平成21年9月議会清介の一般質問
私的な反訳による速報です。正確には議事録によりご確認下さい。
発言の中で言い回しの不備な点などについては、括弧で注を付けております。
通告内容
1.全国空き家756万戸時代のまちづくりについて
 ア・高山市における住宅政策とまちなか居住推進策
 イ・総合計画に位置づけた住宅マスタープランとその進行管理
 ウ・人口減少社会におけるストックとしての空き家対策
2.第2次中心市街地活性化計画における課題
 ア・国が求める5つの活性化要件への対応
 イ・既存のハード整備の方針と新たなるソフト事業のマッチング
 ウ・機能特化型都市に位置づけられる高山市の活性化策と
   中心市街地活性化協議会の位置づけ
今回の質問の要旨
・高山市の住宅政策と空き家対策については、住宅と住環境並びに地域コミュニテイとの関わりといった点で、スクラップ&ビルドからストック&クリエイトの考え方で持続可能性を重視した政策展開が必要なのではないか。
・中心市街地活性化への課題については、行政は戦略的支援を重視する中で黒子に徹するべきはないか、戦略的支援とは必要な情報を用意して、活性化に必要な条件整備をし、且つ必要な指導や補助をして後は見守ることである。
質疑応答全文
.全国空き家756万戸時代のまちづくりについて

中田清介
 通告に基づきまして、今回2項目6点について質問させて頂きたいと思います。
 少し質問の内容が中心市街地における住まい方、暮らし方。そうしたものに偏っている様に考えておりますけれども、支所地域、郊外部での集落対策・地域振興対策といったものについては、又別の機械に取り上げながらご意見を伺っていきたいと思っています。
 私は六月議会において、今後予想される急激な人口減少化社会にあっても、社会生活の維持に欠かせぬ相対的な活力を、地域の持つ豊かさの再評価で維持できる社会を目指すべきであるとし、七次総後期計画の策定に当たっては、Creative Shrinkage創造的縮小といったまちづくりの理念を志向すべきではないかと申し述べさせていただきました。
 そうした理念に基づく政策を総合計画に盛り込み、人口減少化社会そうした時代にあっても、新しい指針として組み立てていくことが一つの重要なポイントであるとした上で、「協働のまちづくりへ一歩踏み出す為の総合計画のあり方」について私の考えを申し上げ、理事者の見解をお聞きしたところです。
 今回は、そうした理念に基づくまちづくりの具体論としての、一つには高山市の住宅政策とまちなか居住の問題について、二つ目には第2次中心市街地活性化計画における課題について取り上げております。
 高山市の住宅政策と空き家対策については、住宅と住環境並びに地域コミュニテイとの関わりといった点において、スクラップ&ビルドからストック&クリエイトの考え方で、持続可能性を重視した政策展開が必要なのではないか。中心市街地活性化への課題については、行政は戦略的支援を重視する中で黒子に徹するべきはないか、戦略的支援とは必要な情報を準備して、活性化に必要な条件整備をし、且つ必要な指導や補助をして後は行政は見守ることである。と言われております。決して陣頭指揮を取る必要はないとも言われております。
 こうした内容を骨子として質問し理事者の見解を伺います。
1.全国空き家756万戸時代のまちづくりについて、と通告をいたしております。
 高山市における住宅政策とまちなか居住推進策については、これまで十分な対策が取られてきたのかどうか、住宅マスタープランはそうした施策の推進に於いて活用され機能してきたのかどうか、これまでの対応と実績について伺っておきたいと思います。
 総務省が7月28日付で発表した「平成20年住宅・土地統計調査」の速報値、こうしたものが、平成20年10月1日現在における全国の総住宅数について述べております。総住宅数は5759万戸。平成15年からの5年間で370万戸増加した。その内3大都市圏の総住宅数は3010万戸で、全国の52.3% を3大都市圏で占めておるのだそうであります。そうした結果が発表されております。
 又、総住宅数5759万戸のうち、空き家は756万戸にのぼると報告されており、平成15年から97万戸増加し、膨大な数が増加しており、空家率は13.1%と過去最高になったというものであります。
ちなみに3大都市圏での空き家は363万戸で、3大都市圏以外が392万戸というような状況で推移しておるようであります。
 又、一戸建て・共同住宅等の分析や、持ち家率等にも述べられておりますが、高齢者世帯については次のような結果を発表しております。
・高齢者の住まいされている世帯は1821万世帯。全世帯数の36.7%と3分の1を超える世帯に高齢者がお住みになっておる。また、その内高齢単身世帯は414万戸(世帯)となり、高齢者のお住まいになっている世帯全体に占める割合は、22.7%と過去最高となったということを報告しています。
 高齢化の進展等により、私たちを取り巻く暮らし方、住まい方に大きな変化が生じており、ストックとしての住宅と住環境の問題が、厳しく問われる時代となったということではないでしょうか。
 振り返って高山市の現状はどうかという点でありますが、総務省の発表したデータは速報値ということで、残念ながら同じ土俵で現在比較が出来ません。昨年9月時点で調査した、高山市における空き家・空き店舗調査資料これに置き換えて、高山市における傾向等をみてみました。
 高山市の世帯数は、現状では34,424戸。地区別の状況は旧高山地域が41%、支所地域が59%となっています。空き家等の状況は高山地域で151件、支所地域で218.件の369件を数えるということの様であります。丹生川・国府地域を除いて、支所地域でも空き家等の状況が多く見られてきている、ということが現状のようであります。これを合わせて考えると、限界集落等の心配のされる地域と重なる部分も、見て取れるのではないかと心配しておりますます。
 高山市全体で見ても、高齢化と過疎化の進展による暮らし方、住まい方の空洞化(というものが)大変影響を受けているといえるのではないでしょうか。
 又、ライフスタイルの変化や、経営者の高齢化から来る零細商業者の閉店廃業等の影響も、大いにうかがえるというところではないでしょうか。
 どこに誰が住み、誰と暮らすのか、又地域コミュニテイとの関わりをどう体系づけていくのか、こうした点が高山市の住宅政策に於いて問われる時代が来たということが言えると思います。
 ここ数年、私は高山市の住宅政策やまちなか居住について、いろいろな角度から質問を重ねてまいりました。会派の施策と予算要望にも取り上げまして、いろいろな意味でお答えもいただいてまいりました。個別の耐震改造助成、介護にかかわる住宅改造補助、地元産材を使用した住宅補助、等々の様々なメニュウーは充実してきたとも見て取れますが、特にまちなか居住の推進が言われる中にあっては、そこでの住まい方、暮らし方といった面で体系だった施策の展開という意味では、少し消化不良の感を否めません。
 高山市の策定した住宅マスタープランは、総合計画の下位に位置づけられる都市マスタープランと連動する形で、平成11年度に策定されております。10年前に住宅と住環境の問題、地域コミュニテイと住まいづくりの観点からその施策の実行体制までに踏み込んだ内容を持ち、将に10年先を見据えたプランとしての労作ではなかったかと、最近読み返してみてその様な感じを強くするところであります。
 惜しむらくはその進行管理の面で、具体的な成果指標や数値目標を設定し得なかった。その面で住宅政策という概念が浸透し得なかった。
 残念なことだと思っております。ここへ来て人口減少化社会におけるストックとしての空き家対策、こうしたものに力点を置いていかねばならない。そういったところではないかと思います。
 これまでの高山市の対応と現状の認識をまず伺っておきたいと思います。
今村都市基盤整備部長
 住宅政策をはじめまして、ア・イ・ウと3項目のご質問でございますが、関連がございますので通してお答えさせて頂きます。
  市では市営住宅の管理運営の他、住宅耐震診断及び耐震補強工事に対します助成、勤労者への住宅資金融資、障がい者高齢者の住宅改修に関する助成の他、土地区画整理事業、用途地域をはじめとする都市計画制度の運用等、住宅・住環境造りに関する各種施策を実施しております。
 議員のご指摘にもございましたが、まちなか居住の推進につきましては、中心市街地活性化の重要な視点でございまして、高齢化社会に対応した歩いて生活できるまち、又地球環境資源に対応した低炭素のまち、持続可能なコンパクトなまち、を実現するためには、不可欠であるというふうに考えています。
 また、空き家の活用につきましては、移住促進の観点から都市部からの移住希望者に対する空き家紹介制度、空き家を借りて居住される場合の家賃助成、購入した空き家の改造費用に対する助成など、中心市街地も含めました市域全体に於いて、積極的に実施をしておるところでございます。
 他都市にはまちなかに住宅を新築又は購入する場合に、借入資金の一部を助成する制度等がございますので、今後参考にして参りたいと考えています。
中田清介
 お答えをいただきました様に、ここ数年でいろいろな制度が充実してまいっております。まちなかの暮らしを豊かにするバリアフリーの街路整備等ともマッチング致しまして、それなりの高山市の住宅政策、まちなか居住への環境が整いつつあるというふうに思っております。これらの政策決して間違ってはいない。
ただ、ストックとしての空き家対策といった観点からは、今申し述べられたような様々な方策の他にも、いろいろなが考えがあると思っています。そうした中でストック&クリエートの考え方の参考になると思っておりますのが、スペイン・バルセロナ市ラバル地区のまちづくりの例ではないかと思っております。
 ラバル地区は70年代以降まちの空洞化が進み、古くからの住民や商店は逃げ出し、老朽アパートに老人が取り残された。そうした街であります。約10万人いた住民は1/3まで減少したとされています。街に賑わいを取り戻した手法は「スポンジ化」と呼ばれる公共空間の創出であったといわれております。
 密集地域の間に、スポンジを挟むように広場や公園など人が集まる公園(空間)を整備していく、そうしたところには人が吸い寄せられる。結果として人や情報のネットワークが出来、新たな経済活動がそこで生まれてくるということのようです。
 空き家対策というと、一面そこに人を貼り付けるという発想に陥りがちですが、住宅と住環境、地域コミュニテイとの連動といった観点から考えれば、スポンジ化といった手法も一孝に値するものではないでしょうか。住宅政策における目標の指標化といったことを考えれば、人が集まり経済活動を促す成果指標を工夫する事等も考えられる。そうした施策の方向性を体系立ててまちなか居住と連動させる。大規模公共施設(投資)を優先するばかりではなく、そうした施策の他方向性を体系立てて、地域コミュニテイをよみがえらせることから都市の再生を可能にする。そういった手法のようであります。そうした発想によるまちなか居住、まちの暮らしぶり、住宅対策、住宅政策といった方法が考えられるのではないかと思っております。
 直接に住宅を整備していくといった手法とは、少し違った手法ではありますけれども、空き家、空き地をストックとして地域の中でどうやって活用していくのかの観点を、大切にする方法ではないかと思います。
 住宅政策というものは住宅だけを手当てするのではなく、そこに誰が住んで誰と暮らすのかといった視点を大切にすれば、そうした方針に基づくまちづくりができるのではないかと考えております。要約すれば
  ・地域コミュニテイと連動することでストックとしての活用を図っていく。
  ・暮らし方、住まい方にまで踏み込んで住宅政策を展開していく。
  ・まちなか居住と連動する中では、どこに誰が誰と住むのかの観点から
   きめ細かな補助メニュウーが必要。
  ・そうした助成策についても年ごとのローリングで進行管理を徹底していく。
こうしたことに何点か申し上げましたが、肝要ではないかというふうに考えております。
 多くの補助メニューや助成策を、まちなか居住に貼り付けている金沢市の例は、以前にもご紹介をしたところでございます。久しぶりに訪れました今年度の金沢市の担当者からは、そうしたメニュー、助成策について毎年のローリングの中で進行管理をしておるといったご指摘を受けて帰って参りました。こうした対応をすでに実施している自治体もあるわけでございます。
 こうしたことについて、少し理事者の見解をうかがいたいところでございますが、ここ数年、私はまちの中を(歩いたり)自転車で走って見てまいっております。大変空洞化が進んでいるところ、虫食いの土地利用が進んでいるところ、大変目立ってきている事が気になっている、そうした所があります。
 今この議場におられます、中村教育長・國島副市長がお住まいになられる一帯は、通りのこちらから向こう側が透けて見える様な状況が、ここ数年非常に進んで参っております。
 まちの中に暮らす、まちの住居をどう整える、その暮らしぶりをどういった政策で整えていくのかの観点から、そこにお住まいになっておる代表として、國島副市長のお考えをお聞きして、2回目の質問とさせていただきます。
國島副市長)
 私の住んでいる地域は、先ほど議員がお話になられました、全国のいろんなデータの縮図のようなところでございます。
 数年前までは百数十世帯あったところが、今80世帯をきっておりますし、地域に置いては中心市街地における限界集落とも言える高齢化率でございます。
 小学校へ通っている子が一人でございますし、年々長寿会にはいられる人口が増えているという状況でございます。
 ご承知のように町並自体もその様に変わってきてきておりますが、人の暮らしぶりにつきましては、私は非常に暖かなコミュニテイが存在して、住んでいる人達が助け合って住んでいる地域だと思っておりので、私はこの地域に住み続けたいと思っておりますが、ご存じの方もあるかと思いますが、私には子どもがおりませんので、私どもが亡くなった後には空き家になるだろうということがありますので、その場合どうしていくのかということは、私自身の問題としても考えていかなければならない事になっております。
 総合的に申し上げますと、今ほど議員がおっしゃられたましたように、地域の中で人が少なくなっていくことの寂しさは感じながらも、そこに残って住んでいる者がどの様に手を取り合ってまちづくりをしていくかという事、そして自分たちだけでは出来ない部分が出てきた場合、他の方の力をどこで助けを求めていくのか、それは移住でもあるだろうし、新たな住居の貸し借りというのですか、提供ということも生まれてくるだろうと思っております。
 そういった意味で私どもの地域というのは、これからの住宅政策のモデルにもなるのかと思いますので、自分自身もそういう思いで取り組んでいきたいと思っております。
中田清介
 今、國島副市長からは、今お住まいになっている地域の実感としての感想をお聞きしましたわけでございますが、こうしたことが年々増えてきている。まちの中を整える、暮らしぶりを整える、住まい方を整える、大変重要な今後の政策の柱ではないかと思っております。
 中心市街地活性化の問題も、そうしたことに連動する大きな問題であると思っております。

2.第2次中心市街地活性化計画における課題 
中田清介
 政府は第2次の(中心市街地)活性化への施策として、まちづくり3法を改正しております。その後における全国の中心市街地活性化への取り組みは、議員諸兄常々見聞きしておられるとおりであります。大変各地が危機感を持ってそうした政策の遂行に取り組んでおられます。
 ひとつ、中心市街地活性化成功の条件ということを書いておられる、皆さんご存じかもわかりませんが、細野助博教授という方が次のようなことを書いておみえになります。
 「まちづくりで、中心市街地活性化成功の条件を決める黄金律を紹介する」(ということで)、まず第一に「データで現実を直視していけ」という事をのべております。
 「改正前の中心市街地活性化法の適用を受けたプランで、絵に描いた餅が如何に多かったか。それは総務省の政策評価を待つまでもない。全国いたるところで目にするシャッター街の惨状を見れば十分である。人口は物・サービスを作り・売る。そして、それを買い・使う。そして人を作り、招き入れる。この「まちなかの人口」という重要な変数には様々な顔があり、このデータを生かし切らなければ、計画など水の泡に等しい。性別人口、世帯別人口、郊外と市街地に住まいする人口、平日と休日の人口、昼間と夜間の人口と、5つの分類が出来る。これを目的別に組み合わせればどれだけ豊穣な情報が得られるか。コンパクトシテイの中身は人口の厚みによってまったく違ったものになる。データ活用の意識を持ったプランをどう描いてゆくかが成功を決める」
 これが第1の成功への条件であるとされております。
もう一点は、5つの条件を述べておられますけれども、私がご紹介したいもう一点は「行政は戦略的支援に徹するべきだ」。「地元行政は最後のよりどころである。陣頭指揮を執る必要はない。必要な情報を用意し、必要な条件整備をし、必要な指導や補助を準備し、あとは待てばよい。必要ないと判断した時は、果敢にきって捨てるべきだ。これが戦略的支援ということ。まちづくりは市民と一丸となってやるべき公共性の高い事業である。一部特定業種や特定地域のためではない。弱いだけで補助そういった手取り足取りのサービス業意識は捨てるべきだし、国も地方ももはやその様な財政状況下にはない。」
  自分たちも果敢に活性化に向かって努力すべきだ、という処ではないでしょうか。6月議会でもこれまでの活性化策の反省とその上に立った計画策定についてうかがっております。今まで非常に第1次の活性化で成功した部分、少し陽が当たらなくて上手くいかなかった部分。そうしたものを勘案した上で計画策定に当たって頂きたいということで終わっておりますけれども、今回3点について通告をいたしております。
 アとして,、国が求める5つの活性化要件への対応と通告しております。何遍もこの場におきましてご紹介しておりますが、5つの活性化要件というのは・市街地の整備改善、まちなか居住の推進、都市福利施設の集中、商業の活性化、又それらを結ぶ公共交通の利便性の確保等、こういった観点で、地方にあってもそれぞれ独自の方法で活性化策を考えていけ、ということのようであります。また中活認定に際しましては、独自の方策をどれだけ立派なものを盛り込んでも、こうした5つの視点がうかがわれない限り、なかなか国の認定が受けられないということも申し述べて参りました。
 高山市としては今回第2次の活性化策を策定する際に、この様な5項目の活性化要件に対してどの様に対応して行かれるのか、第1に伺っておきたいと思います。
 イとして「既存のハード整備の方針と新たなるソフト事業のマッチング」と通告致しております。
 活性化の方策は先ほど住宅政策の中でも申し上げましたが、ハード整備ばかりでなくそれに肉付けするソフト事業の展開(が)、大変重要な要素でありますし、住民意識の高揚、行政との協働への考え方、こうしたことがソフト事業を通じてその精度を高めていく、ということしかその方法はないと思っております。
  既存のハード整備の方針ということを頭に入れて考えますと、第1次の活性化事業の一つの大きな核は、駅周辺土地区画整理事業であった。まだその事業の中身については整備中である。最後のまちなかに残された活性化の為めの、大きな面積を要する開発用地として横たわっている。こうしたことを考えるとき、第1には駅周の再開発と今度の第2次の活性化計画策定を、どの様にマッチングさせていくのかというのは、一つの大きな課題であると思っています。
 こうしたことを考えれば、今般整備をして頂きます矢嶋邸跡地、これのハード整備事業これも大きなまちなかの活性化の核であります。今後高山市は中心市街地の活性化に駅周地域、矢嶋邸地域、ハード整備の2つの核をこの計画の中に取り入れながら、それを結ぶ導線の中にどういったソフト事業を関連させていくのか、そういったことが重要な観点になるのではないかと思います。
 長野市の活性化の事例では、前にも紹介したと思いますが2核1モールのてこ入れ、2つの核を結ぶ人の導線を1つのモールで繋いでいく、まちの中の導線をそうした意味で活発にうごかしてまちの活性化に繋げていく。そういった事例がございますけれども、高山市に於いては駅西と矢嶋邸周辺の開発、こうした2つの要素をどうやって結びつけていくのか、商店街を回遊路としたモールとしてどう活用していくのか、公共交通の充実で、市内循環型の、観光を主とした循環バス(を)どの様にして(貼り付けていくか、例え)実験であってもそれを導入し、そうしたループの中の地域をどの様にして活性化していくのか。そのループの中というのが、はっきり言いまして今回第2次の活性化の中心となる、真に活性化すべき地域ではないかと、私は思っています。
 そうした対象面積を絞り込んでの活性化の助成策、もう少しそれを包含する住宅政策としてのまちなか居住策、こうしたものの被せ方次第で、高山市の方向性といったものは変わっていくとも考えております。
 そうしたことを考えるとき、ウとして通告致しております。「機能特化型都市に位置づけられる高山市の活性化策と中心市街地活性化協議会の位置づけ」と入っておりますけれども、中心市街地活性化協議会というのは、法定の協議会でありまして、今回のまちなか居住ばかりでなく、国の活性化への施策の中でまちづくり会社の創設と共に、2つの大きな民間主体としての位置づけを担う協議会であります。
 そうしたものの「立ち上げガイド」といったものが、平成18年7月に発表されております。私もこうしたものを読ませて頂きました。こうした中に各地の都市累計といったものを少し盛り込んで解説をしてございます。
 高次交流都市(というのは)大都市の部類、広域交流都市・地域交流都市(というの)は地方の県庁所在地等の中規模の都市。 機能特化型都市というのは、交流によって成立している都市であり、中心市街地は観光や商業に特化して作られ完成しているケースが多く、中心市街地活性化の取り組みのモデル事例になることが多い分類に入ると位置づけられています。
 私どもの第2次中心市街地活性化策の中では、やはり観光と交流といった面での人の動き、人の導線どうやって付けていくのかというのが、一つの成功のポイントになるものと考えておりますが、こうした都市累計に基づく活性化への方針、並びに活性化協議会の役割をどの様に位置づけられておるのか、見解をお伺いしたいと思います。
片岡商工観光部長
 それでは、第2次中心市街地活性化計画における課題について、3点ご質問いただきました。
高山市では、今年度中心市街地活性化基本計画の策定に取り組むこととしており、この基本計画の根拠法である平成18年に改正されました中心市街地活性化法では、まず「市街地の整備改善」、「都市福利施設の整備」、「住宅供給及び居住環境の向上」、「商業等の活性化」、「公共交通機関の利便性等他の事業と一体的に推進する事業」の5項目について、総合的かつ効果的に推進することが必要とされております。 この様なこと今、議員が申して頂きましたが、具体的な施策につきましては、現在、検討をすすめているところでございます。
 いずれにしましても計画策定においては、総合的な観点に立って関係部署が連携するとともに、官民協働により対応していきたいと考えておるところでございます。
 2点目の「既存のハード整備の方針と、新たなるソフト事業のマッチング」でございますが、個々の具体的事例や内容につきましては、現在検討を進めているところでございます。ご指摘のとおり計画検討に際しましては、ハードだけではなくソフト面との整合性を、十分に取っていくことが必要と考えているところでございます。
 3点目の「機能特化型都市に位置づけられる高山市の活性化策と中心市街地活性化協議会の位置づけ」でございますが、議員が申されたとおり、経済産業省が作製している「中心市街地活性化協議会立ち上げガイド」によりますと、高山市は「機能特化型都市の中の観光・リゾート型」に分類されています。
 ガイドによると機能特化型都市の特徴としては、「交流によって成立している都市であり、中心市街地は観光や商業に特化してつくられ完成しているケースが多く、活性化モデル事例が多い」と述べられています。
 また、「このタイプの都市群の基本的な課題は中心市街地を抜本改革する事よりも、現在の財産を最大限に活用し、陳腐化を避けながら個性を磨き、その維持・拡大を図っていくことが大きなテーマになる」とも述べられ、まさしく高山市に当てはまっていると思っております。
 今後の中心市街地活性化においては、古き良き飛騒高山を未来に継承するとともに、ここ10年来の取り組みにより、全国でも屈指となりましたバリアフリーのまちづくりにさらに磨きをかけ、地域資源の情報発信と連携により、中心市街地の活性化が支所地域等の活性化にもつながるような施策にも、積極的に取り組む必要があると考えております。
 また、中心市街地活性化協議会は、自治体が定める基本計画の内容を協議する法に基づく機関であり、基本計画策定にあたっては、協議会での協議内容を十分に踏まえ策定していくこととしております。
中田清介
 それぞれお答えいただいております。将にそうしたことの積み重ねが、中心市街地活性化に結びつくものと考えております。
 先ほど5点に及ぶ、5つの活性化要件についての対応ということをお聞かせ頂いております。高山市にとってこの中のいくつを組み合わせていけるのか、こうしたことも大きな要件(という風)になっております。
 都市福利施設の集中、こうしたことも要求されておりますが、果たして新しいハ−ド事業の中でそうしたものが何が可能であるか、そうしたことを考えた時、先程大木議員の申された温水活用の健康増進施設、こうしたものも対象となるのではないか。残された大きな開発用地としての駅西の、ああした区域の中にも、そうした問題は位置づけて解決可能な要件のなかにもあると考えております。そうしたことも一つの要素として、これから考えていって頂きたいなと思います。
  先程第一点目で住まい方暮らし方といった事で、住宅政策についても述べましたが、実は5つの要素の中で述べました公共交通の利便性、自家用車に頼らない生活圏の設定ということは、中心部に於いては今後の高齢化社会の中で、ストックをどう活用して地域を整えていくかの大きな要素でもあります。こうした点からいえば、交通運輸の関係者を含めた研究会が立ち上げられたと聞いております。
 そうした中では、新たなる公共交通に対する社会実験ということもテーマとして取り上げられている。そうした中に是非自家用車に頼らない中心市街地の生活圏の設定に、どうしたことが考えられるのか。これも考えていっていただきたいと思います。
 商業の活性化ということにつきましては、先ほど活性化の用件という中で述べましたけれども、なんと言っても商業者の自覚とそれに対する努力と熱意といったものは欠かせぬ要件なりますので、(行政は)黒子に徹する中で必要な情報と条件整備に邁進をしていただきたいと思います。
 中心市街地の活性化は、市民とともに作り上げていく、公益性・公共性の高い政策・施策の集合体あると思っています。
 行政の役割、市民の役割、そこに住む人たちの役割は、おのずと求められてくると考えております。これからも民間との連携の中で、6月にも申し上げましたけれども、十分な意欲を引き出すような政策の展開に努力をしていただきたいと思います。
 何といっても、民間事業者が暮らしやすいまちづくりへの責務を果たしたいと思えるような、施策の充実を求められているいう風に思っております。
 ここに一冊の本、裏表紙でありますけれども、皆さんにも見ていただきたいと思っております。一昨年のまちづくり、季刊まちづくりの裏表紙でありますが、お母さんが幼子を負ぶって、小さいお子さんの手を引いて通っている。そうしたカットに一つの解説が載せてございます。読み上げますと、「変化する世相」「小さい子供を負ぶった母親が上の子の手を引いて行く。最近はめったに見かけない光景だ。かつてはありふれた風物が急いで姿を消し、知らず知らずにまちの表情を変えていく。柳田國男は、明治大正史世相編で世相の変化を記述しようとした。この遠ざかっていく親子の姿は、変化する世間の様相を象徴しているかのようだ。」と述べられています。
 変化する世相の中にあっても、守り伝えていきたいまちの姿、そこに暮らす人の暮らしぶり、こうしたものが観光都市高山の一番大切にしていく要素であると思っています。中心市街地活性化は商業だけの問題ではなくて、高山市全体の産業の方向性、そうしたものの集大成を位置づける一大事業である考えています。
 これからも、そうした事に鋭意努力されることをお願いいたしまして、一般質問を終了いたします。