平成17年3月議会一般質問
私的な反訳による速報です。正確には議事録によりご確認下さい。尚一問一答方式で掲載致しております。
質問の背景と要点
・中心市街地の活性化策は、商店街対策だけではなく、定住人口の増加へ向けた視点も必要である。またそうした中にあっては、市民参画の体制とそのフォローアップ体制の充実が欠かせない。
・そうした視点で捉えれば、まちなか居住の支援策助成策が不可欠。
・義務的経費・繰り出し金の増高といった点で何か対応策はあるのか
・先延ばしにされていたペイオフがいよいよ実施される事になった。市の公金管理の体制を示せ。
通告内容
1.中心市街地活性化計画の見直しについて
 ア.現状における商店街活性化対策の限界
 イ.交流と定住の促進をもうひとつの政策の柱に
 ウ.パブリックコメント導入と官民協働による計画の推進体制を
 エ.目標の指標化と検証体制の確立を
2.思い切った地区指定によるまちなか居住誘導策を
 ア.暮らしにくさの解消への助成策
 イ.青空駐車場等の低未利用地の活用へは優遇策を
 ウ.事業者等を巻き込んだネットワークの構築を
                             市長中心市街地活性化とまちづくりへの見解
3.財政構造の悪化に伴う対応について
 ア.義務的経費、繰出金の増高に対する今後の課題
4.ペイオフへの対応について                  
中田清介)
 お早うございます。最終日の一般質問に立たせて頂きます。
2月の新聞報道で目についたことがあります。18日には「財政の再建が急務!1兆2584億円膨らむ県債残高。政策総点検本部設置・・・」これらはこのほど船出した、古田県政最初の新年度予算編成に際しての新聞見出しです。
県財政に対する論調は、昨年までとはがらりと変わりました。骨格予算との位置づけながらも、知事自身も財政余力という観点でその弱点を認め、財政再建を謳わざるを得ない状況を認めています。はっきりと潮目は変わりつつあると写ったのは私だけでしょうか。
もう一点、「全総」として知られる全国総合開発計画が廃止されることになったとの報道もありました。高度成長ただ中の1962年から、第5次までの改訂を続けてきた開発優先の政策が、ここに来て転換されることになったとの報道です。
財政が火の車の現在、国土交通省の試算では、道路、鉄道、ダム、下水道、学校などを併せた公共投資の総額を、例えば(毎年)2%づつ減らしていくと、2025年には維持補修と作り替えだけで手一杯になると予測されるとしております。そうした中で国の新年度予算では公共事業費は3.6%の減額であると伝えています。
どちらも、政策の優先順位と本当に必要な事業への絞り込みがなければ、財政は持たない、今何を取り何を捨てるのかの判断が政治に求められている、安易な起債における事業採択は、世代間負担比率を悪化させ、自然と人間の調和を乱すばかりと言っているようでもあります。
 
 合併を実現した私達にとっても、そのソフトランデイングへの今後10年間は、そこに住まいする人を大切にする中で、景観や環境に配慮した便利さと豊かさを実現していく道筋を付ける期間であり、先を見据えた変化への対応が試されているといえるのではないでしょうか。
通告に基づき4点質問致します。
最初に、合併後のまちづくりの課題の一つとして中心市街地の問題を取り上げております。
中心市街地の活性化の問題は、住む人と来る人の問題であり、それをどう位置づけてまちづくりの総合政策として取り組んで行くかの問題であります。高山市の中心市街地活性化計画は平成10年3月に立案以来、様々な曲折を得て現在に至っておりますが、合併を期に見直すべきではないか、その柱としては定住と交流の視点が必要であり、そうした視点から言えば定住といった面で少し政策誘導も必要ではないかと考えております。又、そうしたまちなか居住を推進するといった観点から言えば、伝建群の町並みを守るといった受身の姿勢ばかりでなく、町並みを生む住宅政策という考え方も必要であろうと考えます。その上で役所の事業推進体制、民間とのネットワーク作りをもっと強固なものにする必要があると訴えて2点質問致します。
1.中心市街地活性化計画の見直しについて であります。
中心市街地活性化法制定時の基本的な考えは、居住人口の減少や、公共機能・業務機能の郊外拡散とそれに伴う商業機能の低下に対応する事を目的に、市街地の整備改善と商業等の活性化を2つの柱として、それぞれの基本構想・基本計画が組み立てられてきました。
 これらの問題をわかりやすくいえば先ほど申しました「住む人と来る人の問題」であると言え、その循環をどうするのかと言った問題であったと認識しておりますす。しかしながら、中心市街地活性化法制定時の政治課題は、規制緩和による影響をもろに受ける中心商店街の活性化対策であり、中心市街地の空洞化問題は即商店街の空洞化対策と言った面でも受け取られていたとも言えます。
 その為、総合的な活性化策が準備されていたとはいえ、全国的に見れば商店街対策が前に出た基本計画であったり、車社会への対応を迫られていた中心市街地のハード整備から活性化を推進するといった面が強調された形となった感があります。 ここで浮かび上がった問題は、中心市街地におけるハード整備重視の活性化策や、ゾーニングによる大型商業施設の抑制と誘導等といった政策手法が、それ自体では大型店問題の解決と中心商店街の活性化策には結びつかなかったばかりか、むしろ中心市街地では空洞化が進み、青空駐車場等の低未利用地が増加している状況でもあります。
 こうした経過はありますが、観光都市としての高山は観光資源が市内に点在するといった点に於いて恵まれ、県内でも高い小売吸引力を誇ってきました。
 そうした中で、中心市街地へのバリアフリー投資の推進や商店街整備事業が進められ、ソフト面でも空き店舗活用事業、活性化イベントへの助成、駐車場利用促進への助成等進められ、一定の成果を上げてきたことは事実でありますが、先の商業統計から見ても、平成11年度比で地域の小売り商業の減少率が売上高で−5%であるにもかかわらず、中心商店街では−35%と出ているように、中心市街地での商業機能の低下に歯止めはかかりません。
ア.現状における商店街活性化対策の限界  はどこにあるのか、少し見直す努力が必要ではないでしょうか。
日本政策投資銀行がまとめた、「地方都市における中心市街地空洞化状況の総括」にもあるとおり、高山市の現状は観光に活路を見いだしてはいるものの、中心商店街は衰退する部分に位置づけられていると認識しております。商機能だけではない空洞化への対策が求められていると言え、住まいすることの問題解決はその一つの重要課題です。
 私は昨年3月議会において、高山市第6次総合計画の最終年度の課題として取り上げて、この中心市街地活性化の問題を質問致しましたが、その中で金沢市のまちなか居住政策についても触れております。
 そうした中で、本年2月7日旧「しんせい」の研究課題として取り上げ、金沢市の担当者のお考えを聞く中で調査もして参りました。
 金沢市は40万都市であり、高山市とはその経済基盤も行政規模も大きく異なる都市ではありますが、まちなかへ人を集める仕掛けや工夫の上に、交流人口を増やしてまちなかの魅力をアップするとともに、人がそこに住み続けることの出来る施策の充実が必要であるとして、「交流と定住の促進」を中心市街地活性化計画の中に位置づけ、中心市街地の底上げを図る総合政策として推進する中で、まちなかの魅力をアップするソフト面の施策充実へと政策を転換しておりました。
 観光を柱とするまちづくりを進める高山市に置いても、こうした政策面での位置づけをはっきりと打ち出す必要があるのではないでしょうか。
イ.交流と定住の促進をもうひとつの政策の柱に 位置づけることは、これまでの高山市の中心市街地活性化計画にも盛り込まれているところではあります。しかしながらそれをどう位置づけて誰がどのようにしてその事業化に取り組み、いつまでにどう成果を上げていくかの視点が明確にされていない点が問題といえます
 高山市に置いては多くの観光資源が市内に点在する中で、「誰にも優しいバリアフリーのまちづくり」や「ウオーキングシテイ構想の推進」が今後の施策の中心に位置づけられる中にあり、それらは中心市街地活性化計画にもはっきりと連動する施策であると認識しております。一方、観光の質の転換がいわれる中にあっては、そこに住まいする暮らしぶりや文化の懐の広さが求められています。住まいしてこそまちであり、まちなかに定住を促進する中で活性化を図る視点が欠かせぬ課題であると考えます。そうしたバックグランドの整備の中で、商を取り巻く環境の新陳代謝を促し、中心市街地の底上げを図っていくことが必要です。その点において中心市街地活性化計画の見直しは急務であると考えますが、理事者の見解を伺っておきたいと思います。
 ウ.パブリックコメント導入と官民協働による計画の推進体制を
 エ.目標の指標化と検証体制の確立を

としております。縷々述べて参りました、確かに高山市に置いても基本構想・基本計画が策定され、実施計画・中期財政計画の中で毎年のローリングにより見直しされる中で、必要な事業量・予算が決定されてきたといえます。
しかし、次々と計画や新たな考えが打ち出され、それをも計画の中に包含し、かつ国の補助事業対応も見ながら機動的に見直しや変更を取り入れなくてはならない実情の中では、市民との連動、市民参画といった面で少し問題が出てきておるのも事実です。
 事業の立ち上げ段階に於いて推進委員会や検討委員会、審議会等に図られ計画が立ち上げられてはいますが、市民への情報開示の必要性が言われ、広範な市民のバックアップが得られない状況で、事業だけが一人歩きすることの危険性や失敗例は今までにもあったはずです。又、事業計画期間中のフォローアップ体制は、何かの問題に突き当たった時に、その問題解決にあたる調整機能としても必要なはずでもあろます。
 そうした点を考えれば、事業推進にあたって市民の意見をくんだ最終決定を行うパブリックコメントを実施することは、事業の推進体制を確固としたものとするはずですし、ネットワークを構築する中で官民協働の推進体制を組んで行くことの大切さは、事業のフォローアップを確固としたものにする為に必要不可欠な体制作りと考えます。
その上で、目標の指標化を計画の中で位置づけることは、こうした官民協働による事業推進においては不可欠な要素であります。行政内部の事業評価と外部の検証を結びつける中にあっては、一つの共通の物差しとして市民に公表していく重要なツールと考えますが、理事者の見解を伺っておきたいと思います。
 ちなみに金沢市の定住と交流に関する指標化を紹介しますが、[定住目標]びついては @重点整備地区人口の社会動態(増減差)をプラスに転じさせる。 Aまちなか区域の新規着工住宅戸数を今後5年間の累計2500戸 (年間500戸)をめざす。
[交流目標]といたしましては@ 主要商店街の歩行者通行量をプラスに転じさせる Aまちなかの主要交流施設のべ入場者数300万人達成 といったもので、誰の眼にもわかりやすく毎年その検証が行われていることを付け加えておきます。 次ぎに
2.思い切った地区指定によるまちなか居住誘導策を と通告致しております。
 中心市街地においては、定住が必要な要素であると訴えて参りましたが、それではどうしたら良いんだと言うことになろうかと思います。
 商いの機能充実のことでも言いましたが、新規参入者を誘導するまちなか居住政策や、新たに住まいする空間として町並みを整え、再生していく住宅政策が必要であり、積極的な居住誘導策をとらない限り、冒頭の「住む人」の問題解決にならないと考えます。高山市における思い切った地区指定については伝建地区以外にも門戸を広げる必要があり、現在の中心市街地活性化計画の中での活性化区域として指定してある中でも、JR高山線の東側部分をそうした重点地区指定して、定住への助成策を充実してまちなか居住を推進していってはどうかと考えています。
 ちなみに、金沢市ではまちなか居住への推進策として、重点整備地区や都心賑わい再生区域を指定し、まちなか住宅リフレッシュ支援・まちなか住宅建築奨励金・
まちなか共同住宅建設費補助・まちなかにぎわい定住促進制度補助金・オフィスビル住宅転用整備費補助等の独自策や、国の助成制度への上乗せを実施するなどに取り組んでおります。 こうした体制全て高山市に於いても取り入れろとは申しませんが、高山市における中心市街地活性化区域内においても、こうした思い切った地区指定の考えがあっても良いのではないか。今そこにある町屋を再生して新たな居住への支援策を整えたり、今ある虫食いの低未利用地を活用して新たな住まいの対象として整備して町並みを生む努力が必要なのではないでしょうか。
 又、住む人の問題からいったら全ての人が郊外居住を求めているとばかりはいえず、単身赴任者や低廉な家賃でのまちなか居住を望む若年層やUターンIターンの単身者といった設定も出来るわけですから、その為の居住誘導策を充実すべきだと思うのですがどうでしょうか。
ア.暮らしにくさの解消への助成策 としては、水回りや駐車対策、ファサード整備と言った直接的な助成策ばかりでなく、食と買い廻り品の利便性向上への配慮やその施設整備といった点の助成策や、商店街機能の充実といった点の配慮も必要でありますが、医療や文化といった点においては、コンパクトシテイとしての要件を満たしている高山の中心市街地です。金沢市で言う「まちなか住宅リフレッシュ支援」や「まちなか住宅建築奨励金」制度を取り入れれば、かなりの部分が解消されるはずと考えますがいかがでしょうか。
イ.青空駐車場等の低未利用地の活用へは優遇策を としておりますが、高山市の
現状に置いてもそうした観点から見れば、先に述べました重点地区として指定したい地区においては、こうした低未利用地が多く点在している現状であり、それらの活用が優先して実施される中で、活性化への道を模索されるべきとであり、同じ助施策であっても、低未利用地への助成には特に補助率のアップなどの上乗せ優遇策をとることが必要と考えていますがいかがでしょうか。
ウ.事業者等を巻き込んだネットワークの構築を としておりますが、行政が政策誘導でまちなか居住を推進しても、市営住宅を直接手がけない限り、民間の事業者の協力がないところに事業の成果は生まれないといえます。事業の推進体制、フォローアップ体制と言った観点からいえば、まちづくりの専門家集団や不動産関係・建築関係等の事業者の皆さんとのネットワークづくりが必要であり、連携する中で政策誘導の実をあげる体制作りが必要であると考えます。
 以上、2つの観点から中心市街地の問題を取り上げましたが、理事者の見解を伺います。 1回目の質問とさせて頂きます。
岡田基盤整備部長)
 現在の中心市街地活性化計画は、議員もおっしゃいました様に高山地域の中心市街地エリア213h aを対象区域として、平成10年度を初年度とし、平成20年を目示として定めています。
 今回市町村合併したことにより、対象地域をどう捉えるのか、基本方針や整備目標をどうするのかが大きな課題となっています。
 これらの課題を踏まえ、それぞれの地域の商店街の特徴など新高山市全体を調査したうえで、中心市街地のエリアや計画内容の見直しが必要であると考えております。
 次ぎに定住と交流というご質問でございますが、
 現在まで「高山駅周辺整備事業」「宮川河川環境整備事業」「バリアフリー事業」などのハード事業を中心として、「商店街機能強化事業」やあるいは「商店街を担う人材の育成」などのソフト事業を織り交ぜこれまで進めてまいりましたが、中心市街地の活性化には人が集まり交流する場所や演出が必要で、中心市街地の定住人口の増加施策なども重要であると考えておりますので、今後、見直しにあたってはこのような点も考慮して検討していきたいと考えております。
 見直しに当たりましての、官民協働・連携と言うことでございますしたが、現在の中心市街地活性化基本計画は、庁内に推進委員会を設け、また、学識経験者・各種関係団体の代表・消費者モニターなどで構成する検討委員会を設置し策定しました。 見直しにあたっては、議員のご意見や他都市の事例等を参考に調査、研究し進めたいと考えます。
 それから目標に指標化というお話でございますが、近年国・県におきましては、各種事業の計画にあたり「事業評価」を実施する事が重要であると言われており、特に具体的な数値目標を持つことが求められています。納得できる成果が達成されたかどうかを絶えず評価しまして、その結果を踏まえた施策の実施を進めるなど客観性を重視した評価が重要となってきており、今後の計画にあたってもこれらの事を念頭に検討して参りたいと考えております。
 2番目の思い切った地区指定によるまちなか居住誘導策というお話でございますが、中心市街地の居住誘導策につきましても今後、議員のご意見や他都市の状況等を参考に研究していきたいと考えます。
大洞産業振興部長)
それでは私の方から商工関係の考え方についてお答えさせて頂きます。
 商店街振興の取り組みにつきましては、先ほど議員おっしゃいましたように商店街活性化対策として、現在、空き店舗活用事業への助成、まちなかの活性化イベントヘの助成、駐車場利用促進事業あるいは街路灯等電灯料の助成など、さまざまな支援を行い、私どもも一定の成果を上げていると考えています。しかし商店街は今非常に厳しい状況にある、厳しい環境にあると言うことは充分認識しており、先ほど議員おっしゃいましたように、商店街は、ショッピングの場所だけではなく、市民がつどい、人と人とがふれあい、交流する場所でもあり、その中で営まれた生活空間はひとつの文化として大切なものであると思っております。そういった中で高齢化社会の中野商店街、あるいは観光客との交流の中での商店街というのはどうあるべきかを充分に考えてならないと思っています。
 国もまちづくり3法を作りましたけれども、地域の実情にあっていないという部分もありまして、一部見直しをするような動きも出ております。又、規制の問題でありますが、まちづくり条例とそれに基づく指針を2月1日からを全地域を対象として、大型店に対する指導が出来る体制も整えたところでございます。
 今後も、商店街活動を支援していくとともに、総合的、長期的な視野に立ち、先進都市の取り組みなども参考にし、商店街の皆さんのビジョン、市民の意見も聞きながら、商店街の更なる活性化を進めていきたいと考えています。
私ども、今17年度には産業振興ビジョンを策定するように準備を進めております。商店街を含めまして中心市街地の活性化につきましても、この中木含めまして盛り込んでいきたいと考えておりますのでよろしくお願いいたします。

中田清介)

 それぞれお答え頂きました。中心市街地活性化の問題をどのように全市的な問題・課題であると認識して、どう位置づけていくかいうことの難しさが今言われておる。そういった感じがしてなりません。苦境に立つ商店街対策ばかりでなく、高山市の中で、中心部の持つ求心力がどのように全市を引っ張っていくのか住まいすることの大切さはその中で問われていると思っています。
 合併後のまちづくりを考えたとき、求心力ある中心市街地の形成は必須要件であり、まちなか居住の問題は避けて通れない課題であるとにんしきしています。
 昨年一般質問で取り上げてより、私のもとへもネットを通じて、まちなか居住についての提言もいただいております。少しご紹介しますが、「まちなかに新たに町並みを生む為には、ファサード整備を伝統を活かした形状にある程度合意形成する必要があるのではないか・・・。」「安全安心の観点からは重点地区内の自動車交通には一定の制約も必要、そうする中で風情有る景観とウオーキングシテイ構想が融合されていくことが必要である・・・。」「コミュニテイーの再生の観点からは町内会や祭り、消防団等に積極参加することをまちなか居住や入居条件にしても良いし、家賃補助の対象条件としても良い・・・。」等のご意見であります。
 基本とするところは、総合政策としての位置づけであり、行政においては組織横断型の対応が求められるといった点であります。まちづくりへの強い決意と実践への努力が今求められるといえるのではないでしょうか。
政策体系の中で、民間やNPOにまかせられるところはまかせると言った努力が求められることは確かであり、財政的にも持続できる政策なのか、市民の意向が反映できる体制なのかとの視点が必要なことは、私達の活動指針としているところですが、金沢市で見てきた姿は、市長は制度としてそうした視点に立脚して体制を組んだのであり、担当者は指標化された目標に向かって、市民のため市長の市政経営方針を実現する営業マンとして行動せよと言われているとのことです。一つには、そうした体制が高山市にも根付くことも願っておる次第です。
 一方、ハードからソフトへの転換と言った観点に立てば、税制と言ったソフトインフラの活用との連動も言われております。アメリカのまちづくりのBID(Buisiness Iimprovement District)の様にまちづくりの直接経費を受益者に負担させ徴収出来ない現状では、固定資産税の負担調整による上昇分を、政策的に位置づけて政策経費に充てたり、中心市街地等への課税標準の低減策などをも活用すれば、まちづくりへの民間の意欲を刺激出来る環境作りも可能と考えます。國島企画管理部長には総合的まちづくりの観点で、庁内体制の考え、パブリックコメントと政策評価の考え、税制も総動員した総合政策としてのお考えを伺っておきたいと思います。

国島企画管理部長答弁)
 お早うございます。中心市街地の再生は、土地に誇りを持つ人々が都市活動を支え、地域の文化を発信し、助け合いながら地域の誇りを守り続ける活動を展開することと考えます。
 このような中心市街地は、都市空間として他に対して誇りにでき、また市民にとっても共通の資産としてわかりやすく、人が住み、働き、活動の中心として存在することが重要でございます。その都市空間の整備が都市計画として、公共と民間の相互の投資を伴って進められなければならないと考えます。
 第七次総合計画では、土地利用の方針においては中心市街地では商業機能・情報発信機能・文化交流機能などを備えて、人が住み、集まり、交流する活気にみちた空間の形成をすすめるべきだとしております。
 又、住宅建設の支援におきましては、にぎわいや高い利便性を日常的に楽しむことの出来る、まちなかでの居住を進めるとしておるところでございます。
 ご紹介のありました金沢市のまちなか定住促進施策につきましても、多角的に研究させていただいております。
金沢市が行っている条例制定による指定区域内での、ご紹介がございましたような様々な支援策については、何よりも地域住民・事業者とのネットワークを構築して推進していかなければならない点には、大きな関心を持っているところでございます。
 思い切った地区指定とのご提案でありますが、この点については合併後の市域をマクロに俯瞰し、課題の調整を図りながら対応すべきと考えておりますので、よろしくお願いいたします。
 「パブリックコメント導入と政策評価の件でございますが、現段階では、パブリックコメントに関する条例などは定めておりませんが、これまでの政策を推進していく中では、市民の皆さんのご意見を広く聞く機会を設けまして、実行してきたところでございますし、各種の計画の立案や見直しにあたっては、関係団体のご意見を伺う、専門家の指導を受けながらワークショップを開催する、また市民の皆さんの提案を受けたり意見交換をするなどして、広く市民の意見を反映しながら実施することとしております。中心市街地活性化基本計画の見直しを行うにあたりましても、そうした考え方のもとに進めたいと考えております。
 第七次総合計画の中でも示しておりますように、これからの市政の運営には行政と市民の皆さんとの協働が一層重要視されてきておりますことから、市民参加のあり方や本市にふさわしい手法、また他市の取り組み状況などを踏まえての官民協働の計画づくり並びに推進に努めてまいりたいと考えております。
 目標の指標化と検証体制の確立についても、同様に第七次総合計画では計画行政の推進として事務事業評価制度を示しております。具体的に評価・検証するには目標の指標化は基本であります。どのような指標を設定するかについてはケースバイケースで対応すべきですが、中心市街地の問題につきましては、金沢市で行っている指標の方法も一つの選択肢と思います。
 これまでも議員より一般質問等でご指摘、ご指導いただいておりますことを踏まえ、高山市ではどのような指標化が適切か研究の余地はあろうかと考えますので、市民の皆さんにもわかりやすく、具体的に示すことが大切であろうということも踏まえて、ご意見を頂戴しながら対応して参りたいと考えております。
 政策課題への対応と評価につきましては、全庁的な組織横断連携の求められるところでございますが、昨年決定された、「誰にも優しいまち作り構想」「ウオーキングシテイ構想」2つの地域再生計画の実行を生むような政策課題への対応と評価については、全庁的な組織横断連携が求められるところありますので、総合政策の観点から市民のため市長の市政経営方針を実現できる体制の確立にこれから努めさせていただきます。

中田清介)
3.財政構造の悪化に伴う対応について
ア.義務的経費、繰出金の増高に対する今後の課題 としております。
 今後の財政運営については、2日目の質問に於いて当クラブの今井代表、橋本副幹事長よりそれぞれ見解を伺ったところです。重複は避けたいと思いますが、歳入構造が依存財源に頼る構造へと移行する中にあって、義務的経費の増高と繰り出し金の増高は、高山市の財政構造の中で際だってこれまでと異なる点として浮かび上がっていると言えます。
 特に人件費の問題と公債費の問題は、性急な調整は難しい問題でもありますが、合併効果を上げる中で対応していかねばならない問題でもあります。私は昨年3月議会で合併後の財政運営について伺い、特に退職金問題についても市長から見解を伺っておりますが、財政構造の悪化に対応して合併効果を上げる観点から言えば、2日目の議論から言って、第4次の行政改革大綱を策定し、人件費の抑制に努めなければならない状況ですが、それに努めれば今度は退職金支払いに対する手当をしなければならない、それも有る程度長期にわたり増高していく退職金支払いと見なければならず、その対応も迫られる状況です。前にもお聞きしております退職手当債の発行という状況に追い込まれるのか、有る程度の方向性を伺っておきたいと思います。
 繰出金の増高ですが、繰出金はその性格上一般社会で言う資金繰りの問題であり、長期の放置しておけない性質のものであります国保、老人保健会計への繰り出しなど制度上抜本改正が難しいものもありますが、多くの事業会計を抱えるようになった新市において、問題がないとは言い切れません。合併特例算定の期間内でその縮減に向かうことが出来るのかの観点で見解を伺っておきたいと思います。
 下水道事業会計は総額からいって15億となり、その事業総額や起債総額から言って世代間負担比率の問題も出てくるのかなと感じています。こうした面での今後の財政運営上の見解を伺っておきたいと思います。
次ぎに
4.ペイオフへの対応について 伺います。
 この問題については、平成13年6月議会に於いてその対応を伺ったところです。
当時の世相は住専問題に続く金融機関の信用が揺らぐ中で、ペイオフが先延ばしにされる環境の中にあったと記憶しておりますが、当時はその解禁まで一年を切ったとする中での質問でありましたが、その後の推移の中で本年4月1日まで延期されてきたところです。
 当時も起業の決済性預金をどうするのか、地方自治体の公金の問題をどうするのかと言った議論があり、その対応を伺っったと記憶しております。
当時の財政部長の答弁では、
 地方公共団体がとりうる公金保護として3つに類型化し、対応策を検討する必要があると答弁され、
1として、歳計現金、歳入歳出外現金        
2として、各種基金
3として、制度融資に係る預託金として、2つあり
 直接、金融機関に預金する場合と、信用保証協会を経由して預金        する場合とのことでした。その上で、これらに対します、主な対応策といたしましては、預金債権と借入金(地方債)債務との相殺、指定金融機関からの担保の徴収、債権運用による短期運用などが挙げられておりました。
 また、預託金の場合は、ただ今申しました方策に加え、預託金方式から利子補給を行う方式への変更などが、挙げられております。と答弁され、加えて高山市におきましては、平成12年度から、ペイオフに関する情報収集等を進めてまいりましたが、今回の総務省の「地方公共団体におけるペイオフ解禁への対応策研究会」による取りまとめを踏まえ、庁内での対応策の検討組織を5月に立ち上げたところであり、今後の国・県の動向を踏まえるとともに、地域の実情に応じた対応策を取りまとめていきたい とのことでありました。
 当時とは金融機関を取り巻く環境も改善され、信用力の回復が言われる中にあって、指定金融機関の信用力についてどうこう言うつもりは毛頭ありませんが、合併で大きくなった財政運営についての安全性の問題でありますので、決済用預金の例外規定もある中で、その後の対応と今後の方針を伺っておきたいと思います。

荒井財政部長答弁)
 それでは 財政構造の悪化に伴う対応についてでございますが、義務的経費、繰出金の増高に対する今後の課題についてお答えいたします。
 議員の質問にございましたように、財政推計を今議会で示させて頂きました。大変厳しい財政状況になる者と予測致しております。
特に義務的経費に内で扶助費と公債費につきましては、今後も増高する費目でございますが、人件費につきましては、合併効果により今後減少させていく必要があると考えております。これについては、行財政改革の中で示させて頂くことになります。
  おっしゃるように、人件費をある程度縮小するということは、それに伴いまして退職手当の支出と言うものが出て参ります。現在退職金基金残高は16億6千万円程ございますが、これに対して退職手当債の発行がどうかと言うことについては、特に近々の予算では、退職金を予算化いたします時に、まずその半額程度を退職手当基金からの繰り入れにより財源充当致しておりますが、最終的な決算ではその充当した部分を基金の方へ戻し入れをしております。そうしたことで従前の効率的な井支出運営の中でこういった財源を生み出しまして、結果的には退職手当基金の取り崩しをなくするという形で推移しておりますが、今後もそうした姿勢でこの基金の運用には取り組みたいと思っております。
 ちなみにここ10年間の内には、普通交付税の特例算定でありますとか、あるいは先ほど市長が自ら総務省の方に出かけまして、特別交付税等の陳情に行っておりますが、これについても近々総務省の方から内示が有ろうかと思いますが、こういったものについても予算以上にかなり確保してきておりますので、退職手当債の発行ということについては現時点では考えておりません。
 ペイオフの対応についてですが、
平成14年4月1日「高山市資金管理及び運用基準」を定めました。
資金の・管理・運用と資金の保全を図ると言う内容です。それを受けまして平成14年6月21日条例第4号「高山市金融機関に係る保険事故に対応するための基金条例の特例を定める条例」を公布いたしております。内容は、各基金に係る金融機関に対する預貯金等の債権と金融機関に対うる債務との相殺を行うため、基金を取り崩すことができる特例事項を定めました。
 こうして基準・条例に基づき、資金の預け入れを行う金融機関について、資料の提出や説明を求め経営状況を的確に把握し、ペイオフを含め金融情勢に迅速に対応することとしています。さらに、各金融機関が導入している決済用預金(無利息の普通預金 預金保険制度により全額保護の対象となる)への切り替えで対応することとしています。基本的には全財務部長がお答えしました内容にそって対応したいと考えております。

中田清介)
 それぞれお答えいただきました 。
 都市計画の問題、進むべき方向性、又、その実行をしていく推進体制について少し前向きに捉えて頂きましたようで、今後を楽しみにしておきたいと思います。
 何にいたしましても、「まちを整える」ということは、矢張り(どこかに)回り続ける独楽の心棒としての役割をどこに持たせるのか、その推進力が偏っておった中では、すぐに倒れてしまう。
 高山の場合は観光である、それから地場産業である、地域の生活を守る商業であり、特色ある農業生産(である)。第1次から第3次産業までの産業、そうしたものををきちんと整えられる中で、今後の合併のまちづくりを推進していかねばならない、そうした点に根本があるのではないかと思います。
 今、少し私が感じました執行体制に対する苦言と言った形で、行政の取り組むべき姿勢を言わせて頂きました。2日目の質問でもその辺のところを代表質問の中で聞いて頂いたところですけれども、この中心市街地の問題と市政運営の方針、(並びに)その推進体制についても、土野市長のお考えを伺っておきたいと思います。
 私達の課題は合併を実現し、いよいよ新しいまちづくりに取り組みます。今後その実行力が問われると思っています。私達は合併を楽観視も悲観視もしていません。
「合併は百利あって一害無し」と述べたのは、市町村合併法定協議会運営マニュアル研究会に参加した、篠山市公営企業部長 植田多紀夫さんの有名な言葉です。
「広すぎる事を合併の障害にすることはありません。一歩踏み出す事で、多くの問題は解決していきます。」「難しいと思われる合併ほど努力してみてください。」
こう私達に諭されたのは、私達が(調査に出向いた)(日本で)最初に地域審議会導入を決定した熊本県中球磨5か町村合併協議会事務局長の平野正見さんです。
 合併は改革へのひとつの好機です。新しい議会の構成の中で、議会と議員にかせられた課題は多岐にわたると、私自身自戒するこの頃で有りますが、新しいまちづくりへ向けてプラス指向で議会が取り組む必要があると申し上げて、私の一般質問を終わります。

土野市長)
 中心市街地の活性化計画の問題、あるいは活性化の問題ということは、中田議員おっしゃっる点私も同感でありますが、金沢市とかの先進事例という事もございますので、そうした事も参考にしながら考えていかなければならないと思っております。
 そういった中で、特に中心商店街の活性化の問題も、すでに基本となる大きな課題になる問題であろうと思っています。今までそれぞれ各部長が申し上げましたように、いろいろな助成策を行って元気になってもらおうということでやってきたところですが、必ずしも充分でない面もあったかと思います。
 それから、如何に定住させるかといったお話でございました。
これもなかなか難しい課題でありりますが、重要な課題であると思っております。只、率直に言って商店街がですね、本当にそうした定住者向けの商店街として機能しているのかというと、私は必ずしもそうじゃないという部分があるのではないかと思っています。交流人口に向けてだけで、夕方になればさっと店が無くなってしまうというように、まちに住んでいる人達が買い物しようにも買い物出来ない問題もございますし、駐車場が不足だというのもその通りだと思います、しかし例えばかねて懸案である本町の一方通行化と言うことをやれば、片側通行によって一時的な駐車帯も確保出来るという問題もあるわけですけれども、なかなか二転三転して進まないというようなこともありまして、実態的にはなかなか難しい問題もあるんじゃないかと思っています。
 そういう様なことやTMOのこともありますし、事業者・商店街の方・行政・住民の方々と協力しながら、中田議員がおっしゃったような方向に向かって私どもも頑張っていかなければならないと思っております。 
 そうしたことも含めて、合併後高山市も大変広くなってまいりまして、高山だけが中心商店街、あるいは中心市街地じゃないということになって参りますので、地域社会全体のバランスということも考えながら、出来るだけ良い活性化が出来るよう努めて参りたいと思います。