平成29年9月議会清介の一般質問 | ||||||||
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通告内容
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平成29年9月議会清介の一般質問 清介) 一昨日から多くの議員の一般質問聞かせて頂いております。なぜ議員の方のいら立ちが理事者に通じないのか。今の(倉田議員の)質疑応答を聞いていてもわかる。私は平成12年3月に、当時「分権時代の行政改革」という質問をさせて頂いています。その中で今もご健在でございますが中央大学佐々木信夫教授のコラムを引用させていただいております。当時はその前年に東京都知事、石原慎太郎知事が生まれたばかりでありまして、その石原知事への2項目の指摘の中の1項目を引用させていただいております。先生(の指摘は)は「同質性の打破へは異質性の思考を」というコラムでありました。この内容というのは「行政あって政治なし、執行あって経営なしの官僚機構という同質性で固められた組織の改革には、どこまでも異質性の価値観を持ち込みそうした考えを変え得るかにかかっている。」というものでありました。私たち議会はそこから問い直しますと行政の皆さんとは全く異質性の塊であります。私たちは自治法によって職業をもってその任に当たれという設定がされておる。あなた方の様な同質性の組織とは人間とは違うということ。ですから、そうした事のいら立ちは今回の一般質問でも多く出てきておる。そのように思っています。 今回2点につき通告をいたしております。最初にお断りをしておきますけれども、わたしの通告の1.のA、「平成17年度比で観光客数、観光消費額の推移をみると」というところで、その次の表現が平成17年からとなっておりますが、これは平成27年の間違いでございますので少しご訂正をいただきたいと思います。今回私は、観光の消費額の波及効果というのは、本当に地域所得に結びついているのかという事で分析をさせて頂きました。お手元に史料があるかと思いますが、この折れ線グラフは赤い折れ線が高山市の地域所得。その他3自治体の地域所得を比べております。その3つの自治体をなぜ選んだのかという事はまた後程説明をさせていただきたいと思います。こうしたものの数値を見ても高山市は平成17年度の数値と比較してもいまだに96%ぐらいの数値を行き来をしている。なかなか450万人(の)入込数。観光消費額1,000億円といわれても、それが本当にこういうところに回っているのか疑問に思うところを、その見解を質したいと思っています。またもう一つの折れ線グラフ、高山市の観光客入込数と観光消費額の推移をこれも平成17年度比で指数として比較をしております。観光客数と消費額は不即不離の関係でありまして、このようにほぼ同じような曲線を描いてきておりますが、平成27年、28年(で)非常に高ブレをしてまいりました。この要因は何だと。この要因を分析するにはどういった観点から見直しをしなければならないのかといったことを少しお聞きをしたいと思っています。 通告に基づいてお聞きをしていきたいと思います。一番、地域所得の動向と観光消費額の推移並びにその経済波及効果について。と(通告)しています。@平成28年度観光客入込数451万人、観光消費額1,000億円と発表されているが、地域経済への波及効果は確かな物なのか、地域経済が疲弊している中で市民はその発表数字そのものに懐疑的になっている。現場の停滞感に市はどうこたえていくのか。と通告しています。 地域経済が疲弊しているという事がどうしていえるのかとご指摘になるかもしれませんが、いろいろな発表数値。岐阜県の平成28年度経済動向という資料もいただいて読んでおります。岐阜県全体でもそんなに経済が上向いている訳ではありません。高山市はこの451万人、1,000億円という消費額を地域所得の向上や、地域経済へ波及させているのか。現場の停滞感に市はどうこたえていくのかと通告しております。第一問目としてその点についてお聞きしたいと思います。 高原商工観光部長) 只今議員の方からお訪ねがありました観光統計の観光客入込数の推計につきましては、昨日も谷村議員の質問にお答えいたしましたとおり、多方面からのデータの収集から集計を行っております。また観光消費額につきましては主要な観光施設で配布するアンケート調査により算出した消費額に、推計による宿泊者数と日帰り客数を乗じたもので推計しているものでございます。いずれの数字も毎年同様の手法で推計をしておりまして、観光の消費額も1,000件を変える基礎データをもとに国土交通省の示す方法で推計しており、実態と大きな乖離はないと考えております。市が算出している地域経済への波及効果は、観光消費額をもとにしているものであり、必ずしも高山市全体の地域経済を反映しているものではないことから、観光産業ばかりでなく他の産業も含めまして、市全体の産業振興を図る事によって、市内のにぎやかさが市全体の地域所得の向上につながる施策を図っていきたいと考えています。 清介) 別に私は観光統計そのものを否定するわけではありません。現場の感覚で本当に消費にその観光消費額が回っているのかという指摘は有識者からも出ております。それは何かというと後で言います地域所得そのものを見ても高山市のまちづくりの方向性間違っていないのかといえば、間違っていないと思います。但しその効果を実感できるだけの政策が商工観光の部局にあるのか、そういう事まで捉えられている。そういう事ではないのかと思います。間違っておりませんと言われるならその通りやと思います。但し現場の停滞感はそれ以上にあります。本年7月の(岐阜県)中小企業団体中央会の景況調査でも、高山市旅館組合の7月の景況レポート(では)いつもより(観光客)入込数が少ないと2行(報告されていた)。一方では下呂市の旅館組合のレポートでは、新しい旅館のオープンもあって約4500万ここに持っておりますが、(数字を間違えており訂正しています)前年対比で8500人の増加があるという様なレポートも出ております。かの地のレポートでは東海3県の愛知・岐阜・三重(の観光客数)が20%増加しておるという事も出ております。高山市にそれがないのは何故なのかというところを突き詰めて考えられるのが担当課の仕事ではないのか。数字を見てその要因分析をして、じゃあどういう施策が求められている。そういう問題がこの観光消費額の問題ではないのかと思っております。特にこの問題につきましては県の経済動向調査を見ても(中央会の景況レポートでも)長良川周辺の旅館組合、下呂の旅館組合、高山の旅館組合。この数年の動向全く高山の一人勝ちの様なレポートばかりであった。それがここへきて少し潮目が変わったという様な目も見える。だからその辺のところ、現場の停滞感に市はどう答えていくのかというところが一番の問題点ではないかというふうに私は指摘をしておきたいと思います。 A「平成17年対比で観光客数、観光消費額の推移をみると、平成27年から観光消費額が高ブレをしている。平成28年では観光客数は106%の伸びであるが、観光消費額は129.7%と急伸している。また平成28年の宿泊観光客一人当たりの消費額は前年比で5,123円アップしている。その要因をどう分析しているか」、お聞きしておきたいと思います。 高原商工観光部長) 先ほどのご質問でもお箸えいたしましたけれども、観光消費額は高山市を訪れました観光客への委託によるアンケート調査をもとに算出をしております。アンケートの内容といたしましては高山市内における宿泊費、飲食費、土産物代、交通費、施設見学料、その他の6項目におきまして一人当たりの具体的な消費額をご記入いただいております。昨年の宿泊客一人当たりの消費額は35,756円となっておりまして、前年の30,633円と比べますと5,132円の大幅な増加となりました。内訳を見てみますと約半分は宿泊費が占めております。平成27年は宿泊費が15,296円であったの対し、平成28年は18、796円と約22.96%、3、410円の増加がみられております。また市内で消費された交通費も前年比で37.2%、924円の増加となっています。私どものお聞きしましたアンケート結果によりまして観光消費額が急激に伸びた要因といたしましては、支出総額に占める各費目の割合の推移から見ますと宿泊費と交通費が増加した半面、飲食費と土産品代は減少しておりましてその点に課題があると捉えています。 清介) 観光統計を見ましてもそのとおりではないかと思います。しかし先ほどお示しいたました高ブレ、これは一人当たりの宿泊客と日帰り客の推移ですが、宿泊客だけがやはり高ブレをしている。これは今言われた宿泊に含まれる諸経費の動向が要因ではないかと思っていますが、じゃあその動向は高山市の観光にとってどの様な影響を及ぼしているのかと。そうした事はやはり要因を分析して10年比較での動向等を見てみると、先ほど少し言われましたが5年前まで12,000円規模だった宿泊のカウントが(宿泊代)、次は14,000円まで上がり、その次の年は15,000円台までになり、そして平成28年には18,000(円)まで上がった。この増嵩分このままでいけるのかどうか。これは外国人が宿ったから増嵩したんですか、国内客も含めて泊まった平均値なんです。この平均値でこれだけの変化があるという事は観光動向に影響しないわけがない。現に特定日などには法外な値段で宿泊費の請求をされたという様な苦情も聞いております、私は。だけどそうした影響が今後の高山の観光に及ぼす影響という事を、部長の方はどうお考えなのか聞いておきます。 高原商工観光部長) 私どもの方で詳細な分析とまではまだ至っていないところではございますが、宿泊費につきましても値段・金額が上がっているというお話は聴いております。またその一方で観光業者全般にお金が回っているかというところにつきましては、いろいろなご意見を聞きますと最近はちょっと傾向が下がっているんだというお話も聞きますので、本当に観光客がお見えになって一人一人が落とされるお金というものが市内全体に回るという様な仕組み、一人当たりの落とされるお金が高くなるような取り組みという事は必要かと思っています。 清介) もう少し民間目線で要因分析を細かにしていただきたいなと思います。高山の街の方向性は、今は観光抜きに考えられない。そこがぐらつくような統計の取り方、要因分析では困るわけで、そうした点もう少し配慮をお願いしたいと思います。 Bです。白川村方面への観光客入込数が減ってきているなど、目に見える形での変化が表れています。国内観光客への回帰が言われて久しいが、体験型観光や個人対応の取り組みについて市の見解をお伺いしたいと思います。 高原商工観光部長) 観光客の入込数の状況につきましては昨日もお話しいたしましたが、7月の入込につきましては減少しているというところではございますが、一般社団法人日本旅行業協会の調査によりますと、全国的に貸し切りバスの状況高騰等でバスツアーは低調に推移しておりまして、国内旅行の件数が縮小傾向にある中、旅行形態につきましても団体旅行から個人旅行へとシフトしている状況でございます。中でも女子旅や一人旅、若者の動向が注目されているところでございます。特に体験型観光や絶景めぐりなど、SNSへの投稿を目的とした旅行はマスメディアにも大きく取り上げられるなど、無視できないものとなっております。今後は議員さんおっしゃられますように入込数の増減というよりも、富裕層や若者など今後の将来性を見据えた客層を取り込むなど、戦略的な有客活動を行うとともに地域力を活用した通年型の体験メニューの開発など、飛騨特有の自然や風土、食など高山にしかできない特徴ある観光地づくりをこれまで以上に進め、一人一人の五感に響く飛騨高山の本来の良さを知ってもらえるような場面を多く提供していく様な取り組みをしたいと思っております。また、新たな手法として需要の拡大が著しいインターネットやSNSを有効活用した誘客宣伝を官民一体となって行う事や、ターゲットや戦略を明確にした企画を推進するなど、きめ細かな取り組みを展開していきたいと思っております。 清介) 誘客ターゲットの絞り込み、誘客メニューの多様化、個性ある高山観光の在り方。それには行政の助力も必要です。何をもってそうした外郭を整えてやれるかという事については、補助メニュウーもしかりです。但し官民一体となってどんなメニューが喜ばれているかの調査、方面別の若い人たちの動向、こういったところの調査を欠かさずやることが必要ではないかと思います。先ほど読んだ下呂の宿泊観光の20%増など、愛知、岐阜、三重3県の若い客層の動向だけで20%増えたと言われる。これは若い人たちのネットワークでそうした口コミのうわさ、誘客メニューの多さ、そういうものに感動されての宿泊が多くなったのではないかと思います。決して宿泊業者の皆さんの悪を言っている訳ではありません。そうしたところに官民一体となってきめ細かな調査をするところに、誘客メニュウーの多様化ができる。海外の皆さんもターゲットが違ってきているという調査がこの間出ました。今は買い物動向調査を見てもイギリスやスペインといったお客様方が、もう中国のお客様よりも高額の消費をトータルではしていく。但しその内容は全く真逆の方向性でありまして、そういうところにターゲットを絞るという事は、今言われた個性的な旅の演出、素言うところにつながるのではないかと思います。この点につきましてはまたきめ細かに対応していただきたいなと思います。 Cとして「市民税データから推計した地域所得の推移を試みたが、平成17年度比で96%と未だ水面下を脱しきれていない。観光客入込数だけを目標値とする観光政策は限界なのではないか。その経済波及効果についても実態を伴ったものなのか。地域所得の向上に結び付いていない現状をどう分析しているのか。」という事を問いかけておりますが、先ほどのこちらの方の内容です(冒頭にグラフで示した地域所得の推移比較資料)。どういった方法で地域所得を導き出したかというと、欄外にも書いておりますが、地域所得は国民所得をベースに平成17年度なら次年度、平成18年度の市町村民税、高山市でいえば市民税、所得割・法人税割の総額を全国比で案分して推計した数字を、指数に置き換えてグラフ化したものです。こうやって見ると高山市は未だ平成17年度比で96%の段階に頭出しができていない。水面下で頭出しができていない。という状況になっています。このこと一つを見ても数値は間違っていなくても、なぜここに反映できないかの要因分析はやはり産業経済分野のヘッドクオーターである商工観光部が責任をもって分析する必要があるのではないか。これは市民税ベースを頭に置いたというところが各自治体との比較ができる。そういう数値であります。個別には国民所得動向、県民所得動向、市民税所得と発表はされてはおりますが、その3つの指数の間にタイムラグがあるので、速報性がある市民税の動向を基本として、そこから地域所得を推計するというやり方で、これはやはり私が編み出したものでもありません。日経グローカルである研究者がこういった方法でも地域所得というものを推計できると発表しておりましたので、年度を変えて平成17年度からということで同じような集計を行ってみましたが、ほとんど研究者の発表した数値と変わっておりません。こういうところが先ほどから申し上げますようになぜこんなところにギャップが出てくるのか。じゃ1,000億(円)といわれる、平成27年度でも850億(円)といわれる観光消費額がどこへ消えてしまうのか。高山市の観光の在り方の中で何が原因でこうなってしまうのか。というところをきちんと突き詰めて頂かないと、ただ威勢のいい数字だけの羅列で発表してもだれも見向きもしなくなる。そういうところに繋がります。 (日経)グローカルではもう観光客入込数だけを目標値とする観光政策は限界である。観光政策のKPIこれには市民税動向を加えるべきである(と言っている)。これは総合計画の中でもよく議論しましたけど、目標数値をどう設定して、アウトカム指標をどう盛り込んでいくかという観点であります。直接のアウトプットの数字だけを並べても、今市民の納得を得られないというところまで来てしまっている。そういうふうにもわたくしは考えております。 Dにつきましても同じような内容の質問ですので続けさせていただきますが、Dの中で先ほどの地域所得分析の中で比較しておりますのは、一番上が有名なニセコ町、それから次が紫波町、その下が大衡村という事になっております。ニセコ町はスキーリゾートなど宿泊業などの観光収入が他の分野にも波及し地域所得が増加傾向をたどっているという事例で例示されているものであります。また大衡村はトヨタが工場移転で震災後集中的に工場誘致(を受けて)を進めた自治体として有名であります。明らかに平成25年以降数値が跳ね上がって地域所得の向上につながっている。また紫波町は公共施設を集客装置として地元の商業機能がうまくかみ合ったまちづくりを展開し、そうした成果がこうした地域所得に繋がっている。上昇につながっている例で紹介されているものです。私の数値分析でも同じ様な傾向でありますし、研究者の数値でもそうした事が報告されています。高山市が100%(の水準)を水面下に浮かび上がれない中で、こうした地域活性化策が地域所得(の向上)に繋がっているという自治体があるという事も驚きですが、やはりその所は比較分析をして我々に何が足りないのか(考える必要がある)。 高原商工観光部長) 議員ご指摘のように観光消費額の推移という事も重要なポイントと思っていますが、様々な観点から分析をすること、また実際に地域所得の推移を表を見させていただきますと、このような状況という事はいろいろな分析ができるという事は思っております。今年度は産業連関表等の事業も進めておりますので、今後市内の産業がどういう形で地域経済に影響を及ぼしていくのかを分析をしたいと思っています。 また、5番目のご質問でございますが、こちらのほうのセコ町や紫波町、大衡村につきましてもいろいろと状況は見させていただきました。一過性のイベントなどの実施につきましては集客を集めるだけでなく知名度を高める目的もありまして重要であると考えておる一方、議員仰せのとおり通年で一年を通して飛騨高山に観光客を集め、又その方々に消費をしてもらうための仕組みづくりを作り上げていくことも地域所得の向上につながる為には大切なことであると思っております。市はこれまでにも地産地消への取り組みや飛騨高山ブランドの推進に取り組んできたところでございます。今後も地域の特性を生かした、効果的な地域力のある取り組みを進めてまいりたいと思っております。 清介) ここに例示をされた様な、3自治体の様な傾向が日本全国に多々あるわけではありません。たまたま例外的にこうした活性化策が地域所得の向上に結び付いている。これは自治体単位が小さい、そういうところにも要因はあると思います。それから外部資本によるテコ入れが企業誘致という形で表れたところもあると思いますが、注目したいのはこの紫波町の、行政の施設整備、公共施設が集客装置となり民間の商業機能とうまく合体して地域を活性化させている。こういう事例我々はもっと見習うべきではないかと思っています。それは(合併後広くなった)大高山市そのものにも言える事であり、八戸(市)でも行われていたように、集客装置としてのハード面の整備は公共施設をまちなかにおいてまちなかに人を集める施設として活用していただく。その他の商業機能、儲けて頂くにはあなた方民間で自由にやってください。これが青森県(青森市の商業施設)アウガの失敗例、公共施設の整備、中心市街地活性化のハード整備事業で失敗した事例の反対事例として今脚光を浴びている、公共施設と民間施設の協働というそういう形。我々の地域でもこれから可能であろうと思います。また、中心市街地ばかりでなく支所地域の活性化というところ、これは今でも非常に問題になっております。そうした事の事例には公共施設が集客をするその地域の人たちの生活を潤す商業機能が発達するというところも、もう少し支所地域のテコ入れ策としては利用できるのではないかと思っています。私どもは10月になったら視察をさせて頂いて学んで来ようと思っています。5番目(の質問項目)では、地域の稼ぐ力というものをどうやって見るかという事を問うていますけれども、この地域の稼ぐ力の源泉というのを考えますと民間活力のさらなる高揚しかない、そのように思っています。このところは他の方でもう一度問いたいと思います。 E番目として産業連関表これについて伺いたいと思います。「産業連関表による実証的根拠に基づく産業経済政策の展開が待たれるが、地域産業構造分析を試みたのちまず何から着手することになるのか。その政策課題は」としております。その辺のところのお考えをお聞きしておきたいと思います。 高原商工観光部長) 地域経済の人・もの・かねの流れを客観的に分析・評価いたしまして、地域の特性や強みを活かした効果的な施策がつながることを目指しまして、今年度より高山市の産業連関表を作成し、地域経済構造を分析する取り組みを行っているところでございます。現在はその分析のため市内の事業所の皆様に販売・仕入れなどの状況につきまして、高山市の経済構造に関するアンケート調査にご協力をいただいているところでございます。これらによりまして出ました地域経済分析結果につきましては、報告書として取りまとめて頂くとともに、シンポジュウムを開催し市内事業者、市民の皆様に広く周知をしていきたいと思っています。また地域経済構造分析によって見出されました地域経済の課題に対して、職員自らが検討し施策を立案出来るよう、まずは産業連関表による地域経済構造分析の仕組みや、内容を理解するための研修を行います。来年度は経済波及効果や雇用波及効果などのシュミレーションをする産業連関表の活用方法を学ぶ研修を行い、具体的な施策の展開につなげて行きたいと思っております。この様に市内事業者、市民の皆様が高山市の経済の流れに関心を持っていただき、地域の外からお金を稼ぐことや、地域の中でお金が循環する経済波及効果についての意識の醸成をしていきたいと思っております。 清介) その成果を待ちたいと思いますが、早急にやらなければならないこといくつか挙げて来ております。高山市の経済そのものの波及効果、こうしたものを高めるには産業連関表、地域経済構造分析の手法からいきますと、市内自給率を高める必要があるという事が言われています。しかし市内自給率という観点に絞って考えますとやはり県内、国内そうした枠を広げないと調達できない問題沢山抱えております。そういう中では対事業所サービスの市内供給体制、こうしたものをもう一度見直して指導していただくこと。そういうところの意識改革を商工課はしていただきたいなと思います。対事業所サービスの中身はなんだと。リースでありますとか広告、設計、警備。この地で出来る対事業所、ここで活動していただいている経済団体、その側面的支援をするそういう調達率をあげることであるというような事が言われていますので、この辺のところはしっかり対応していただきたいと思います。それから現下の情勢では人材不足がたくさん言われています。では地域経済構造分析から雇用誘発数の推計という事が出来るという事が言われています。これは生産誘発額、一つの事がすみますと次々と連関していくのが産業連関表による経済分析ですが、その生産誘発額を就業者ベースに換算したものといわれています。この辺のところはしっかりと捉えて、市内企業の皆さんにお知らせをする中で改善に向かう。そういった指導を(していくことが)商工課の役割ではないかと思っています。もう一つ付加価値誘発額の把握。これは先ほど来申し上げておりますが、経済波及効果の推計をしようと思うと市内総生産額いわゆるGDP(を)どの程度押し上げていくことができたのかという観点の分析が必要です。そういう事のためには生産誘発額から中間投入額、これは産業連関表の特殊な言葉ですけど、それを差し引いたものそれが付加価値誘発額の推計であるといわれています。この辺のところも検証をすることをお勧めをして、取り組んでいただきたいなと思います。 続けますF、「合併後の地方税収は足踏み状態であるが、その中の固定資産税、都市計画税が低下している事に危機感を持つことが必要なのではないか」。G番「本来関連性のある地方税収と観光消費額のギャップをどう分析し克服していくのか」。という事を通告しております。先ほど地域の稼ぐ力という事を述べましたけれど、高山市の税収データでその稼ぐ力の指標として活用できそうなものは、市民税であり固定資産税・都市計画税の推移であると私は思っています。決して都市計画税、固定資産税がすべて ダイレクトにそれに答えるものではありませんが、指数としてはそうしたものをカウントしてみる必要がると思います。そういう事をやはり平成17年をベースに指数として捉えてみました。市民税ベースが先ほどの集計は(国民所得ベースでの按分を)加味したものであったため、水面下でありましたが、この市税だけを見ますと平成17年ベースで103という風になっております。微増という状況です。 ところが地方自治体の主要課税費目であります固定資産税、都市計画税、86.8%まで低下しております。これは都道府県と違って基幹税収科目として捉えられているのが固定資産税、都市計画税。この事の思いは少しどう捉えておられるのかお聞きをしておきたいと思います。私はここまで低下してくると本当に高山市の税収そのものに影響はないのか(心配しています。)前にも高山市の地価の動向をどう考えるのかという指摘もし、経済政策の中でどう捉えていくのかということを指摘をしておきましたけど、ここまで如実に下がって来ると、本当に高山市の財政今後大丈夫なのか、そういう事も併せてお聞きをしておきます。 現場で地方税収と観光消費額のギャップ。一方ではこれだけあるんだと言われる。しかし地方税収は伸び悩む。経済の波及効果はまだ水面下で右往左往している。このギャップの問題、担当部署としてどう捉えておられるのかお聞きをしておきたいと思います。 亀山財務部長) 合併後の地方税収の状況、あるいは今後の財政面でのというお話がございましたので、私の方から先にお答えさせていただきたいと思います。合併後の財政・地方税収の動向につきまして、とりわけ固定資産税や都市計画税が減少していることについては、真摯に受け止めなければならないと思っておりますし、財政面につきましては今後の財政運営への影響を危惧しなければならない状況にあると感じております。少しご質問の趣旨とは趣が違うお話になろうかという事も思っておりますが、先ほど地域活性化策が地域所得で評価という様なお話がございました。今ほど話題になっております固定資産税の動向につきましても、ある意味まちづくり施策のストック面という側面からその評価という形で捉える事ができるのではないかというふうに私どもは考えております。例えばまちづくり施策により 雇用が増え、人口が増え、宅地造成が進むという様な事になれば、土地の評価額が増してまいります。あるいは観光振興という事で捉えるのであれば年間を通じて観光客の皆様がお越しになり、宿泊業が充実し提供するサービスの食材とか特産物で地域のものが消費されるという事になれば、地域の生産額も向上いたしますし、結果として街の魅力みたいなものも高まり、土地の価格も高まり稼ぐ力という様な言葉もございましたが、土地の稼ぐ力も高まり土地の価格が上がるという様な事で固定資産税に反映してくる。結果的にタイムラグはあるかと思いますが、そういう事だろうと思います。課税当局といたしましては市民の所得水準を示す住民税という事もございますが、固定資産税につきましてもまちづくり施策の中でしっかりその動向をとらえていくことが肝要であると考えています。 清介) まちづくりと関連する税収の動向、今言われましたように人口動向もございます。人口が減少していく中では大変難しい問題を抱えております。先ほどから言っております観光動向、本当にダイレクトにそこに結び付けられるのかという事もあります。その派生先の一つが固定資産税、そういったものに及んでいるんだと思います。じゃどうしたら良いんだといったらご指摘いただきました。総合的なまちづくりの政策の中でそれを正していく。気づきとか振り返りこれがやっぱり大事なんじゃないかと思います。一度方針は決めますけどその時々でそうした指数をきちんと把握して、データを把握して自分たちの気付きに持っていく、それから施策の見直しに持っていくことが大事なんじゃないかと思います。 少し時間を取りましたので次の質問に移ります。 2番目として「中心市街地における暮らし方とそのインセンテイブ並びに民泊の動向とその問題点について」と通告しております。一つには@として指摘をしております。空き家の発生が転売に繋がり所謂管理されない民泊が発生するという連鎖反応が起きている。本市でもその懸念が広がっているのではないか。周辺住民の不安も届いているが今後市はどう対応されるのか。と通告しています。昨今ゲストハウスという格安の宿泊形態(は)私どもの周りでも大変増えてきております。きちんと管理されているゲストハウス、いくつも見ておりますし、それはそれで観光客の皆さんにも支持されて急激に伸びてきているという事があります。ただ皆さんがそうしたものと混同されて管理の行き届かない民泊と混同される場面もあると思います。またゲストハウスとして営業していてもかなりの部分宿泊業法等の関係から、消防法等の関係からグレーゾーン(の中)で営業されてみえる所もあるのではないかと危惧しております。この辺のところ今後市はどう対応されていくおつもりなのかお聞きしておきたいと思います。 高原商工観光部長) 市では民泊施設が近所に存在するという様な市民からの情報提供や、空き家を利用して民泊を始めたという様なお話も複数寄せられているところではございます。空き家が民泊施設に活用されていることは承知をしているところでございます。市といたしましては民泊を始めたいという相談も窓口に来ておりますので、事前に関係機関や近隣住民と十分協議をして問題・トラブルのないように事業を始めるような助言をさせて頂いております。また市の対応といたしましては、上嶋議員への答弁でも申しましたが関係機関の情報共有の場を設け、国の動向を注視しながら市内の現状について情報交換を行い、また市民へも広報たかやま等で民泊に関する相談窓口を周知しているところでございます。違法な物件がというところもございますが、そちらにつきましても関係機関との連携の中で、現状の課題等を把握する中で取り締まりの方も強化をしていただく様に、関係機関の方に話を働きかけているところでございます。今後も現状や課題を把握することに努めまして、市独自の制度整備についても研究して参りたいと思います。 清介) 特区による民泊の容認という様なところは、東京都港区でもなされているという事でそうしたセミナーも受けてまいりましたけど、我々のところそういうわけにはまいりません。やはり行政主導で業界の皆さんとよくお話し合いを(して)頂く、それから周辺住民お皆さんに影響があるなら、そうしたこまめな情報取集で今後とも対応をしていただきたいと思います。このことにつきましては私はあまり知識が深くはありません。但しそういった心配が寄せられるというのは、部長のところと一緒に私に処へも来ておりますので、その辺のところ対応していただきたいなと思います。 2番目として「伝建地区以外でも町家であれ商店街であれ、一定のルールで暮らしを守り活性化で定住を促進する個人や団体には、そのことに対する支援策を創設するなど、暮らしにくさを解消するインセンティブを考える必要性があるのではないか」といっております。もう10数年前中心市街地活性化策の中で、金沢市はエリアを絞って優遇策を設定して中心部への人口誘導を図ったことがございます。今のような問題も結局は高齢化に伴う空き家が増える、人が住んでくれない、そういう隙間をついての問題がいくつかあると思います。住んでもらう事のインセンティブをどう付けていくかの選択肢の一つ、そういう事が問われるのではないかと思っています。一定のルールで定住化を促進するような活動に取り組まれるNPOや地域団体があったら、新たにそういった助成策でも創設をして誘導するインセンティブにする考えはないのかという事を問うております。その見解をお伺いしたいと思います。 東基盤整備部長) これまで高山市のまちづくりは宮川を美しくする会の活動や、町並み保存会の活動など住民主導によるまちづくりが根幹で今まで行ってきました。住民自らが誇りをもって豊かなまちづくりを実現するという事につきましては、その土地の固有の魅力を発信する等、そこを訪れる人たちが満足度をアップすることにつながる事だろうと思っています。こういった活動で一定のルールを住民の方が自らが作られるという事は、大変大事なことではないかと思っています。 現在市内のいくつかの町内会におきましては、市の基準以外で独自で景観基準を定めて、より一層美しい景観、潤いのあるまちづくりに取り組んでいただいている町内会もございます。このような取り組みにつきましては地域の魅力や価値を一層向上するものだと認識しております。私どもといたしましてはその実効性を高めるためには、法的な拘束力も必要であると考えておりますので、美しい景観と潤いのあるまちづくり条例に基づくまちづくり協定制度、建築基準法に基づく建築協定制度、都市計画法に基づく計画制度等が考えられており、今後もこうした制度を活用していただくことで地域の居住環境が守られていくよう支援していきたいと思います。 清介) 今言われました様な条例その他に基づく窓口規制、それも一つのインセンティブであります。但しそれを乗り越えて住んでいただくことに対するインセンティブ、これから必要な考え方ではないかと思います。窓口規制だけで今の様な状況が解消できるとも思いませんので、その辺のところは今後の課題として捉えておいていただきたいなと思います。 最後になりましたがB「景観まちづくり刷新事業に盛り込まれた若者活動拠点施設の整備を中心市街地全般に拡大することで、定住と活性化のインセンティブにつなげられないか」という様にしております。今着々と若者活動拠点施設の整備についてはご計画中のようであります。非常に良いことでありまして、文化財に相当する施設をただ保存、保全するだけの文化政策から、それを活用する文化政策の転換であると思っておりますので、非常に力を入れて推進していただきたいと思っています。但しそのことの成果一つとしてインキュベート施設の整備という事が言われておりますが、そうした事につなげられるような(政策の)幅を広げていただきたい。そのことが関連する助成策が伴う事によってまちの定住へのインセンティブになると思っております。この事ついてそこ史お伺いしておきたいと思います。 田中企画部長) 今ご紹介いただきました若者等活動拠点施設につきましては、景観まちづくり拠点施設整備事業を活用して、31年度までに建設することとしております。いったん述べていただきましたけど、下町エリアの使用されていない町家を改修いたしまして、例えば学生のフィールドワーク、サテライトキャンパス。また若者が趣味やサークル活動、交流の場などに活用。合わせて景観に配慮した美しい町なみで古い町並みを整備しようというもので、現在内容を検討しております。この拠点施設をきっかけに、下町エリア以外でもまちなかに若者が集まったり、まちづくり活動に関わったりするケースが増えることは、若者の定住を促したり街が元気になる必要な要素でございますので、どのような事に取り組むべきかを考えてまいります。 |