平成18年9月議会一般質問
私的な反訳による速報です。正確には議事録によりご確認下さい。尚一問一答方式で掲載致しております。
発言の中で言い回しの不備な点などについては、括弧で注を付けております。
通告内容
市長は4期目の課題として財政規模適正化にどう取り組まれるか
  ア 今後の行革の必要性と地方債残高1,1150億円の重み
  イ 一般会計規模と起債残高縮減への道筋

2.副市長制について市長の見解は
3.消防団員確保についての方策
  高山市消防団第2分団説明会よりその窮状について
4.バナー広告等の高山市の広告事業について
 ア 導入への考えとその基準作りについて
5.地域活性化の一方策「ご当地検定」のすすめ
 ア 全国60カ所の事例から
質問の背景と要点
1.合併後の道筋をつけるための4期目、健全財政の維持には義務的経費の削減が必要。その内公債費残高縮減も課題。どのように取り組まれるか
2.副市長制は民間の事業部制の様な機構改革への制度改革と捉える。どのように活用される考えか
3.市中心部の団員減少は深刻。どのような対策があるか。
4.高山市の広告事業についてはその基準作りが大切と考える。その対策は。
5.
「ご当地検定」は地域振興の一方策。行政はどのような支援体制はを組めるのか。
質問と答弁内容
中田清介
 質問に入ります前に月並みな表現ではありますが、土野市長の4期目の当選を心からお祝いしたいと思います。
 私ども自民クラブでは、市長選に際し市長の公約への要望を提出させて頂いております。その中の多くの事項につきまして公約の中に組み入れて頂いておると受け止めております。 今後とも任期を全うされる中で(公約された)市政運営に臨まれることを心から望んでおります。
 それでは通告にもとづきまして一般質問をさせていただきます。
 本年に入って自治体の財政に関し、様々な指標の発表や報道がなされています。この春公表された「市町村財政比較分析表」は、類似団体間で主要財政指標の比較分析を行い、住民等の理解と協力を得ながら財政の健全化を推進していくための情報開示として、全国一斉に公表されたところです。
又、このほど発表された「実質公債費比率」につきましては、国の許可制だった自治体の地方債発行が本年度から協議制となり、国の同意が得られなくても議会に報告した上で発行できるよう自由化されたため、地方債の信用を維持する目安として導入された財政指標です。
 地方自治体の財政問題については、夕張市の破綻問題からその実態把握についての報道や、連結での地方債残高等について多くの指摘や分析がなされたところであります。いわゆる自治体が自由に使える財源・標準財政規模に対する赤字幅や地方債残高の割合などが報道され、住民一人当たりの地方債発行残高の比較や、赤字決算比率のランキングなどが示されたところです。又、こうしたことを期に政府の破綻法制への動きが加速したようにも見受けられます。 地方財政には多くの財政指標が使われていますが、その指標は単年度の資金繰りに係るフローの部分が中心で、ストックベースでの財政状況の変化を捉えられないという様な点が指摘されています。そうした点からは今後特に地方自治体の償還能力が問われるのであり、地方債に対する償還能力を示す指標が必要といわれています。
 加えてその際、議会のチェック機能についても厳しく指摘されてきたところです。
一点目として■市長は4期目の課題として財政規模適正化にどう取り組まれるか
 ア 今後の行革の必要性と地方債残高1,150億円の重み
 イ 一般会計規模と起債残高縮減への道筋
  と通告しています。
 
 先の財政比較分析表では平成16年度決算数値において、高山市は公債費負担の健全度と将来負担の健全度において類似団体より劣り、定員管理の適性度と財政力においても劣るという結果が出ております。
 又、実質公債費比率では平成15.16.17年度平均で14.7となっており、岐阜県では中程に位置する中、16年度に減税補填債の一括償還があったことを考えればまずまずの数値といったところではないでしょうか。
 又、高山市では平成11年度からバランスシート等の公表に踏み切っており、連結でも公表してまいりました。しかし合併に伴う調整から16年度については財務諸表の公表が出来ない状況にあり、本年12月議会で審査する平成17年度決算に合わせ、ようやく17年度分が公表されるものと期待をしております。
 そうした中にあっては、改めて高山市の財政規模について、その標準財政規模と地方債残高の推移や、実質地方債残高などについて合併前後の比較を通して現状の把握と分析をしてみました。
 まず、市町村台帳に於ける普通会計の標準財政規模と起債残高の推移でありますが、高山市分に於いては、合併前には起債制限比率の低下にあわせ、地方債現在高を増やしていっている姿がうかがえ、その公債費比率を15%に何とか維持する中で、額としては約267億円でH15がピークであります。9町村の推移を見てみると標準財政規模に於ける交付税の割合の多さと共に、地方交付税の縮減に伴う標準財政規模の低下が顕著になってきていたというところであります。
 そして合併後の普通会計の状況はといえば、標準財政規模に於ける交付税の割合が高まり、起債残高が約2.3倍となる中で税収は1.4倍となる姿が伺え、普通会計だけでも起債残高は640億円台に総量(総額)を上げてきているというところです。
 標準財政規模に対する起債残高の比率が、合併前の2.05とH17年度決算速報値では2.24となっており、そんなに差がないように見受けられますが、標準財政規模における交付税の比率は約53%と以前の約28%強と比べ高い水準となっており、今後さらなる交付税の縮減等があれば、その影響を受けやすい構造となっている姿がうかがえます。
 次に、地方債総額に対する交付税算入率の推移を見てみました。地方自治体は必要な建設投資に対する資金需要を満たすため、又必要な社会資本整備に於ける世代間の負担に公平性を持たせるために起債による長期の資金調達を行います。そうした中には交付税算入になるものとそれ以外のものがあります。そこで一般会計・特別会計・企業会計を合算した借金総額における交付税算入率と額を見てみました。(三会計の内企業会計には交付税処置は無いのでありますが)
 三会計合算額では、地方債残高は合併後約1,150億円、そのうち交付税算入額は約580億円、実質地方債残高約560億円台という姿が見て取れました。算入率では旧町村が有利な起債条件での交付税算入額であるにもかかわらず、合計額では53%にとどまる姿が交付税算入の実態かと見ております。
また、単年度での元利償還を見てみますと、H17年度では三会計合算で約113億円の元利償還を行う中で、交付税算入額を引いた実質償還額は53億円を要しています。高山市の税収140億円前後という中にあっては、独自の政策経費に充てられる留保財源は35億円程度というところですので、今後長期にわたる元利償還のなかで、毎年毎年人件費削減やコスト縮減分に頼ることは出来ませんから、それに対応する為には基金積み立てが必須となるのではないでしょうか。
 借金残高1,150億円の重みというところが感じられるのではないでしょうか。 一般家庭でいう貯金部分の基金積み立ては、どの程度が必要なのかという点も改めて問われるところではないのでしょうか。
 H17年度分速報値では基金残高は約216億円と前年度より微増というところですが、地方債残高1,150億に比して18.8%にあたる金額があるというものです。しかしその中身はというと、財政調整基金約52億円(24.09%)・減債基金約15億円(7.22%)・特定目的基金14,845,318千円(68.64%)という状況です。減債と財調であわせて約67〜8億というが現状ではないかと認識しています。 
こうした中で合併の特例期間は10年とされ、残された期間は8年しかありません。その後5年間の激変緩和の調整期間があるとはいえ、その期間を通して元利償還は続き、合併特例債を目一杯使うと償還のピークは特例期間を過ぎて向かえることになるというのは、合併協議の中で検証致しました財政推計でも言われたところです。
 そうした点を克服する中で安定した健全財政を目指す努力が望まれるところであり、合併算定替えの特例を活かす行革・身の丈にあった起債と合併特例債の効果的な活用等が今後の財政運営の要と言えるのではないでしょうか。
 財政運営という立場から見れば、単年度収支といった点ばかりでなく、ストックとしての指標や償還能力等を考慮して、財政調整基金や減債基金の適正規模といった点も考慮に入れなければならないところであると感じています。
そこで伺います。現在の高山市の歳入構造では、以前より交付税により依存した構造となっています。合併に伴う交付税の算定替え等の要因もありますが、今後の国の三位一体改革が進めば財源委譲が進まない限り不安定要素が増す事にもなりかねません。行革の必要性と起債残高(借金総額)に対する認識、並びに合併算定替えの特例期間を通じての基金積み立て等についての見解を伺いたいと思います。
2点目として、「一般会計規模と起債残高縮減への道筋」としておりますが、
 特に起債残高と基金残高については合併に於ける財政推計においては、悲観的数値の公表で説明が推移し、このようにならないよう財政運営で舵取りすると言われてきた経緯もあります。その為には義務的経費の圧縮が必須要件であり、その内の一つ人件費部分については定員削減で対応するとしても、もう一方の課題公債費の圧縮には、起債残高の総量管理についても触れざるをえないと思います。類似団体に於ける規模としては一般会計規模で380億円程度、起債残高では目一杯見ても1000億円程度が一つの目安かと考えますが、こうした点でどのような視点でこうした残高の縮減へ取り組まれるのか見解を伺います。
荒井財務部長)
 只今ご質問の中で議員のご指摘になられました財政指標とその意味する状況については、財政を担当する者としても同様の視点で見ております。
 合併によりまして合併前これは平成15年でありますが、0.74であった財政力指数は平成17年度決算の段階で0.51。それから実質公債費比率が14.7。こういった数値が出ておりますし、地方交付税への依存度が高まるなど財政基盤は低下しております。又、合併前には全会計あわせて約530億円であった地方債残高も合併後約1150億円、うち一般会計で約650億円となり、これは住民一人当たりしますと合併前が40万3千円、これが67万3千円となっておりまして、類似団体の一般会計の残高と比較しても約220億円多い大変厳しい状況ででございます。
 全地方債残高に於ける交付税参入率は、平成17年末で50.6%でございますが、交付税も一般財源であることそれから又、非参入分の償還これが留保財源であることを考えれば、多額の地方債残高は一般財源を圧迫することになります。
 毎年の起債償還につきましては、全会計で約113億円、うち一般会計で74億円。これは類似団体と比較して約30億円多い数字となっています。義務的経費が増高している要因のひとつであります。
 こうしたことを考えれば、義務的経費の比率を抑えて財政に余裕を持たせる為にも、合併の財政的特例処置のある10年プラスアルファ−という時期に、少なくとも類似団体並みの行政体質を実現することを目指して、行政改革を積極的に推進する中で人件費と共に公債費を抑制する必要があります。
 一般会計規模におきましては、類似団体の平成16年度決算ベースの約370億円と比べると、本市は概ね150億円上回っておりまして、この150億円のうち人件費・公債費といった義務的経費が約60億円でございます。
 この行政改革によります職員適正化への取り組みよる人件費の削減、こうしたものに加えて地方債残高の縮減が財政基盤強化のもっとも大きな方法の一つと考えておりまして、その為には高金利の起債の借り換えでございます(とか)又、交付税算入の少ない起債の繰り上げ償還、交付税算入が保持される起債への繰り上げ償還に努めると共に、繰り上げ償還に対応する為に減債基金・財政調整基金、こうした基金への積極的な積み立てに取り組みたいと考えています。
 尚、こういった基金への積み立ての財源といたしましては、先程申し上げました10年プラス
アルファ−(という期間)にございます地方交付税の算定替えの差額の他に、行政改革によるコスト縮減によって生じました財源等、こういったものを充当していきたい考えています。
 ただ、起債(残高)を縮減するにあたりまして、必要な事業をカットすることは出来ません。必要な事業を行いながら公債費を抑制する。困難なことだとは思いますが、こういった方針で財政健全化に向けて努力して参りたいと思いますので、よろしくお願いします。
中田清介)
 只今お答え頂きました。毎年毎年の事業遂行にあたって起債を起こさないわけにはいかない。そうした中で単年度の公債費を縮減していかねばならないとなると、起債の積み上げによる(増加に対して)、繰り上げ償還等が地道な努力として要求されるのではないか思います。
 大変大きくなりました市の事業の遂行にあたっては、新規の事業を採用しないわけには参りませんので、今お聞きした内容ですと基金積み立てと繰り上げ償還この繰り返しで、そうしたものに対応せざるをえない。そうした中で合併の特例期間並びに調整期間も、又それを過ぎても適正な事業規模が確保出来るような財政運営をしなければならないということではないかと思っています。
  さて、市長は今回のマニフェストの中で、冒頭部分に於いて「将来の高山市が行政基盤、財政基盤ともに安定し、市民の皆様の希望、要望に応えられるよう最大限努力します。」と述べられています。こうした所が今述べられた所でなかったのかと思っています。そして15項目の公約を述べられた後、「以上の施策を実施するにあたっては、住民満足度を確保しつつ、事業の効率的執行と行政改革によって生み出される新たな財源により、健全な市政経営を行います。」 とされています。市政経営との言葉を採用された、その言葉に込められた意味は大きいものと感じています。
 常々市長がおっしゃっておられます事は、類似団体程度の規模に圧縮を図りたいと言う発言も聞いております。そうした数値へ近づく道筋として、任期中の目標をどのようにお考えなのか、その事についても是非お聞きしておきたいと思います。

 つづいて、2.副市長制について市長の見解は と通告しております。
 これについては来年度に自治法の改正が予定されており、一部猶予期間があるとされているもののその対応が迫られているものと受け止めさせていただいております。
 内容については皆さんご承知の通りであり、この時期人事についてとやかく言うつもりなどは毛頭ありませんが、機構改革の一方式として、民間で言う事業部制のような権限委譲を伴う制度改革への道筋と受け止めております。 そうした意味に於いて市長はどのようにこの制度改革を受け止めておられるのか、又、これを活用されるおつもりはあるのか一言お聞かせ頂きたいと思います。
土野市長)
 高山市の財政の将来見通し等についていろいろご心配頂き、いろいろな数字でお示し頂いたわけですが、具体的な数字については先程部長がお答えしたとおりであります。率直に言って高山市は合併によって財政基盤といいますか財政力が悪くなっています。財政規模も膨れすぎているということで、やはり適正規模に持っていかなければならないというのが、一番大きな課題ではないかと思っています。
 しかし合併に伴いますいろいろな事業、又市民の皆様の要望等もございますので、そういうものに答えながらしかし出来るだけ早く財政規模、或いは基盤というものを安定させていくのが将来の高山市にとっては非常に重要だと考えて運営しているところでございます。
 従来の高山市では財政規模からいいますと240億円くらい、一般会計だったと思いますが。そういう中で税収が約100億円交付税が30億円。ということでそれが合併によりまして財政規模が500億円に膨らみ、税収は130億円と30億円増えただけでありますが、一方で交付税が30億円から130億円ということで、100億円増えているというような、交付税依存体質になってきているわけでして、起債の50数パーセントが交付税処置のあるものというものの、国が約束したことですから将来にわたって対応してくれるものと思ってはおりますけれど、最近のように交付税自体が、段々と鉋(かんな)がかかっているような状況になってまいりますと、そういうところにもやはり影響が出てくるのではないかと心配もあるわけで、何とかそういうものにあまり影響されないうちに早く財政体質を変えていく必要があるということで、今、行政改革を始めとしていろんな処置をとらせて頂いていることころです。
 前年度決算で26億円の余剰金を出したということで、議会ではどちらかというと批判的な意見が多かったわけでありますけれども、私は500億円規模の財政の中では、5%程度の差益が出るというのは、普通の運営では当然あってしかるべきではないかと(いう)位に思っております。そのような努力を続けながら、財政基盤の強化といいますか、借金依存体質からの脱却というものを図っていく必要があるのではないかと、こんな風に考えております。 この方向に向かって進めたいと思っております。
 その為には一方では市民の皆様の要望に応えながら、又切るべきところは切っていかないと出来ないわけでありまして、500億円台に拡がった一般会計の規模を、350億円なり380億円位に落としていかないと出来ないことでありまして、そういうことに対するご理解というものをお願いしたいと思っております。
 そういうことを重ねながら、健全な財務体質や財政基盤というものに向かっていきたいとそのように思っておりますので、この4年間一生懸命努力して参りたいと考えております。
 それから副市長制につきましては、自治法が変わりまして、来年4月からとり入れなければならないと言うことになっておりますして、収入役については若干の経過処置がありますけれども、今事務的な検討を始めております。
 特に高山市は合併して膨大な事務量となっています。私自身もアップアップの状態でございます。そういう意味でこの副市長制の導入と同時にやはり組織のあり方も見直しをし、そして又副市長に対する権限委譲を行いますことによって、スピード感のある行政が出来るように、又それぞれの責任体制が持てる組織にしていくことが大事でないかと考えています。
 そういう方向に向かっておそらく3月議会にご審議をお願いすることになろうかと思いますけれども、今事務的な検討を進めご協議させて頂きたいと思っているところでございます。
 いずれに致しましても、高山市の行政が円滑かつスピード感を持って、市民の皆様へのサービス向上に繋がるような組織体制にして参りたいと考えておりますのでよろしくお願い致します。
中田清介)
 それぞれお答えをいただきました。市長の今後の方針についても、困難な財政運営の中にあっても責任ある事業執行あたって、やはり一歩一歩努力しなければならないという決意の表明であったと受け止めております。いろいろな類似団体規模での比較(については)、私も見ておりますけれども、これを歳出ベースの中で一定規模に縮減する事、特に交際費を縮減することの難しさは大変なことであろうと感じております。
 しかしながらそういったことを一歩一歩進める努力の積み重ねが、特例期間或いは激変緩和の調整期間の過ぎた後に、まちづくりの糧となって花咲くと確信致しております。何とかそのような方向での堅実な財政運営に向かわれることを改めてお願いしておきたいと思います。
 又、副市長制につきましては、今市長も述べられました。危機感とスピードを持って行政の課題に対処する為には、矢張り事業部制のような責任の所在を明確にする機構改革も必要でないかと考えています。合併に伴いまして支所地域等についても、(何度も)議会で取り上げられているように、人員削減による(職員数や)執行体制の減少ということ等もやかましく言われています。
 こうした機構改革がそうしたものの(解消への)一助になるようにご努力を頂きたいと思います。どちらにしましても3月までには一定の方向性を出さねばならないということで、私達も注目させて頂きたいと思います。

ぎに3.消防団員確保についての方策
 ア 高山市消防団第2分団説明会よりその窮状について
と通告致しています。
 去る7月31日、高山市消防団第2分団の団員確保についての説明会が、地下一階の市民ホールにて開催されました。
 第2分団担当地域の町内会長39名の皆さんに呼びかけての開催でありました。地域内の市議会議員3名にも出席依頼があり、私も参加させて頂きました。日頃から、市民の生命財産を守る立場から奉仕されている消防団員の皆様には、感謝申し上げているところですが、その団員確保と活動維持に窮しておられる状況を拝聴いたしました。
 市中心部・川西地区を担当する第2分団ですが、町内数は39と多いのでありますが近年団員不足が深刻化しており、このままでは団の維持が難しいところまで来ている現状を訴えられました。そして管轄区域の町内会長さんに、現状の把握と団員確保への協力を求められたところです。
 現状はといえば定員割れが続く中で、サラリーマン団員と区域外団員の増加と高齢化が進み、団員補充についてもままならない状況であり、天満班などでは現状でも地元団員が6名で、初期出動が出来ない。今後必要な10名の補充は絶望的であり、5年後の団の存続は無理と断言され、その苦悩の程を訴えられました。陣屋班・七日町班などでも事情は似たようなものであり、危機感を募らせておられました。団員減少の中で消防団活動停滞への悪循環の中にあるといえるのではないでしょうか。
 ちなみに陣屋班・天満班・七日町班が第二分団配下でございますが、それぞれ定員が15名の中で、陣屋班は欠員1名、天満班は欠員6名、七日町班5名の欠員となっており、区域外団員では天満班3名、七日町班は5名となっています。高齢団員の割合につきましては、5名・4名・1名ということで60歳代の皆さんまで参加されているという窮状にある草です。
 又、当日頂きました資料から全国的に見ても、サラリーマン団員の比率は69.8%約7割に達しており、団員数もH17年度では90万8千人と自治消防発足の頃から見れば半減している状況です。初動体制に問題ありという状況です。
 当日の質疑応答の中では、0B団員の活用や定年延長、自主防災組織との連携などの意見も出ました。市中心部の住宅密集地域の火災に備え、初期出動の重要さと消防団活動の意義を理解した上で、防災といった観点に於いて大きな課題であると町内会長の皆さんが感じられたと思っています。
 先般、飛騨市の事例が新聞報道されていました。過疎に悩む宮川・河合地域での問題解決に、OBの活用で団員減少に対応する、支援団員制度が導入されたことが報道されておりました。高山市でも現在そうした検討が進んでいるとも聞いております。
 この支援団員制度を高山市でも早期に導入出来ないかと考えるところです。そうした上で自主防災組織のテコ入れで複数の組織が連携して活動出来る体制へと整備することで、この難局を乗り切るしかないのではないかとも考えます。高山市全体から見た現状とその対応について消防長の見解を伺います。
荒木消防長)
 それでは私の方から消防団員確保についてお答えさせて頂きます。
 現状でございますが、高山市の消防団の団員数につきましては、平成17年4月1日 時点で2015名でしたが、今年4月では1982名と33名減少しています。議員ご指摘の高山支団第2分団につきましては、5年前の平成13年4月1日で分団三役を含めまして47名の団員数が、39名となり8名減少しております。
 又、高山市消防団の現況でございますが、高山支団は1班を15名で構成しておりますが、高山支団28班の内、12班が15名未満となっております。支所地域の2支団でも新入団員の確保に苦慮している分団や班が一部には存在しております。全国的に見ましても消防団員の減少が続いている状況です。
 消防庁では、消防団員の確保について検討を行いまして、地域住民等が活動に参加しやすい活動環境を整える制度として、全ての活動に参加する現在の基本的な制度の団員に加えて、入団時に決めた特定の役割や活動・及び大きな災害等に団員OBが参加する
機能別団員制度の導入を始めとした検討結果を示しております。高山市と致しましては、この制度について検討すると共に自主防災組織につきましても、支所地域に於ける組織結成の促進、及び地域の実情に応じて複数の自治体の連携と組織の結成も必要と考えています。
 さらに消防団倉庫や消防団車の更新をする等、高山市の消防力の向上に勤めたいと考えております。
中田清介)
 消防団員の確保につきましては、縷々消防長から現状を述べて頂きました。
大変高山支団としても難しい状況の中(問題点が)沢山あるということのようです。特に顕著な例として第2分団は説明会までされまして、その危機感を住民の皆様にお伝え頂いたと感じておりますので、今申されましたような特定活動それから機能的再編等につきましては、早急に取り纏めをして頂きまして、地元住民が安心して暮らせる。そうした体制を早く市民に説明出来るようなご努力をお願いしたいと思います。

次ぎに4.バナー広告等の高山市の広告事業について
 ア 導入への考えとその基準作りについて
取り上げております。
 各自治体の財政難から、企業広告を導入する自治体が増えているようです。横浜市の徹底した導入ぶり等が盛んに紹介されている自治体の広告事業ですが、先般の報道に寄ればHPや広報誌に広告を掲載する市町村は280に達し、施設の企業名を冠する「命名権」も10自治体が導入したとのことであります。こうした例としては大分県総合文化センターの「iichiko総合文化センター」や、鹿児島県文化センターの「宝山ホール」など九州地区での焼酎メーカーの参入例や、皆さんご存じのプロ野球楽天球団のフランチャイズ・フルキャストスタジアム宮城などもそうした事例として紹介されています。
 又、広報誌に広告を載せる市区町村は1985年度で約50であったが、昨年度には232自治体に拡大していること、2000年度に鎌倉市がはじめて導入したホームページのバナー広告は昨年度105自治体と拡大している伝えています。
 財政効果という点では、その例として大阪府は歩道橋への企業等の道案内を掲示する制度で約1000万円の歩道橋塗装費用を捻出した事が合同されており、命名権事業では全国で10の自治体が11の命名権でえた契約金額は、公表されただけでも約58億円である等が報道されています。
 こうした中で高山市は、平成18年度の行政改革への取り組みとして、「公共施設などに於ける有料広告物掲載の検討」を掲げ、公共施設や広報、ホームページ、パンフレット、封筒などへの有料広告物掲載の検討をその目標に掲げています。18年度の取り組みとしてはまだ検討の段階ですが、自治体ならではの制約や、市としての取り組む段階での運用基準といった問題は避けて通れないところと考えます。市としてのイメージや観光都市としての制約、又市民の同意が得られるかどうかの問題から、その料金体系、どのうような広告媒体を最終的に選定するかの問題まで、きめ細かな対応が要求されると考えますがいかがでしょうか。
 改めてバナー広告等高山市の広告事業導入への考えと、その基準作りについて伺っておきたいと思います。
國島企画管理部長)
 バナー広告の関連でございますが、ご案内のとおり国・地方とも厳しい情勢環境にございます。市民福祉の向上を図る為には行政改革によりまして将来にわたって安定した行財政基盤を維持していく必要性がございまして、自治体の広告事業もその一つの施策として考えられているところです。
 市に於きましても、今年度第4次の行政改革の実施計画の中で、財政の改革の一つとして公共施設等における有料広告物掲載の検討を位置づけておりまして、7月から全庁的なワーキンググループを設置致しまして検討を始めたところでございます。先進地横浜等の事例なんかもその題材にしながら、ワーキンググル−プでは各部局や支局への調査、或いは職員提案を元に致しまして、一体高山市に於いて広告事業を実施する場合どういう方法が一番良いのだろうかと言うことについて、広告媒体の選定や方法、或いは掲載場所はどうか、或いは掲載する規格についてはどうか、料金としてはどう取ったらいいだろうか、或いは実施方法等いろいろな場合を想定しながら多面的な検討を進めております。
 特に媒体につきましては公共施設・公用自動車・印刷物等、或いは市HPのバナー広告等も含めて考えられる媒体全てについて、個々に広告掲載の検討を今行っているところでございます。
 今後ワーキンググループの提案を基にしまして、市として実施の是非やその方法を検討して参りますけれども、導入にあたりましては景観との調和、或いは十分検討致しまして伝統文化が息づく高山市のイメージを害することがないよう配慮する必要があります。又、広告媒体についてもこうした考え方を大切にして慎重に選定し、広告事業が民間の起業の皆様にとっても或いは行政にとっても、有益な事業となるよう市民の皆様のご理解をえながら、媒体対象物の選定、基準作成を進めていこうとしているところですので、お願いを申し上げます。
中田清介)
 バナー広告(等の広告事業)につきましては、一番の問題が基準作りではないかと思っています。横浜市の例などを見ますと、市役所で受け取る領収書(レシート)には提携をしたコンビニの特売の案内が印刷されて出てくるといった状況にある。又、マットから市営バスまで総動員してそうしたものに当たっているということでございます。一応品格ある観光都市としての基準作りに、こういったものにご留意頂きましてこちらの方も(早急な結論を)お出し頂きたいと思います。

 
最後に 地域活性化の一方策「ご当地検定」のすすめと通告しております。
 ア 全国60カ所の事例から
としていますが、
 この問題につきましては、6月議会の一般質問で住議員より、「観光都市としての正しいガイドのあり方、観光文化検定試験制度の実施について」の中で触れておられる内容も一部盛り込んでおりますです。
もてなしの心を広める方法としても、観光産業の活性化とその地域の人々が観光客を迎える知識や心構え、ホスピタリテイを醸成することに役立つといった観点からの質問と答弁があったと認識しています。
 その後新聞紙上に「ご当地検定」の報道もあり、その中でNPO法人による「地域検定振興協議会」の設立という記事もあり、各地の検定情報の紹介がありましたので、改めて地域活性化への一方策という観点で取り上げてみました。
 読売新聞によると2003年以降全国で23の検定が始まり、計画中を含めると60検定になるとのことです。又、そうした検定を類型別に捉えると、人材育成型・地域学型という大まかな分類で捉えることが出来るとの事であります。
 人材育成型の特徴は観光などの人材育成を通じて地域産業の活性化を図ろうとするもので、産業育成的な方向制を持つとされています。検定がそもそも能力開発のツールであることを考えれば、観光に関わる人材育成との能力向上を目指した観光型のものが多いのもうなずけるところです。
 地位学というのはいわゆる「飛騨学」や「長崎学」といった呼び方をされるもののことですが、この位置づけの中では、特定の地域の自然や文化を学ぶことを通じて地域づくりへの動機付けを図ることを目的とし、地域住民など多様な主体による生涯学習的スタイルで行っている活動を「地域学」と称するとされていますが、その活動の一環として行っているのがこの地域学型であるとしています。
 この地域学的取り組みの中では、資格取得よりも地域のいわゆる「通になること」、地域を「再認識をすること」、地域についての「理解を深めること」が主目的となり、地域の様々な団体が実施主体となることが出来、NPOや学校教育に取り入れることも出来るとされその導入例も紹介されております。こうした事例としては山口県萩市における「萩ものしり検定」、これもNPOD団体でありますが。「宇和島『通』歴史文化検定」、明石の凧で有名な明石市の「明石たこ検定」等があり、学校教育に活かした例としては石川県小松商業高校の例や、小中学生を対象とした例としては京都金沢などのジュニア検定もあるとの報道がありましたこ。 そこで、6月議会での答弁では、官民連携して飛騨高山にふさわしいご当地検定を研究して参りたいとの事でしたが、こうした類型別の特徴を把握するならば、地域振興へも結びつけられるものと考えています。
 このことは、合併で支所地域の歴史に裏打ちされた文化遺産や伝承等を多く引き継いだ高山市ですので、豊かな自然景観を活かす方法と共に、こうした資源を活かしていく「文化を活かしたまちづくり」等に活用できるのではないかという考えも持っています。
 現在高山市においても計画段階にあるご当地検定もあると聞いております。
直接行政が携わることが難しい問題ですので、そうした計画に当たっては、市民活動助成制度による助成の対象としても可能ではないかととも思っています。
 こうした活動について、行政が関われる支援の範囲方法についてお聞かせ頂きたいと思います。
國島企画管理部長)
 ご当地検定の関係でございますが、お話にございましたように6月議会での住議員の一般質問や、只今議員からもご説明頂きましたとおり、全国で商工会議所等が中心となりまして、地元の歴史・文化・自然・観光・産業等についての知識に関する検定づくりが盛んに行われて広がりを見せているところでございます。 検定を通じて地域住民の方に地域の魅力を改めて知って認識して頂き、地域外への地域ブランドの発信、或いは観光活動や観光プロデューサー等の観光人材育成といった効果がございますので、まちづくりの手法としても注目していますし、議員ご指摘のとおり人材育成型・地域学型等のその活用法も多岐にわたっていると認識しております。その意味から市では地域活性化や課題解決に繋がる事業に自発的に取り組んで頂ける団体の皆様方に、市民活動事業補助金交付要綱に基づいていろいろな経費の一部を支援しております。
 ご当地検定の実施に取り組まれる団体につきましても、その活動が要項の主旨に則り審査会の審査で認められた場合につきましては、支援出来るものと考えています。
 又、合併によりまして当地の歴史。文化、自然、景観等の資源が多彩になっておりますので、そうしたものをより有効に活用し、人材育成と地域づくりに取り組まれるご当地検定の実施の為には、必要な情報の提供或いは個別の検定内容の相談には、市としても積極的に協力していきたいと考えています。
中田清介)
 ご当地検定でありますけれども今ブームの様でありまして、決して行政が直接乗り出すと言ったような内容ではないかと思います。
 ただ、地域の活動団体の皆様にとりましては、こうしたもので検定の人達を集める中で、キャラクタ−グッズであるとか検定書でありますとか検定本の販売を通じて、活動の資金も得られるといった副産物もあるようでございます。こうしたものを地域振興として守り育ててやって頂く努力も、高山市にとっては必要ではないかということで取り上げてみました。
 市民活動助成制度の中では、そうした助成策についても採用して頂けるという可能性を述べて頂きましたので、これからもそのような姿勢で相談業務につきましても窓口を設けて対応してやって頂きたいと思います。
 これで私の一般質問を終わります。