平成26年12月議会 清介の一般質問 
私的な反訳による速報です。

正確には議事録でご確認下さい。

わかりにくい表現等には括弧で注を付けています。


平成26年12月8日登壇


今会議場で使用したパネルは下の2枚です。
一般質問通告事項
1.卸・小売業を取り巻く経営環境の変化について。
(1)平成19年から24年までの指標変化への対応。
 @小売り業の指標分析から見えてくる姿は「売り場面積」、「販売額」、「従業者数」が急激に落ち込んでいる。今
  後の雇用や就業構造等への影響について市はどのように捉えているのか。
 A大型店対策として売り場面積の総量規制の必要性は指摘されてきたが、実現できる手立てはなかった。既存
  店が淘汰される中で今後の小売商業の振興についてはどのような対応が可能なのか。
 B中心市街地活性化計画の見直しでは中心商店街の位置づけはどうなるのか。
 C全国的に就業構造は1次・2次産業から3次産業へのシフトが続いている。大型店の占める割合が増え続ける
  中ではさらに既存店の淘汰も考えられる。新たな雇用の受け皿となれる分野はどこに求められるのか。
 D卸機能の変化についても大きな転換点であると受け止める。今後問屋町の卸団地、卸市場の問題について
  は用地活用、建て替え、機能強化等の面で八次総の中で具体的な対応ができるのか。
 E「政策シミュレーション分析等による戦略的な産業政策の立案が必要な時なのではないか
2.地域経済構造分析について。
(1)時代の変化を見据えた産業政策の策定。
 @行政の産業政策の視点は地域内で効果的に資金を滞留・循環させ、結果として税収増に結び付けることに
  ある。まずは地域の経済循環を踏まえた産業構造の把握が必要なのではないか。
 A地域経済循環分析に必要な産業連関表の作成に踏み出すべきではないか。
 B今まで行政に足りなかった点は政策立案に際しての経済効果のシミュレーションではないか。
 C企業誘致から意欲ある中小企業育成への転換を政策の柱にすることも考えられるのではないか。
3.観光資源を生かす地域戦略について
(1)インバウンド観光の受け皿としてのDMO
 @欧州などの観光地では「観光地域の戦略策定、マーケティング、着地型旅行商品を一元的に行うビジネス組
  織」DMOが導入されている。外国人の関心が強い観光地イメージと体験したいことを念頭に置き、そのニー
  ズに合った企画でリピーターを増やす対応も必要ではないか。

清介)ただいまの車戸議員の提案、市長の答弁の中にもありましたけれども、国は地域創成の政策を打ち出してきております。地方へ目を向けた地域づくりを重点において国の政策を動かしていくということでございますけれども、反面地方には地域独自の成長戦略を提案することが求められているんだというふうに受け止めます。この事大変重要な点でありまして、我々の地域が独自でどれだけ地域の成長戦略を描けるかということが、これから市長仰るような地域創成は我々の出番だという、そういうところの肝心要の議論だと思っております。今回3点について質問させていただくことといたしております。
 最初に、「卸小売業を取り巻く経営環境の変化について」と通告をいたしております。これにつきましては皆さんもう地域の経営環境、特に卸も小売りもそういった環境が大変苦しい環境にあるということはご存じのことと思います。今回少しパネルを利用させていただきますけど、これがここ10年の間の平成14年から19年までの状況です。これは棒グラフは地域の所得の動向、(折れ線グラフは)売り場面積の動向、小売販売額の動向、小売り従業者数の動向を平成14年を100として指数で表したものであります。
 なぜこんな分析をしているかと申し上げますと、平成15年頃だったと思いますが、高山市へも藻谷浩介氏が講演に来てくれまして、今後の小売商業を巡る地域特に地方における状況は十分に注意をしていかないと、地域の雇用まで破壊されるような状況が大型店との競合の中で生まれてくるという分析を(示してくれましたので)、私独自で(平成)14年から24年までを試みてみたわけですが、なぜ19年で辞めているかといいますと平成21年に経済センサス基礎調査というものがありまして、それまでの商業統計の統計の取り方と少し統計のとり方が変わってきたというところで、ここのところで留めております。
実数がどうなったかということにつきましては、まずこの数値を見ていただいた後に申し上げたいと思います。(次のパネルを提示)大型店の売り場面積と大型店以外の売り場面積は、今回初めて高山市の商業統計を見てみましても、売り場面積(については)、大型店の売り場面積が大型店以外の売り場面積よりも大きくその割合を広げたと、その転換点にあると見ていただけると思います。この24年の売り場面積にいたしましても経済センサスが基ということでありますから、少しその点を割り引いて考えなければなりませんけど、それにしましても現実にはこれがターニングポイント。地域の大型店以外の売り場面積は縮小してしまった。この原因は何かといえば、やはり大型店以外の地域の小売商業が淘汰されてきた。その中身が売り場面積の比率にも表れているのだと思います。

それでは今述べました平成19年までの、平成14年から19年までの5年間の減少率と、平成21年の経済センサス基礎調査から24年の経済センサス調査までの減少率を比べてみました。前者は5年間の減少率、後者は3年間の減少率であります。地域の総所得が前者の5年間で4%減っている間に、後者の地域の総所得の減少率は2%であった。これは人口の世代階層がずーとずれていきますので5年間なら2%という数字も、前の4%に近い数字になったと思いますが、3年間対5年間であります。従業者数は前者の5年間でー6.3%減少してしまった。あとの3年間5年間)ではそれを上回るー10%の減少率となってしまった。事業所数も前者の5年間はー10%の減少であったが、後者の3年間ではそれをしのぐ−14%の減少率に陥っている。単純比較はできませんが小売販売額一時1300億(円)位あったものが、平成19年では1194億(円)まで低下している。平成24年の経済センサスに伴う調査販売額によりますと974億円まで減少している。その間売り場面積の動向は先ほど申し上げましたようにある一定の時期まで増加をしております。これは大型店が増えたことによる増加でありまして、平成16年は合併の年でありますので17年に行った調査で、17年に表れる周辺町村分の売り場面積も入れておりますので、まあこれはどちらを取るのかという選択もありますけど、傾向としてみていただければこの辺が売り場面積が増加するピークであったと思っております。現実には平成24年では減少をしてきております。売り場面積が減少するということは、地域の小売商業が非常に淘汰をされているというマイナス面がここに表れていると思っています。
 なんでこんな調査をしておみえになるのか藻谷浩介さんにお聞きしました。成熟社会の小売商業の状況を注視していく必要がこれからある。これまでは売り場面積の増加が地域の総販売額を増加させ、地域の雇用も増加させるような循環の中にあったけれども、今後は我々団塊の世代のリタイアに伴う所得階層が移動していくにつれ、従業者数・販売額は逆に減っていくんだというご指摘でした。私は平成15年ころにその講演を聞いたわけですけどそれ以後、平成10年ころからの統計は取って(収集して)比較しておりますけど、この5年間の下落ぶりは大変驚いております。私は地域の中で近所の商業者の状況は理解しておりますけれども、改めて数字で見てみますとこういう状況が今現れている。このことは大変大きな問題になるのではないかと思います。なぜならば私たち地方都市が一番心がけなければならない3つの要件というものがあるそうです。一つには「住みたい街」、「働ける街」、それから「訪れてみたい街」(の3要素です)。住みたい街、訪れてみたい街はどちらかというと願望のほうが大きい、そういった指数でもありますけど、働ける街これは切実な問題であります。これは現在の地方都市の経済成長を残らせる(阻害する)原因でもあったり、若者雇用が進まない、若者離れが進む要因の一つでもありますけど、こうしたところ今後も注視していかなければならない状況になるのではないかと思います。
 そこで通告いたしました。「1.卸小売業の経営環境の変化について」。(1)平成19年から24年までの指数の変化への対応」。今申し上げましたこのような状況になっております。@    として小売業の指数分析から「売り場面積」、「販売額」、「従業者数」が急激に落ち込んでいる姿が見えてくる。今後の雇用や就業構造等への影響について市はどう捉えておられるのかお聞きをして最初の質問といたします。

国島市長) 市内の小売業というのは、今いろいろ資料でお示しになられたように大変厳しい状況が続いているという認識を持っております。豊富な品ぞろえを求めて市外の大型店で買い物する人の増加、あるいは今急激に普及しておりますけどインターネット販売、さらには生産者と消費者が直接取引をするこれの増加。等々が影響をしていると推測をいたしているところです。こういう小売業の従業者数の減少傾向、あるいは販売額の減少、さらには売り場面積の減少等については今後も続くのではないだろうかと思っています。 
これは少子化というようなこともありますし(人口の)社会減というようなことも繋がってくると思いますけど、これは避けては通れない時代だろうと思っています。そういう意味で今後の対応でどういうことが注目されるのかというと、やはりものを求める側とものを提供する側とのマッチングだと思っています。その中において雇用の受け皿を確保していくということについては、やはり経済の主流である根幹をなしている観光産業というもの振興というものも大きく注目しなければならないと。その底上げといったことが波及効果を及ぼすということについても少し認識を持って向かわなければならないだろうと思っています。
 併せて地元購買の意識の向上ということは大きなことになると思います。冒頭申し上げましたように求める側と提供する側というそういうマッチングの必要性はありますけれども、求める側が意識を持って地元購買に向かっていかなければこの流れは大きく変えることは難しいのではないか。そういう意味でエリア内でのお金が外へ出ない仕組み、これは真剣に考えていかないと今後ますます加速度的に、今お示しになられたような数字が進んでいくのではないかと思っています。
 その為にも現在においては地元購買の大大キャンペーンといったものも繰り広げなければならないだろうと思っておりますし、たとえば地域通貨だとかあるいはポイントシステムさらにはエリアカードの多用というような、これは小さな事かもしれませんけれども、これをきっかけにして地元購買の意識高揚、底上げといったことを図っていく必要があるのではないかと現在のところは思っております。

清介) なかなか口に出して示せるような対応、世の中の流れの中で難しいことだと思います。ただし、なぜ今この数値をお示ししたかというとことでございますが、就業構造(が)これだけ変わってまいりますと、先ほど申し上げましたなんで稼ぎどう雇用を回していくか、雇用を確保してそれを持続的に発展させることができなければ、高山市(が)外から稼いだ金を地域でうまく回せなくなってしまう。それが地域経済循環の宿命だと思います。その意味での、現状でも減ったとはいえ8千人規模の雇用を抱える卸・小売業の問題が、少し何らかの経済効果も上げて維持ができるような、これからの政策が必要なのではないかという観点からこれらの数値を取り上げてみました。地域の中の従業者数が5万()少しあると思います。その中でも現状では一番大きな雇用の受け皿として、最近は細々となりましたけど維持をしていっておる。そういう業界ではないかと思います。
 A番目として「大型店対策として売り場面積の総量規制の必要性は指摘されてきたが、実現できる手立てはなかった。既存店が淘汰される中で今後の小売商業の振興についてはどのような対応が可能なのか」。というふうに問い掛けをしております。
 これは今市長たぶん答えていただいたと思いますけれども、藻谷さんが講演に来てくれたのは先ほども申し上げました、成熟社会の小売販売額(の動向を把握して)は、上手くコントロールしないと地域を根絶やしにしてしまうような結果を生み出しかねない。だから大型店ばかりを言うんじゃない。地域に必要な購買を受け止められる売り場の総量規制という分析が欠けているから、そこも注目しながら地域の雇用を守り販売額を確保し、そして地域の人々に豊かな生活を提供できるような環境を作れというようなことだと思っておりました。しかしながら平成13年~14年ごろに土地利用調整型のまちづくり条例を作っていただいて以後、あまりそうしたことの効果も出てきているようで既存店の淘汰ばかりが注目されるような状況となってきております。
 これはまあ、既存店の営業意欲の喚起ですとか革新性、そうしたものが反面として要求されるところではありますが。そうした中においては小売業の振興について、どのような対応が可能なのかお聞きをしておきたいと思います。

清水商工観光部長) 市内の小売業の振興を図る為には、小売店の専門化ですとか各商店が培ってきた歴史ですとか、扱う商品の魅力を伝えるような事業の専門性を高めていくことが大変重要であると考えているところです。
 また、市内で開業を目指す若者増やし、開業率を高めることも重要であると考えています。このため高山市創業支援事業計画に基づきまして商工会議所や商工会、市内金融機関等との連携を図りながら創業者の育成を進めているところでございます。こうした取り組みとともに空き店舗の活用などを進めまして、今後市内で新規開業を目指す若者を増やしながら商業の新陳代謝を活発にしていく取り組みをさらに進めてまいりたいと考えているところでございます。

清介) 今できる対応はその時々の要請によって採っていただいているというお答えではないかと思います。B番目として「中心市街地活性化計画の見直しでは中心商店街の位置づけはどうなるのか」。 今度中心市街地活性化計画の見直しがされます。今申し上げました高山市全体の商業の流れよりも、深刻な状況になっておるのが中心商店街の状況であるということは前にもお伝えをしております。
 ただやり方によっては、高山市は観光の主要な資源が中心市街地に点在しておりますので、そのことを十分活用して生き残っている商店街もある。ただしそれができない商店街はもう歴然として格差がついておりますので、その辺をどのような位置づけで今度の見直しをされるのかだけ聞いておきたいと思います。

清水商工観光部長)中心市街地におきます中心商店街の活性化ということで、当該地域に生活をされる市民の方々の生活を支えている場所であるとともに、観光客が多く訪れるにぎわいの中心として地域を活性化させる大事な役目を担っていると考えているところでございます。しかしながら空き店舗の増加などによりまして、その機能の低下が懸念されておりますので、チャレンジショップをはじめとした起業家の育成拠点としての機能を強化していきたいと考えているところでございます。その為商店街組合と協力しながら空き店舗の情報提供はもとより、ワンストップで様々な相談が受けられるような体制を整備していく必要があると考えております。今後新規開業を目指す方々が様々な事業にチャレンジしていけるよう、商店街組合や街づくり会社などの民間事業者との連携によりまして、調整機能を強化して空き店舗の有効活用を進めることにより中心市街地を活性化していきたいというふうに考えているところでございます。

清介)これまでも機会をとらえてお答えいただきました中心市街地の活性化の方向性、今後もぜひ力を入れて進めていただきたいと思います。やはり先日発表されました県下の商業地も含めた地価の動向を見ましても、藻谷さんはほとんど地価を決定する要因は通行者数の変化によって決定されてくる。裏返してみますと稼げる所しか地価を維持していけないというようなことも言われております。商業地の地価というものはその都市の活力のバロメーターでもあるといわれます。そういう意味からもぜひこのへんのところをしっかりと目を配っていただきたいと思います。
 C番目として「全国的に就業構造は1次・2次産業から3次産業へのシフトが続いている。大型店の占める割合が増え続ける中ではさらに既存店の淘汰も考えられる。新たな雇用の受け皿となれる分野はどこに求められるのか」という問いかけをしておりますが、一つの尺度として卸・小売りの従業者数を見ても、地域に与える影響は非常に大きいと思います。それがやっぱり従業者構造の変化に現れ、いつか私も話させていただきました、このまま進めば地域の生産を担う人口(生産年齢人口)、その人たちをどの産業に割り振るのか(という)そのような政策まで求められかねないという状況になりかねない。そう思っておりますが、現状ではかろうじて8千人(規模を維持している)。他の(産業の)従業者数を見ましても6千人規模、5千人規模という(産業が)数業種ありますけれども、今後はそうした点では大丈夫なのか、どんなお考えがあるのかお聞きをしておきたいと思います。

清水商工観光部長) 新しい雇用の受け皿といたしましては、先ほど市長の方からも答弁させていただきましたが、各産業への経済波及効果が大きい観光客の誘客に向けた取り組みを優先的に行いまして、市内商品の増加、雇用の増加を図っていくことが重要と考えておりますが、この他に豊かな森林資源を活かしました家具製造をはじめとする木材加工、又バイオマス燃料産業の促進なども重要と考えておりますし、環境ですとか介護・医療・福祉など今後成長が見込まれる、それぞれの産業の関連分野におきます関連するものづくりを進めることによりまして、雇用の受け皿を確保していくことも重要であると考えているところでございます。

清介) 新しい分野、地域に根付かせる新しい切り口の分野の産業起こし、地域振興は大切な視点であると思います。今仰っていただいたようなこと次の質問の中でも触れますけど、そうした点しっかりと検証しながら進めていただきたいなと思います。
 D番目といたしまして「卸機能の変化も重要な転換点と考える。今後問屋町の卸団地、卸市場の問題については用地活用、建て替え、機能強化等の面で八次総の中で具体的な対応ができるのか」という問いかけをしております。先ほどは小売商業の売り上分析等を見ていただきましたけれども、地域の流通機構(は)変革の波に洗われまして卸売業の売り上げはほぼ半減をしてしまったと思っております。一時卸・小売りで2300億()2500億(円)、3000()近い売り上げをしていたこともありますけど、今は惨憺たるものとなっております。ただこのことは地域の責任ばかりではなく、世の中の流れ、経済の流れ等の中で仕方のないことではありますけど、それにしても地域の需要を賄っていくためには欠かせない業種であると思っております。このことについての問題点は市民の皆様でもお分かりのことだと思いますが、これまでの今読み上げましたような内容でも皆さんが心配しておられる内容がございます。卸市場の問題なんかは、八次総(高山市第八次総合計画)の中でしっかりとした目途をつけて対応していくんだというそういう位置づけもありますので、一遍この辺のところもう一度整理をしてお聞きをしておきたいと思います。

清水商工観光部長) 卸売業というのは、生産者と小売ですとか消費者との直接取引の増加というような、流通経路が大きく変化した関係で商店数、従業者数が大きく減少するという様な状況の中にございます。そうした中で現在卸商業センターの中では従来の機能を維持しつつ、立地条件なども踏まえまして新たな機能を加えて有効活用していくという様な検討がされているところでございます。又、卸売市場につきましては物流の多様化によりまして卸売業の需要が減少してきている面がございますが、地元の食材や商品・情報の拠点となるような構想をもっていきたいと思っているところでございます。   
 今後も引き続き問屋町の用地が有効に活用されますよう、事業者との協議を重ねまして十分に調整を行いながら、利便性の向上と地域経済の活性化に寄与できる施設となるよう努めてまいりたいと考えているところでございます。

清介) 少し今までの議論を蒸し返すような感じで申し訳ありませんでしたけど、今後大切な就業構造の中での、卸売業の位置づけも守っていっていただきたいとの思いはしております。最後にE番として「政策シミュレーション分析等による戦略的な産業政策の立案が必要な時なのではないか」と申し上げております。

 先ほど(前の質問者への)副市長の答弁の中にも戦略的なという言葉が出てきております。これから要求される行政の立ち位置(は)、今後どのような観点で高山市を引っ張っていくのか、先ほど申し上げました何で稼ぎどう雇用を守っていくかの点を総合的に組み立てる必要がある。そういう中では各事務事業立案におきましても戦略的な視点で少し経済効果を図ってみる、戦略的な視点で地味ではあるけれども必要欠くべからざるリサーチ部分を充実していく。そういう様な観点からの役所の仕事というものが要求されるのではないかと思います。
 先般文教産業委員会で視察をしてまいりました朝来市、人口3万2千(人)の(平成の)合併で生まれた新しい市でございますけど、大変産業振興分野、地域振興で悩んでおられます。地方の小都市ほどどういった背策でそうしたものを維持していけるのか、自分たちがやれることは何なのか。そういうところで担当者が私たちに言ってくれた言葉がございます。戦略的な視点を持たない場当たり的な政策策立案では、もう次の布石が打てなくなってきている。そういう意味では地域経済構造分析の手法に頼るしかないので、我々一生懸命これを実現のためにやっているという様な内容でございました。E番としてシミュレーション分析等を言っておりますけど、今申し上げたような観点でございます。(次の)2の(通告内容である)地域構造分析の中で詳しく述べさせていただきましてお答えをいただきたいと思います。

 (通告の第2項目地域経済構造分析について)(1)といたしまして「時代の変化を見据えた産業政策策定」ということを申し上げております。
 私が地域経済構造分析という言葉に触れましたのは、平成15年頃だったと思います。平成14年の日経新聞の記事の中で、この産業連関表のスペシャリストであります岡山大学の中村先生が、岡山県赤坂町の産業起こしについてコメントされる記事を見てから関心をもってその調査もさせていただきました。平成18年には、合併後赤磐市となりました現地に赴いてその調査もさせていただきました。まさに何で稼ぎ何で雇用を守っていくかの視点が、5つか6つの観点から述べられております。地域の雇用の受け皿となる産業は何がある。地域外から金を稼いでくる産業は何がある。稼いだ金を地域で循環させる産業は何がある。そう言うような6つの視点がありますけど、そうしたものをしっかり把握して分析することによってしか次の(産業政策の)方向性は打ち出せないという様なことをおっしゃっております。当時からそういった考え方で赤坂町なんかは見事にそうした布石を打っておったわけなんですが、当時の町長さんが岡山県の産業何とか部でしたか、産業振興部門の部長さんから町長になられたということで、いち早くそうした分析を三井物産を活用して根付かせる実験。まあ実験だったと思います。大変マスコミからも注目を集めた政策でありましたけれども、こうしたことが巡り巡って地方自治体の税収のアップに繋がったということ。産業振興にかかる役所の立ち位置はどうすべきかという見本であるという事がマスコミで報道されたことを覚えております。同時に通産省でしたかその当時は経産省でしたか覚えておりませけれども、そうした地域経済分析による高山都市圏の構造分析という試案が出まして、それを読んだことがございます。その内容はあまり詳しくは申し上げられませんけれども、地域の県民所得の分析などにも出てきます「特化指数」が多い産業、農林畜産業、それから高山市の特性として資源が豊富にある木材、家具製造、それから地域の人口、就業構造の割に商業指数などがよいのはやはり観光のおかげだからこの三つは重点的に手を入れて行けというのが当時の国からの高山都市圏の分析の指摘でありましたけれど、その他にもう一点重要な項目がありまして、この地域は行政の建設投資にかかる部分で地域の雇用を守っている部分があるから、このことについても留意しながら地域の振興を図るべきだという様な対応でありました。
 そこで@といたしまして「行政の産業政策の視点は地域内で効果的に資金を滞留・循環させ、結果として税収増に結び付けることにある。まずは地域の経済循環を踏まえた産業構造の把握が必要なのではないか」というふうに通告いたしております。これは今申し上げたとおりです。まずここから始めなければ効果的な次の政策が打てる土壌にはならないんだということが言われておりますが、このことについて見解を伺っておきたいと思います。

清水商工観光部長) 市内の経済循環の実態ですとか産業構造を把握することにつきましては、効果的な政策を実施していくうえで大変有益なことであると考えているところでございます。その為に産業連関表を使うということも重要な一手法であると考えているところでございます。

清介) 今仰っていただきました。A番目として「地域経済循環分析に必要な産業連関表の作成に踏み出すべきではないか」と通告しております。産業連関表を作成するということは、大変今までは難しいものと(言われていました)。手間暇がかかるもの、予算的に金がかかるもの。地方の自治体が作ることはもう無理だから、県の連関表を使いながらそれを分析することによって代用すれ(ば)という方向性がほとんどでございました。(高山市に関する)県の連関表に基づく分析というものを読ませてもらったこともございますし、(その分析は)かなり我々の事情に肉薄したところまで分析ができるとは思っておりますが、今回の視察でも、それから中村先生にも直接メールでやり取りをしておりますけど、どうしても地域に特徴ある特性というものを把握するにはやはり自分たちで作りなさいよということを勧められています。 中国地方の小さい自治体が最近飛びついて(連関表の作成に取り組んでおられる。)2005年ごろから幾つもの自治体のそうしたもの(産業連関表づくり)を手掛けておみえになりますけど、やる気になればできるんだよという様なお話です。朝来市なんかは210万円の委託料で先生の活動の中に入れていただく中でできたという様なお話も聞いておりますが(データ収集は市が努力した)、政策の基になる一番大事な基礎資料という様な観点もございますので、こうしたことにも踏み切るべきではないかということを聞いて(について)見解を伺います。

清水商工観光部長) 産業連関表の作成はしておりませんが、これまでにも県の作られた産業連関表を使用して、例えばプレミアム商品券の経済波及効果であるとかというものは発表させていただくなど利用させていただいているところではございますが、独自に産業連関表を作成するということになりますと、国や県が実施している各種調査結果を引用するだけではなくて、一年間にわたって企業が行っているすべての取引の実態を調査するという様なことが必要になります。市内の事業者さんにはそういうアンケート調査の全面的な協力が必要ということでございます。市内で行われているすべての分野の経済活動を調査する必要がございます。国では5百数十分野というふうに分けて実施しておりますけれども、その調査の内容が多いか少ないかで金額費用的にも大きく変わってくることになるものと思っています。そういうこともございますので全庁的に取り組んでいく必要があると考えております。こうした課題を踏まえまして今後産業連関表の作成の研究につきましてはしっかり進めてまいりたいと考えているところでございます。

清介) 各地方自治体の産業連関表の調査項目を見ましても、国の調査項目とは別の視点でチョイスをされて、どうも地域に必要な数値は自分たちで拾うという作業をされた様であります。専従の職員も要る、それから第一はそれを説得して協力をしていただく行政側の熱意がなければ出来ないというものだと思っています。今後の人口減少化を含めた政策課題、行政課題、財政課題(が)多い中にあっては、やはりこうしたものでシミュレーションが出来るような、そういった環境も必要ではないかと思います。私どもが今回見た政策シミュレーションでは、アウトレットの経済効果(というのがありました)。わが街にアウトレットというものを呼んで来たらどんな経済効果があるのか。それからこんなイベントをしたらはたしてイベントによる経済波及効果はどうなるんだろう。(等々)様々な事前のシミュレーションもできるという様な実績を提示してございます。これからはそうした手法も使いながら現実には中期計画である八次総などに活かしていく。そういった対応も必要でありそうした努力が求められるのではないかと思いますが、その点について伺っておきます。

清水商工観光部長) 地域の経済構造を把握し経済波及効果などを分析しながら施策を立案していくためには、経済連関表の活用はというのは大変有用であると考えております。ただし現在発表されております国の最新の産業連関表というのは平成17年度のものでありますが、この様に作成には長い期間が必要でありますので日々変化する経済実態を反映しにくいという側面も片方では持っております。又他の自治体では一度産業連関表を作成しただけで継続しないという様なケースもある様に伺っております。産業連関表を作成する場合には、しっかりとした体制を整えて継続して調査または活用してことが重要でございますので、今後こうしたことも踏まえまして産業連関表についての知識を高めなが、導入について研究して参りたいと考えております。

清介) 今お答えいただきました様なことはすべて言われていることでございます。まずは行政の皆さんもその必要性を認めたうえで、自分たちもその知識として蓄積をしていただきたいなと思います。私どもが視察してきた所(や調査した所)たいへん小さな自治体が多ございました。調べている間でも我々の(様な)人口10人規模ではなくても、平成の合併で(誕生した自治体が)今後の方向性をどう打ち出していったらいいか。そういうところでは藁にも縋る思いでそうした勉強がなされているということでございますので、ご一考を願いたいと思います。
 この項目の最後。C「企業誘致から欲ある中小企業育成への転換を政策の柱にすることも考えられるのではないか」と通告をいたしております。これは朝来市なんかは昨年産業連関表の調査を終わりまして経済戦略を出したところです。その中でエコノミックガーディニングの手法で、我々の地方の雇用をどうやって守るかという政策を打っていくという項目がありました。現状では先ほど申し上げました様に就業構造、就業の受け皿というのは1次産業、2次産業から3次産業に移ってきている。これは2次産業が海外への工場シフトで、工場誘致そのものが私どものような中山間地では大変難しくなってきておる。それから従来からの工業地帯であっても、マザー工場だけ残して海外に出てしまうといったこともあって、大変2次産業の(雇用の)受け入れ部分が減ってきているということになっております。そういうことになると勢い地域に根付いた中小企業をどう育て行くのか、そのメニュウを幾つか持ってそこに手当てをする方法がエコノミックガーデニングの手法であると言われておりますし、それを標榜しながら地域振興、産業振興に努めておみえになる自治体がぼちぼち出てきております。こう言った考え方私達高山市の政策の柱として必要じゃないかということをお聞きをしておきたいと思います。

清水商工観光部長) 本市で行っております企業立地促進制度についきまして、市外からの企業の立地支援という側面もございますけど、市内で経営されている既存企業の工場移設も含めて設備投資や雇用の拡大を支援対象としております。そういう意味で外から呼んでくるばかりじゃなくて内の起業も一生懸命支援をしていく育ていくという様なことも非常に大事なことだという認識は議員さんと全く同じだと思っているところでございます。企業を育てるといった観点で商工会議所ですとか商工会、また市内の金融機関と連携を強化をしていく、消費者の動向ですとか市場の動向などの情報分析・活用や地域資源の活用、または製品の高付加価値化などを、そういった産・官・学・金といわれるう様な支援体制の中で支援をしながら地域の中小企業の成長を促していくことが大変重要であると認識しておりますし、企業を育てる土壌なり環境を整えることが議員さんがおっしゃるエコノミックガーデニングという様な考え方であると理解をしているところでございます。今後も関係機関との連携をいたしまして事業者の情報交換を図りながら支援に努めてまいりたいと思います。

清介) 少し時間がなくなりましたので次に進みたいと思います。3番目として(大項目の3として)「観光資源を生かす地域戦略について」と通告しております。(1)「インバウンド観光の受け皿としてのDMO」(Destinationanagement rganization)ということを通告しています。ここに書いております。「欧州などの観光地では「観光地域の戦略策定、マーケティング、着地型旅行商品を一元的に行うビジネス組織」これがDMOだというふうに言われております。先日欧州の旅行番組を見ておりますとワンストップで相談できる窓口が駅にあると紹介されていましたので注目してみましたけど、こういった報道もなされましたので、これからの私どもの地域のインバウンド観光様々に対策は取っていていただいております。ただ着地型旅行商品といっしょになってこうしたものを勧められるような連携が少し足りないのではないかという様なことも感じております。現状と今後の方向性などありましたらお伺いをしたいと思います。

田中海外戦略室担当部長) 外国人観光客の誘客にあたりましては、もうすでに市と民間の組織とか事業者とが一体になってやっておりますところですし、必要に応じて市の域を超えた広域的な連携を図りながら促進をしております。しかしながら民間組織とか事業所が主にターゲットにする誘客の対象国とか地域が異なっていたり、誘客の手法ですとか交通、宿泊施設、観光資源の情報提供などにおいて現在はばらつきがあるといったことも否めない事実でございます。
 議員ご指摘のように自治体とか民間を問わずそれぞれの誘客活動を一元化して、例えばマーケティングの実施であるとか、テーマ性を持たせた観光資源の一体的なPRおよび観光商品の販売がより効果的な誘客活動につながるというのは、これは容易に想像できるところでありまして、私どももその必要性は認識しております。
 今後、今議員さんがご紹介ありましてご提案いただきましたようなDMOの手法を導入することにつきましては、例えば各種団体の協力を得た上でどの様な範囲でどの程度一元化を図れるのかという様な課題はございますけど、どうすれば一体となって効果的な外国人客の誘客活動が出来たり、リピーターの増進につながるかということにつきまして、広域的な視点を盛り込みつつ、今後民間の観光推進団体であるとか事業所と協議を行ってまいりたいと思います。

清介) 今申し上げましたDMOにつきましては、少しいろいろな文献も読んでみました。日本政策投資銀行がまとめたDMOに関するレポートも読んでみましたが、びっくりすることには観光地をイメージする外国人の皆さんのイメージが、観光地によって異なる点もある(ということでした)。北海道と京都、そして地方の我々の様高山。それぞれに目的があってそこを体験したいということでお見えになる。それは完璧に事前調査などで目的なをもってお見えになるんだから、それに合わせた受け入れ方法がその土地土地で工夫をもって発信できるような(ことが)それが必要なんだということを読みました。そのことがやはりきめ細かな対応になるんではないかと思います。今仰っていただきましたがなかなか民間をまとめながら着地型商品までを一手にマーケティングするという様なことはむつかしいかもしれませんが、現状非情に努力されております外国人誘客の方向性の中にこうしたものも入れていただければ、少し高山の観光というものの厚みも広がるんじゃないかと(思います)。高山を目指される皆さんは、高山の古い町並みでありますとか食文化、それから宿泊、どうして(宿泊)したいのかといったところに一つのキーポイントがあるんじゃないかと思います。そちらの方は工夫をされて努力していただきたいと思います。

 今回、地域経済循環等申し上げましたけれども、最初に卸・小売りに関する経営環境を申し上げました。私は常々思っておりますけどいろいろな補助メニューを作っていただいておりますけど、もう15年も同じ政策で予算をとっている内容がいくつかある。そういうものもやはり地域経済循環による波及効果等を検証することで改められるんじゃないかと(思います)。一つには空き店舗の家賃補助(です)。家賃補助は貸し手への補助。入られる方へのインセンティブは少しはあるけれども限られた年月でそれだけの効果しかないということがありますので、そうしたところもこうした手法を使いながらこれからも厚みをつけて新しい政策を(提案していただきたい)。常に若い人達にとって魅力的な、高山へ行ってみよう、高山で住んでみたい、働ける環境がある、そういう政策を充実していっていただきたいと思います。これで私の一般質問を終了します。

今回の質問通告2の(1)のBは、それまでの質疑答弁を重ねる中で重複する部分が多かった為、端折ってCに進みました。