしたいと考えて折ります。移転先の一之宮支所につきましては、交通アクセス上、高山市のほぼ中心に位置し、駐車場も有り、JRの利用も可能で利便性がよい点さらには支所の空き室利用等を考慮して移転先としているところであります。
又、一之宮地域の連合町内会などからも教育研究所の移転についての要望書藻出され手織り、地元住民の皆様の理解も得ているところであります。
 次ぎに大学との連携についての考えですが、高山市教育委員会は本年6月29日に岐阜女子大学と、又11月28ひに岐阜大学教育学部と、「高山市小中学校教職員の資質向上に関すること」や、「教員を目指している学生の教育実習の受け入れに関すること」、そして「市民に向けての生涯学習の情報や機会の提供に関すること」などについて、それぞれ協定を結んでおります。現在の教育研究所の活動内容ですが、岐阜女子大学との間で、遠隔配信のテレビ会議システムによる教員免許法認定公開講座が12月2日から始まり、小学校教諭の2種免許を1種免許に上級申請することが高山市内で出来るようになりました。
又、岐阜大学教育学部とは、教員を目指している高山市出身の学生を中心に、4年生で実施する「教職インターン」、これは今までの教育実習より、一層専門的な学校現場での実習を、高山市内の小中学校で平成19年度から受け入れていく為の準備を進めております。
 今後は、機能を充実する教育研究所を拠点として、大学院の開設や、インターネットによる公開講座の配信などを行い、教職員の資質向上などに役立てると共に、市民の皆様に向けても様々な分野での公開講座などを開設し、生涯学習の振興に活用したいと考えております。
中田清介)
只今お答え頂きました。大学院の誘致、市民講座などにも活用出来るというような内容も備える教育研究所ということで、大変期待をされる施設に成るのではないかと思っております。又、候補地であります一之宮支所地域の皆さんにとっても、嬉しい施設導入ということになると思います。是非立派な内容を持つ教育研究所にして頂きたいと思っております。
これにつきましては、精力的に大学との連携に取り組まれました、教育長にはそれなりの思い入れというものがあると思います。
教育長という立場からの、教育研究所のこれからに期待する思いがありましたら、お聞かせ頂きたいと思います。大変、森瀬後援会の一人として一言教育長のコメントを頂きたいと思います。これで私の一般質問を終わります。
森瀬教育長)
 大変教育研究所のことをご理解賜りまして有り難うございます。
教育を巡る最近の国の動向のところでは、やや気になるところがございまして。ひとつ目は、政令指定都市等がすでに各県に教員採用のパンフレットを、大量に出しているということ。それから教員系大学の再編の国の動きがどうも感じられるということで、中には総合大学で教育学部を切るというところもあるというふうに聞いております。
又、国は今後とも国の一定基準を守ると思いますけれども、地方分権による動きは、基本的には止まらないだろうということを思っております。
 私は教育は人にあり、教師の人格と力量がやっぱり非常に大事だということを思っておるのですけれども、優秀な教員を以下に確保する下ということは大事なことでありまして、現在の飛騨は全体として飛騨の教員で賄うことは出来ない。高山市は賄っておりますけれども、特に益田郡は不足しているところもあり、全体としては他地区から教員を頂いておるというこいう事があります。
 そういう状況の中にあってやっぱり今後飛騨の教員を将来に渡って確保していくという事は、大事なことであります。それが飛騨を守っていく大きな力になっているんでないかなと。
 かって明治5年に学区制があった頃には、飛騨に教員がいなくて、西之一色の東照宮に華陽学校(岐阜師範の前身)の高山出張所が出来て、そこで学んだ田中貢太郎が、(創建当時)岐阜県最大の煥章学校を作ったという、そういう歴史もあることからいえば、やっぱり次へ向けての手を打っておくことが大事でないかと。この日本一広い高山市にあって、教育研究所を軸にして、将来に渡って一体感を生む、何というか今 一之宮に文教地区といいますか、そういうものが要ると思うんですね。それから一体感を持つことで全市的なひとつの、仮に私なりに言えば、文教地区のようなものがあって、そこへ先生が集まり、学生が集まり、或いはまちの若い団体もそれと交流するというようなことを通じて、先程も前の議員さんにもお答え致しましたけれども、高山市の文化の力といいますかね、まちの力というかそういう魅力あるものが育まれてくるのでは無かろうか。その事で将来のまちづくりには必ずプラスになりますし、これからの次世代を育む力になってくるということを思っておりますわけで、何卒ご支援を賜りたいと思います。