平成30年度高山市第八次総合計画見直し年を見据えた高山市の課題
一昨年来訴え続けてきた今後のまちづくりの課題について
 これまで2年間、一般質問や委員会活動を通じて、市政運営上の諸課題について幾つかの論点で指摘してきたつもりです。
 ・まちづくり基本条例の制定と地域内分権の必要性
 ・街の回遊性を高める観光街づくりの必要性
 ・観光消費額の波及効果と連動しない地域所得の動向
 ・セグメント分析(事業別・施設別分析)と八次総後期計画への課題
 ・高山市全体のりーデイング産業の育成と支所地域の産業振興について
 ・組織改編と経営戦略及び産業経済分野のヘッドクオーター
 ・まちづくりの基礎単位としての小学校区とまち協の運営単位
 ・水道事業の今後の展望(下水道事業の企業会計移行と上水道の包括委託への移行について)
 ・オープンデータ、ビックデータの活用と産業連関表作成による根拠ある政策形成
 ・市民と市長をつなぐ補佐役として、職員と市長をつなぐパイプ役としての副市長の役目
 ・ごみ焼却場建設問題における住民同意の在り方、並びに行政の内部統制
等です。
 その方向性を実現するためには、次のような改革の方向性が必要と考えます。
 1.八次総後期計画へ向けた検証と見直し、並びに総合計画とそれに即した個別計画の在り方。
 2.支所地域の地域振興に必要な個別計画と都市計画への位置づけ。
 3.まちづくり基本条例の制定と地域自主組織の位置づけ
 4.著大事業における内部統制の確立とリスク管理の徹底
 5.合併10年の検証と現状分析に基づく支所と支所地域の地域内分権
 6.観光の波及効果を実感できるエビデンスに基づく政策の立案

 そうした中にあっては、もう一度市政の現状を税収といった面から「見える化」して皆さんにご覧いただきたいと思います。
 合併を通じで高山市はどう変化してきたのか、そこから見えてくるものは何なのか、どこをテコ入れしてどう修正していく必要があるのか。皆で考えていかなければならない問題です。
 もちろんその前提としては、今後より深刻になる人口減少化社会の到来です。公共施設総合管理計画であるとか地域総合戦略に盛られた課題はありますし、介護・福祉分野の充実と少子化対策等々各個別計画の在り方、組織の改編や思い切った統合の問題もあり、漠とした不安を将来に抱えています。
 又、観光政策の分野では、もっと飛騨という単位を前面に出して実行しなければならない課題があるとも考えています。
 何はともあれ、今回は改めて合併以降の税収面から見た高山市の現状を、「見える化」してみます。
高山市合併以降の年度別市税収入の推移
私は毎年経年比較による財政分析をHPに掲載し、年度別財政の推移を見て頂いていますが、今回は自主財源としての高山市税収の分析を、年度別に収入額、収入率、課税義務者数をグラフ化してみて頂きます。副次的には平成17年度を基準とした指数についても見て頂こうと思います。観光という面の華やかさが喧伝されますが、社会・経済状況の変化に高山市が抱える問題も見て頂けると思います。
今回新しいH29年度決算資料で改定しました。分析資料についてはこちらをご覧ください。
市税全体
個人市民税
法人市民税
固定資産税
都市計画税
軽自動車税
市たばこ税
入湯税
税柔構造の見えるかから見えてくるもの。
 今回は税収構造の現状分析といった観点で見て頂きました。今後を見据えた中での大切な観点は、人口減少化が続き経済のパイの拡大が見込めない中、その持続可能性を求める自治体経営の時代に入ったものと認識しています。
 その中での産業・経済政策の在り方、公共施設の管理の在り方、自治体財政の在り方、地域内分権のおありかた、地域福祉の在り方が問われてきます。
 自治体はそうした中でいつまでに何に取り組むのかを明示し、そうした政策運営の結果は市民生活の上でどの様なプラスの効果をもたらすのかまで市民に説明していく必要があります。所謂アウトカム指標の設定とそのプロセスの明確化です。(そうした面では総合計画とそれに即した個別計画の位置づけの問題といえます。)

 またその中では行政の説明責任と訳されるアカウンタビリテイーの問題があります。結果責任を取れない行政のあいまいさが見え隠れする中では、市民の同意や賛同といった面で批判されるばかりです。そうした例としては今回のごみ焼却場新設問題もその範疇に入ります。15年間の準備期間がありながら当初予定していたH30年度完成の約束が守れず、10億円を追加支出せざるを得ない性能保証期間の延長などは、その金額もさることながらその責任については厳しく問われる事例です。政策決定のプロセスが未熟だっただけの結果ではないかとも考えます。

 自治法改正による行政の内部統制の問題は、その根本には行政の危機管理体制の欠如、リスクマネジメント体制の欠如がその要因と指摘されています。
 不測の事態への対応は事前に考え用意しておくリスク認識の段階からの問題です。議会での一般質問への回答、常任委員会における答弁、予算決算委員会における答弁でも、その場しのぎ先送りの姿勢では、行政内部での自らの気づきや見直しがないと言っているのに等しいのではないでしょうか。

 議会はそうした面においても、チェック機関としての機能を発揮して審議審査に臨む態勢を強化していますし。今後ともそうした姿勢に力を注いでいく所存です。