中田清介) 今回2項目にわたって通告させていただいております。第1項目として「地元金融機関と連携した地域の自立的発展について」、第2項目「歩いて楽しいまちづくりのための交通政策について」と通告させていただいております。 昨年度、私一般質問に立たせていただく機会がなく、いろいろな資料等に目を通させていただいておったことも確かであります。その中で一つ今回の質問に関連するような資料を読ませていただいております。これは大庫直樹さんという方の書かれました「自治体経営改革」という本の中に出てくる資料ですが、マクロ的なデータから読み取れる企業に対する資金需給状況という分析でありました。横軸に営業利益を、縦軸に企業の借入金残高をとって分析してみると、90年代とこの2001年からの10年間では非常に大きな対比がみられる。90年代のグラフはすべて右肩上がりの座標軸の中に入るような関連であったと。これは横軸に企業利益でありますから企業利益が多い時に借入残高が多い、これが一つの座標軸の中に表れてくるということは、それなりの景気動向でもあったということですけれども、大庫さんの分析によりますと「これが表わしているのは営業利益が多きいほど金融機関(から)の借入ができたということは、よく言われる「銀行は晴れる日には傘を貸しだし雨の日には傘を取り上げる」こういう状況が続いていたんだという分析だったと思います。これが2001年から2010年になりますと逆の座標軸の中にぴったりと入ってしまう。営業利益が小さい時でもある程度の貸出残高があって営業利益が大きくなるほど貸出残高が減ってくる。これはよく言われましたバランスシート不況の原因であります。いち早く借入金の金額を財務処理していこうという流れがあった。それでもなおかつ景気動向がリーマンショック等もあって変化する中にあっては、やはり資金需要を金融機関に頼らないと企業経営も持たなかった。こういう分析でありました。この比較を通じてもう一つ分析がありましたけれども、こうした状況をみると現況では預金対貸出金比率(現場では利率と言っていますが比率の誤りです)というものを見ると、非常に当時(90年代)よりも下がってきている。預金は集められても貸出先がない。これが表わしている分析(結果)は、このような預貸率が7割を、全国平均で大手も含めまして7割を切るような水準に陥ったなかで、金融機関は貸出先を厳選するというよりも、銀行として何とか貸出できる企業をぎりぎりのところまで広げて探しているような実態があるのだという分析をされています。
もう一つ、今回も人口減少化に伴ういろいろな質問が続いておりますが、その中で人口一人当たりGDP及び生産年齢人口一人当たりのGDPの推移というものを、日本の場合に並べて比較を試みておみえになられます。
生産年齢人口一人当たりのGDPがこの20年間ほとんど平均して推移している中で、人口一人当たりGDPは日本の場合下がってきている。これは当たり前でございますね、平均的な人口減少推移の中では生産年齢人口も減って来ておる。その中で人口一人当たりのGDPはやはり低下傾向にある。こうした内容が中国に経済的地位で2位の座を明け渡した現象でもあると述べておられました。
こういった金融の問題、人口減少の問題、さまざまな影響を地域の我々の自治体にも投げかけておりますけれども、今回総務省が発表しております「地域経済循環」による地域の活性化という指針と、それに基づく「地域経済イノベーションサイクル」の効果というような文面も読ませていただきましたので,それに則って第1(項目)の質問をさせていただきたいと思っております。
総務省が「地域経済循環サイクル」にここへきて言及をしたということは、私は非常に驚いております。従来ですと旧通産省、現在の経産省の分析によります「地域経済分析」による地域活性化というような指針が、過去10数年前に出ておりますけれども、今回の総務省の経済循環には地域金融というあり方も含めて、地域のリソースいわゆる資源をうまく循環させる主体に、地域自治体は少し軸足を移すべきだということが主眼の政策発表であると私は読ませていただいております。
そうした事が地域の活力を引き出す自立ある発展に結び付けられる。こういったことにまで言及するということは、その分地方自治体における非常な危機感というものが総務省にも届いておるのかなというふうに感じております。
そこで(1)として「統計から見た高山市の現状」と通告させていただいております。@「転出超過が続く中での就業構造の変化をどう受け止めるのか」という内容でありますが、これにつきましては昨日岩垣議員より種々の指摘がなされたところでございます。私も岩垣議員と同じように岐阜県総合企画部統計課発表の「統計から見た高山市の現状」というのを読ませていただいております。
前年に発表されました経済センサスに基づく分析も含めて、高山市の状況を詳しく分析をしてお見えになります。昨日岩垣議員から言及されたとおりであります。転出超過が続くこの近年の状況の中で、高山市の就業構造には現状でも変化が出ております。また今後ともそうした状況が続く中では非常に苦しい状況も出てくるのではないかと危惧をしております。転出超過というのは若い人が主に出ていくという状況下になる。その中で特に若い女性の転出超過が問題であると、昨日岩垣議員が指摘されたとおりであります。このことが地域の就業構造に変化をもたらしているのは確かでありますので、こうした変化をどう受け止められているのかをまずお聞きをしておきます。
圀島市長) 人口動態の調査等を見させていただきますと、平成14年位までは転入・転出のバランスが取れていた状況でありますけれども、それ以降やはりバランスが崩れてまいりまして、大幅な転出超過になりまして、これは昨日もお話になられたとおりです。このことは人口バランスが狂ってくるということでありますから、生産人口そのものよりもそれぞれの生活実態が、かなり大きく違ってくるということに他ならないと思います。
その意味で八次総合計画をご審査いただくわけでありますけれど、これまでのような人口の右肩上がりあるいは維持というような状況はもう想定できない状況でありますので、これから先にあっては人口が少なくなってきて、そして65歳以上の割合が大きくなってきて生産年齢人口が少なくなる。さらに幼少人口が少なくなってくるという、この人口のバランをどういうふうに政策の中に組み立てていくのかということが必要になってくるだろうとはと思っています。
持続可能な高山市を維持していくあるいは作り上げていく、その為にも若い力というのが常に地元に残り続けるということが必用なことだろうと思います。その為の施作はまた後程お話が出るかもわかりませんけれども、いろんな面で講じていきたいと思っております。
今一つ私も考えなければいけないと思うのは、こういう人口減少の中で生産人口の割合を減らさない。それが持続可能な高山市を作っていくのであるとするならば、やはり新たな定年延長とか再雇用ということも考慮に入れながら、高齢者の皆さんの雇用促進を当然求められてくるのではないかと思っています。市内の事業者の理解・賛同を得ながら労働人口の維持を図っていく、そういう政策も求められてくるだろうと思っています。
近年ここ数年間の間において先ほどお延べになられたように、いわゆる金融機関の貸出先がなくて市内の貯蓄がほとんど、ほとんどといった言い方は失礼ですけれども国債のほうに回っていたという現実もあります。これらを市内にいかに戻していくかということも金融機関の皆様とお話合いをさせていただきながら、そして新しい新産業あるいは起業家への支援これらを含めて若い人たちの雇用というもののバックボーンを作っていきたいと思っております。
中田清介) 昨年度も議会として八次総に向けての基礎調査を一生懸命させていただきましたけれども、そうしたものを調査すればするほど同じ根柢の問題が浮かび上がってくる。これは今市長がご指摘になったとおりであると思っています。その中では若年層もそうでありますが、今述べられました婦人層、中年層(も含めて)、新しい起業や創業に向かうパワーがこの地域を活力ある地域として永続させる基になるということがお分かりになる。そういう認識ではないかと思います。昨日からも各議員から延べられましたように、「企業・創業への支援とその体制整備」。これは一番求められる八次総等におきます中長期の高山市の目標ではないかと思います。この点についての見解を承っておきたいと思います。
清水商工観光部長) 本市の生産年齢人口は減少し続けておりまして、今後もその傾向が続くと予想される中にで、創業、起業を目指す若者をはじめとする人材を市内外から誘致し、定住人口の増加、雇用の場の創出を図ることが重要であると考えるところでございます。従来から行っております創業支援融資や空き店舗活用事業補助金、若者定住促進事業補助金、企業立地補助金を継続して実施するほか、昨日も申しあげましたが産業競争力強化法に基づく創業支援事業計画の認定を受けて、起業・創業のしやすい環境を整備して参りたいと考えておるところでございます。
中田清介) 今部長おっしゃられたとおりでありますし、今までの体制の中でそうした制度がなかったわけではありません。ただ、金融状況と地域の状況をかんがみれば、今までの産官学連携とか農商工連携。その枠を乗り越えて、地域の金融という土壌も入れたラウンドテーブルを作れと。ラウンドテーブルとは何か。プラットホーム型相談業務を乗り越えて地域を引っ張っていく知恵を集める会議を形成しよう。そういうことが今回の総務省による「地域経済循環創造事業交付金」の基になっている地域経済循環の考え方ではないかと読ませていただいています。
このことは地域のリソース・資源というものを物産とか生産額、それから工業生産、農業生産という分野からばかりで見るのではなく、金融資産、地域の金融資産をどううまく循環させて地域に投資の芽を育てるのか。そういう考え方が基になっていると読んでいますけれども、私はこれまでに足りなかった行政の立ち位置、経済分野における直接的な関与という意味からいえば、もう少し地域の自治体も関与していけよという様な指摘であるというふうに思っています。このことにつきましてはもう少し後程言及をいたしますけれども、こうした考え方が地域に根付けば、もう少し、「今までにもやっています(おみえになると発言しています)」、「政策としてもとっています(おみえになりますと発言しています)」といった答弁ばかりでなく、もう少し行政の立ち位置というものを見直して地域の中でどういった役割を果たすのかという議論の喚起になるのではないかと思っております。
この総務省の考え方、今回示された考え方に対する対応、思いでも結構ですがお聞きをしておきたいと思います。
清水商工観光部長) ただいま議員さんからもお話しされたとおり、地域の金融、金融資産というものも貴重な地域資源であると私も考えております。地域資源をうまく活用して産業を振興していくというのは一番大切な視点でございますので、今後金融機関の資金を有効利用して地域の資金循環を創造していく。地域のいろんな資源をさらに活用しさらに税収につなげていくというような、地域経済の好循環を作り出すというのが今回の地域経済循環創造事業の考え方と私も受け取っていますので、地域経済活性化の有効な手法として注目はしております。
今後さらに金融機関との連携を深めて、地域内で資金がうまく循環するような取り組みを進めてまいりたいと考えているところでございます。
中田清介) 私が今回の総務省が発表するところの文章を読ませていただいてみても、それを解説する総務省の課長さんの文章を読ませていただいても、一歩踏み込んだ建設的な意見、建設的な指針、そういうものではないかなと思って見させていただきました。そこでAとしまして「地域金融機関の預貸率から見た地域の資金循環問題も考慮する必要があるのではないか」というふうで、ここ14〜5年の預金対貸出比率というものを見てみました。商工会議所の月報(会報)にのっております地域の金融状況(の統計で)で地域の金融機関の預金残高、貸出金残高というものを14年位見てみましたけれども、現状としては約51%位の数字となっております。2002年、2001年、2000年このころは少なくとも高山地域の金融機関の統計でも68%内外の高い水準にあったと思います。67%、68%という水準は都会の大手の金融機関からしますと大変当たり前のような水準なのですけど、(当時の)地域の金融状況がこれだけの資金需要を賄っていたのだというところを改めてデータから見てみますと、その後65%くらいに落ちたものが近年は約51%位にまで落ちておる。ちなみに本年2014年の4月までの平均でも51.1%、昨年度が51.18%。こうした少し地域の金融資産というものを地域が利用するということから考えれば、もったいない話である。市長が言われた国債を積むだけというような結果になっている。これを何とか地域のイノベーションサイクルの仕組みに乗っけまして、地域活性化の一つの手段として組み立ててみたらどうかというのが今回の質問の趣旨であります。
そこで今回の地域経済循環による地域活性化の一つの事例として、「地域経済イノベーションサイクルの仕組みと効果」、こういうものも総務省のほうから発表されております。これは創業時の初期投資の段階で、総務省が各自治体が投下する助成金等を手当てするから、そうしたもので地域の金融をうまく回してみたらどうだと(言う指摘であります)。
要綱等を読んでみますと1事業5000万円が限度。小さいものから今初めて見るからということのようでありますけれども、すでに25年(度)いくつかの事例を発表してお見えになりますし、26年度の募集もいくつかあったというようなことが載っておりますが、これはイノベーションサイクルですから地域に波及効果が出てくるというサイクルですので、非常に起業の環境を整える、雇用を確保できる、地元調達における原材料の消化効果の波及、金融機関への利払いによる金融機関の活性化、等々いくつかの波及効果を経て最後には行政への納税という循環の中で地域にも貢献していただける。そういうサイクルが可能であるから取り組んでみよ というような内容であると思っています。
そこで@として「地元金融機関との連携による継続性ある政策実施の可能性を探るべきではないか」と言っておりますけれど、これはこうした初期投資の軽減を行政が一歩踏み込んでやることによって、金融機関の貸し出しへの態度、非常に好転をするのではないか。貸出しリスクをあらかじめ軽減してやることによって、地域の金融機関の貸し出しの状況がいまより好転するはずであるという理論値(のようなもの)ではありますが、そういうことが発表されておりますので、継続性ある政策実施の可能性ができる(出てくる)。
これは高山市がいままでやっておみえになるような制度金融とか助成金、補助金による政策誘導というものも、この初期投資のリスクを軽減するということで、継続性ある事業として長期にわたって地域を盛り上げられるような政策も実施できるはずだという主張でありますので、これも一理あるのかなと私は見させていただいています。
高山市はこうした継続性ある政策実施の可能性を探るべきではないかと通告しておりますが、地元金融機関との連携、もう少し踏み込まれてこうした政策実施の対応(を)考えておみえになるかどうかお聞きをしておきたいと思います。
清水商工観光部長) 市内の金融機関には経済の血液ともいうべき資金供給の中心的役割を担っていただいておりまして、多くの中小企業に対して制度融資を行っていただいているところでございます。特に県信用保証協会の保証制度を活用した小口融資につきましては、利用実績が県下で最も多く金融機関の預貸率の引き上げにもつながってきたと考えております。地域内で資金が効率よく循環するように起業家支援、または新分野への進出支援ということで資金需要を作り出していく必要があると思っております。持続可能な金融政策というような、金融制度というようなことでございましたけれど、企業に対してこれまでの制度資金に加えましては、多様な資金を継続的に供給していくということは企業活動を支援するという意味で、大変意義あることであり重要なことと十分に考えおりますので、クラウドファンディングというような新しい資金供給方法なども含め、地域金融機関との連携は今後深めていきたいと考えているところでございます。
中田清介) 出来るだけそのような連携ができるように幅広い対応をしていただきたいと思います。現状(では)ひだ信(ひだ信用組合)さんなんか顧客対応(策)としてクラウドファンディング(の)事例作っておみえになるというようなことを聞いております。市内の企業さんが数社すでにクラウドファンディングによる全国からの融資に応えておいでになるということも聞いておりますが、幅広い資金需要にどうやって対応していくか、これも政策担当者の一つの観点でありますので、そうした不断の連携も密にしてこうした対応についてもその可能性を探っていただきたいと思います。
2番目として「創業支援と初期投資コストの軽減による経済効果は可能ではないか」と通告しておりますが、これは先ほど言いました役所が主体的に動いてこうした環境を整えることによって、今の(述べてきた)循環が可能になり、創業支援と初期投資コストの軽減によってさまざまな経済効果が生まれる。生まれるのだからやはり挑戦をしてみよ。というのが総務省の文章の中身であったと思いますけど、こうした経済効果は可能ではないかと私は思っておりますけれども、商工部担当としてはどのような感想をお持ちかお聞きをしておきたいと思います。
清水商工観光部長) 市ではこれまでにも初期投資コストの軽減ということにおきまして、高山市創業支援資金融資などの制度融資の利子補給、保証料補給、また空き店舗活用事業とか企業立地補助金などの各種支援策によりましてコスト削減のための支援をしてきているところでございますけれども、今後も事業者ですとか、金融機関、(商工)会議所、商工会等の関係の皆さんの意見を参考としながら制度の充実、初期コストの軽減のための充実には努めていきたいと考えておるところでございます。
中田清介) すべてがこう言った対応で回っていくわけではないということは十分理解をしています。個別の小さい小口の資金需要。制度融資に頼らなければならないそういった業者の皆さん沢山おみえになりますし、今までにもそういった対応をしていただいていると認識をしております。ただこのところ特区を活用したような事業創造ですとか、さまざまな局面で現状を打破して何とか地域振興につなげようというな提案が、市長のところにもたくさん届いていると思います。そうした中にあってはこうした資金も活用できるような対応を、ラウンドテーブルといったものを形成していただいて、お互いに行政から見た立場、経済団体から見た対場、金融機関から見た立場、それから資金需要の当事者であります事業者から見た立場が非常にうまくいくような、そういった対応がこれから必要なのではないかと思っております。要は対応に応じて(個々の事例に対応して)柔軟にこうした資金需要を取り入れてもらうことが、市長が「お約束で」述べられておりましたファンドの活用、そういうところに繋がる新しい金融の在り方、新しい補助金の観点、そういうものの一形態ではないかと思っております。なかなか個別自治体独自でのファンドの創設というのは難しい(と)私も認識しています。それならばこういった対応ができるようなラウンドテーブルといようなものを早急に(形成する必要がある)、今のような今回は総務省の指針ですけど、今までの(商工課が取り組んで認定を申請している)経産省の指針では(への対応については)皆さんやっておみえになると聞いています。金融機関、経済団体からもそういった対応を日夜努力して広げていっているとは聞いておりますけど、こういった新しい考え方も入れられることによって懐の広い経済対策も可能ではないかと思っておりまして、このようなことを述べさせていただいております。Bとして「自治体自らが人・モノ・カネを動かす体制が高山市にも必要ではないか」と、このことは実行してその中に入っていけという指摘ではないと思います。ラウンドテーブルというような協議する機関を設立をして、行政がそれに主体的に加わることによって地域を巻き込んでいく。そういう体制にあるんだということだと思います。
このことについて私は高山市にも早急に必要ではないかと思っておりますけど、見解をうかがっておきたいと思います。
清水商工観光部長) 経済の主導権はあくまで民間にあるものと考えておりますけど、経済活動に必要な人・モノ・金、あえて加えますと情報のこの4要素が不足する事がないよう、市内経済に十分に供給されるように国や県、商工会議所や商工会、金融機関などとしっかりと連携を深めまして事業者の支援に当たれるような体制を作って参りたいと思っているところでございます。
中田清介) ぜひそのような対応も考慮いただきまして、地域経済一番の心配事(である)若い人がいなくなる、働く場所がない賃金が低い、この二つは昨年議会が行いましたデイベートによる高山の課題抽出という中でも、高校生の皆さんから「いの一番」に言われたことです。働き場所はあるのかそして賃金は世間並みにもらえるのか。そうしたことがない限り若い人たちは転出超過に転じておるというのが現状ではないかと思っておりますので、なんとかそういう方面の一方策としてでも取り入れていただくといった意味合いで今申し上げております。
Cとして「高山市は腰を据えた経済政策を街づくり会社の活用で推進できないか」と述べております。今回(3)述べております地域経済イノベーションサイクルの仕組みと効果、この循環図を見てみましてもてっとり早くそうした事の効果をあげられるには、議会からの政策提言にありましたようにまちづくり会社を活用した行政とその代役でありますまちづくり機関の連携によります地域の活性化(が)、これから望まれるところではないかと思います。
行政では手が出しようがない課題でありましても、まちづくり会社は機動的に対応できる。機動的に自立的に対応できるというところがまちづくり会社の使命ではないかと思っています。これはこれからも議論になって市長にもご一考いただきたいと思っておりますけど、昨年度(文教産業委員会で)分野別意見交換会を計画しておりましたけれども、地元金融機関との分野別意見交換会(の計画が)支店長さんの移動とかでできませんでした。その打ち合わせ段階でもある支店長さんから言われたことがあります。行政がそうした点で主体的に動いて下さるなら、私どもは約2倍から3倍の資金需要に応えられるだけの準備はしております。それだけ地元金融機関としては地域に貢献することを今最優先で考えている。こういった指摘もありました。
こういうことを考えますと、ぜひまちづくり会社の設立もそうでありますけど、今の地域経済イノベーションサイクルといったような考え方と連動しながら、地域の金融と経済資源といったものを組み合わせて融合することによって、若い人の受け皿となるような雇用と創業が盛んな高山市を作っていただきたいとお願いをしておきたいと思います。
まちづくり会社につきましてはどのような観点でお考えであるのかお聞きして、この質問を終わりたいと思います。
清水商工観光部長) まちづくり会社につきましては、公益性と企業性を併せ持つ地域密着型のディベロッパーとしてその役割は大変重要であるというふうに考えています。現在まちづくりを支える事業の内容ですとか運営体制づくりに関しまして、関係団体と検討を行っているところでございます。今後地域経済イノベーションサイクルの仕組みのなかで、どのようにこのまちづく会社を位置づけるのかといった検討も含めまして十分な検討をさせていただきたいと考えております。
中田清介) いろいろご答弁いただきましてありがとうございました。これからのまちづくりの核として位置付けておりますし、私は創造的縮小というような言葉をお借りしまして、今後の中長期の高山市の課題の中心であるとこのところ述べておりますけど、人口減少はもう既定の路線であります。その中で何をこの地域に植え付けて、創造的にものを整えていくか。そのそれは経済的にも拡大路線ではないはずです。縮小ではありますが創造的という言葉を挟むなかにおいて、自立的にこの地域のリソースが回転していけるような(循環していけるような)まちづくりを望んでいきたいと思いますのでご努力をお願いしたいと思います。
続いて「歩いて楽しい街づくりのための交通政策」というふうに述べております。交通政策でありますので交通体系のことばかりではございませんけれども、少しこの点について見解をうかがっておきたいと思います。
(1) として「中橋改修工事中の交通量調査の分析」についてと通告をしております。@「調査の結果を今後の交通政策にどう活かすのか」という内容でございますけど、昨年(度)半年間でありましたけどこの短い期間でよく対応していただきまして、春のお祭りには立派に改修なった中橋を通らせていただきまして、観光客の皆さんも受け入れることができております。これに合わせた工事中の交通量調査ということは事前にお聞きしておりましたが、この結果はどんな風であったのか、また今後の交通政策にどんなふうに活かしていけるのかお伺いをしておきたいと思います。
栃原基盤整備部長) 中橋の改修工事に伴います交通量調査につきましてお答えをさせていただきます。通行止めの前と通行止め中の交通量の比較をするために、昨年10月から11月にかけまして中橋付近の交差点7か所で調査を実施しました。その内容につきましては通行車両台数でありますとか通行の方向、渋滞の状況などについて調査を行ったところでございます。主な結果でございます。中橋を通行止めにさせていただいたことに伴って交通量が増えたところでございますが、筏橋の西交差点、本町の1丁目と2丁目の交差点でございますがここで22%増加をしております。また枡形橋の東の交差点、神明町のTの字の交差点でございますが、ここで32%の通行車両の増加ということで、こういったところに分散されていったという状況でございます。
また大きく減ったところにつきましては、これは当然のことでございますが陣屋の前の交差点でございますが、ここでは22%減少でございました。それから神明町の交差点、神明駐車場のあるところでございますが、ここでは5%の減少というような状況となっておりました。
また筏橋交差点から上一之町交差点を通って安川交差点へつながる道路の通過交通台数については、大きな変化がなかったものの、神明駐車場や別院駐車場を目指して通行されます他県ナンバーが多く、上一之町通りでは大型車どうしの擦れ違いや、路肩駐車する車両の影響などから流れが悪く混雑しているような状況となったこともございます。この調査結果と合わせまして今年も追加の調査を昨年と同じ時期に行いまして、検証を行いまして今後の交通策に役立てていきたいと思っております。
中田清介) ありがとうございました初めて公表していただきましたので、興味深く聞かせていただきました。筏橋、枡形橋の交通量アップにつきましては日常的に私も経験いたしましたので、新しい発見というようなものもあったというようなドライバーの感想も聞いておりますが、ある程度の負荷はそういうところにかかったのだと思っております。そういうことから言いますと上一通りの大型車両の通行、一方通行規制かけたわけではありませんので、当然そのような渋滞・混雑(が)あったものと考えております。やはりこうしたことを考えますと、大型車両のそうした地域への進入を考えますと一方通行規制(による)流入・通過(を)円滑に進めるためには、今後とも考慮していかねばならないのだろうなと、今ざっとお聞きした中ではそんなことを思っております。
引き続き今年度も調査をしていただくということでございますので、できるだけ詳しい資料をお纏めいただきまして今後の政策に活かしていただきたいと思っております。
(2) として「観光都市における交通政策の留意点」ということで、@「車の抑制を住民生活の向上と事業者の利益に繋げられるか」という表現をさせていただいております。
城下町における観光地というのはどこも同じ宿命を思っておりまして、むやみやたらと道幅を広げられない、旧来の人を中心とした道路の体系で観光客の車も人の流れも受けとめていかねばならないということがございますので、ある程度の抑制とか制約のなかで交通体系を整えていく必要があると思います。ただ交通体系を整えるという意味ばかりではなく交通政策ということになりますと、どのような回遊路を用意してその選んでいただく回遊路が、どんな機能を発揮していくのかというような観点も観光都市としての留意点になると思っています。
そういうことから考えますと、地元の生活者の皆さんの日常の生活に支障をきたさない。もう一つは事業者の皆さんの利益にもつながる。これはあい矛盾するような難しい課題でありますけど、これからの高山市の観光政策のなかでは、交通政策としての分野で大きな比重を占めて取り上げていかねばならない事情でもあるかと思います。この矛盾する課題をどのように整えていくかということは今すぐここで回答を求めるわけではございませんけど、このへんのところどのように感じておられるかだけ聞いておきたいと思います。
栃原基盤整備部長) 車の通行を抑制するということは、そこで生活されている地域の皆様の生活環境でありますとか、事業者の皆様の営業活動にも直接に影響を及ぼすものと認識をしております。このため交通政策の検討におきましては車両の通行規制による歩行空間の確保という観点に加え、実際に居住されて見えます地域の方々の駐車場の確保でありますとか生活環境を維持をしていくことや、事業者の皆様の営業活動への影響などの観点が必要と考えています。これらの課題につきましては地元町内会や景観街並み保存会、商店街振興組合、観光関連の団体など多くの皆様がたの御意見やご協力をいただきながら、地域の皆様といっしょになって実施に向けて検討をしていきたいと考えています。
中田清介) すぐに答えの出るような問題ではありませんけども思いとして述べさせていただきました。今の部長のような対応で今後とも広範な地域の皆様、市民の皆様の意見を集約できるような体制をまた作っていただきたいなと思っております。
そのことにつきましては次の(3)「おしゃれな街並みへの再生効果」ということも関連して少し述べさせていただきたいと思います。
@「人は歩けば飲食も買い物もする。新しい変化を受け入れる中での街並み整備も必要ではないか」と。
これは観光政策の中での留意点という様な意味合いを持っています。特に交通政策とどのように関係するんだということをお考えの皆さんもあるかと思いますけれども、新しい変化を受け入れるのは「古いまち並み」一本という、これで観光政策を整えていくわけにはまいりません。観光地としての交通政策(の)それの中にこうした新しいおしゃれな街並みの再生という命題も入れながら全体としての交通政策、人をどういった回遊(に誘導)して楽しんでいただけるか、という観点からの街並み整備も交通政策の一つではないかと思っております。このような点についても少し見解をうかがっておきたいと思います。
清水商工観光部長) 中心市街地におきましては、歩いて楽しめる環境を整備することによりまして、訪れる方々の滞在時間が増え消費拡大などにつながるものと考えております。このためエリア内に於ける車両の通行規制の実施、Wi-Fi環境の整備、歩行環境の向上などに加えまして歴史的資源の保存ですとか有効活用、魅力的な店舗づくり、さらには回遊性の向上などを進めていくことが大変重要と考えております。市民や観光客の皆様のニーズの把握に努め、中心市街地内において買い物や観光などを十分に堪能していただけるよう、歩いて楽しいまちなみの整備に努めてまいりたいと思っております。
中田清介) 今お答えいただきました。こうしたもの(を)長期の目標として、ひとつずつ着実に整備をしていただくことしか対応が(策は)ないのじゃないかと思っております。今言われましたWi-Fi環境の整備まで交通政策として必要なのかといった観点もあろうかと思いますけど、これが歩いて楽しいまちづくりの交通政策の(一つの)局面でもあると思っておりますので、その様な対応で総合的に対応していただきたいなと思います。
最後に(4)「中橋を中心としたトランジットモール化」ということを書いております。このことにつきましては以前にも「どのようなお考えでおみえになるのか」、「何時ごろまでにそうした目標を捉えておみえになるのか」ということを聞かせていただいております。改めてではございますがこのような時でありますのでお聞きをしておきたいと思います。
私、四月に新しい中橋(が)完成いたしまして大変うれしかったのは、橋梁の中の車道のレーンと歩行者を中心とするレーンを舗装面の表示で分けていただいております(おることです)。あの事一つでこの地域の在り方、車と人の関係の在り方一目瞭然で、観光客の皆様にもわかっていただける、市民の皆様にもわかっていただける良い対応であったなと思っています。ゆくゆくは、先ほど事業者と住民の皆様というようなことに言及いたしましたけれども、市長のお約束の中にもあるそうでございます。あの地域のトランジットモール化。これは全面トランジットモールでなくても結構、できるところから時間帯を区切ったトランジットモールでもよい、曜日を区切ったトランジットモールでもよい、今(あの区域で)限界に達しておる観光客(や観光車両)の流れ、市民の皆様の交通の流れをどのように中橋を中心として組み立てていかれるのかもう一度聞いておきたいと思います。
栃原基盤整備部長) トランジットモール化のご質問でございます。このことにつきましては、市長のお約束でございます「古い町並み界隈における車両の進入規制による歩行空間の創出」といったことで取り組んでいるところでございます。現在役所の中で基盤整備でありますとか商工観光、教育委員会などの関係する部局におきましてトランジットモール化の方向も参考に検討を進めているところでございます。今後役所の内部での調整が済みましたら、先ほどお答えさせていただいたように地元の町内会でありますとか、関係する団体の皆様とも協議をさせていただきながら進めていきたいと考えております。ただ十文に地元の皆様と協議をさせていただいて、そして納得の上でなければできないと考えております。できることから少ずつでも実現に向けて取り組んでいきたいと考えております。今後の高山市にとって欠かせぬ課題と考えております。活力あるまちづくりに向けてつなげていきたいと考えております。
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