政策検討市民委員会の設置を期に自治基本条例と市民参画を考える@
 今回、私は6月議会の一般質問に於いて、以下の内容で市長の見解を質しました。
1.自治基本条例制定と市民参加の位置づけ並びに政策検討市民委員会について
 (ア)自治基本条例のあり方はどのように想定されているのか
   ・議会基本条例先行の中で、市民参加条例・市民活動推進条例なのか
   行政基本条例なのか
 (イ)行政運営の中に市民参加をどう位置づけるのか
  ・行政の活動領域と市民参加のあり方
   住民ニーズの把握と政策要望、事前評価、事業評価、行政評価
 (ウ)政策検討市民委員会は具体的に何を担いどう活動をしていくのか
  ・委員会の権限、活動領域、構成人員等
  ・審議会、モニターとの棲み分け並びに検討結果の施策への反映
  ・議会との関係
 意とするところは、自治基本条例制定の意思を表明されている現在、当然市民参画の考えを盛り込まねばならず、行政の活動領域と市民参画の関係、またそうした制度を整える中にあって政策評価等の位置づけを明確にした上で、政策検討委員会の立ち位置を説明していくべきではないか。そうした点で見解を質したと思っています。
 しかしながら議論がかみ合わないところもあり、
國島市長の答弁では「行政運営の中に市民参加をどのように位置づけるのかという点では、最初から最後まで関わって頂く。すなわち立案から評価、最後の検証まで市民の皆さんに関わって頂くべきであると考える。納めた税金の使い道を含め市民が一歩踏み込んで検証する、その循環を作り上げるのが自治基本条例の基本である。政策検討委員会は自由な場の中で議論して頂き参加して頂く、そして最後の検証まで頂く場であるというイメージでおる。」 というものでした。
 私は「市長のいう循環、将にPDCA行政評価のサイクルである。これを上手く循環させるためには、行政内部に評価を受ける基準や体系だった仕組みを整える必要がある。それがなければ絵に描いた餅になってしまう。自治基本条例制定で市民参加を受け入れる条件整備の必要がある。」として、今回の政策検討市民委員会設置には、前提として行政内部に市民参画を受け入れるフレームづくりが必要ではないかと申し上げたところです。
又、亀山市民活動部長の答弁では、「住民自治に基づくまちづくりの基本原則を定める条例であると認識。条例の中では、まちづくりの基本理念や原則、市民の皆様や、議会、行政の役割等を明らかにするとともに、体系的に市民の皆様の参加と協働によるまちづくりを進めていく為の制度や、手続き等について規定する必要があると考えている。
 市の政策等を形成する過程で、市民参画の促進や市の説明責任を果たす上からも、市民からの意見募集手続きをはじめ審議会の設置、市長との対話集会、ワークショップ、情報公開、アンケートなど実施してきた。政策検討市民委員会設置に向けて準備中であるが、今後は自治基本条例の中でどう位置づけるのかも視野に入れ、市民の参加を担保する仕組みとなるように検証を行い、それぞれの位置づけや役割を整理し、また行政の政策形成過程への反映方法についても検討を進めたい。」との見解が示され、手探りの状況であり、後追いで制度を整えていくしかないとの表明でもあったと受け止めました。
 平成23年6月27日の総務企画委員会に於いて、政策検討市民委員会設置について報告があり、1.設置の目的 2.所掌事項 3.組織等 4.スケジュール等が市長公約の抜粋と共に示されています。また、準備会からの提案書、別紙記載の委員会についての提案内容が報告されています。
 この機会に、行政への市民参画と市民協働のまちづくりについて、自治基本条例との関係で改めて考えてみたいと思います。 
1.高山市はなぜ政策評価に及び腰なのか
 私は、平成15年総務委員長として、総務委員会の年間調査事業として「行政評価」を取り上げ、同年7月委員会として臼杵市のサービス評価制度について調査し、2月には 小田原市の「行政資源ポートフォリオ」、高浜市のアウトソーシングについて調査し、3月に「行政評価についての調査報告書」を議会に提出しています。
 特に臼杵市の 「市民参加型サービス評価システム」については詳細に報告を作成し、
臼杵市の取り組みと事務事業評価・高山市の現状との比較において高山市の行政評価導入について、臼杵市のように内部の検証、外部の評価を確立すべきであり、併せて9月決算への移行の必要性を訴えました。
 当時高山市は、平成12年度に定めた事務事業評価のスケジュールが頓挫している状況であり、 「高山市事務事業評価システムについての考え方」を発表していました。
その内容は以下の通りです。
「高山市事務事業評価システムについての考え方」(注:平成12年)
○意義 計画の実効性とその効果を測定し、行政の効率化職員等の資質の向上
を通 じて住民満足の向上を図る。
○目標
@全庁的な事業マネジメント意識の醸成
A計画の実現性と実効性の確保
B事務事業の見直し〜スクラップ&ビルドへの展開
○評価の範囲 総合計画の施策の大綱を中心とする体系に沿って、「予算化された個
別事業の評価→関連する個別事業をまとめた基本事務事業の評価→
施策の評価」という課程を踏まえ最終的には政策(行政)評価へと展開
していく。
○評価システム構築の条件整備
(1)評価対象事務事業の条件:「目標による管理」をベースに「効果の
測定」と「効果の反映」を行うシステム。為に次の条件を設定する。
        @目標及び目標値の設定が可能なもの
        A事業毎の予算化が可能なもの
        B原則として継続事業であること
(2)評価体系の整備:次のように評価体系を整備する。
    @予算化された個別事務事業をその性質により分類整備する。
       実施計画記載事業(リーデイング事業)
       組織・団体への補助金交付事業
       総務管理的事務事業
       他の一般事務事業
     A分類整理した個別事務事業を総合計画の計画課題等にそっ
      て評価体系として整理する
(3)評価調書の設定:わかりやすい評価基準と取り組みやすい評価調
  書を個別事務事業の性質と評価の簡易に基づき設定する。
○評価システムの確立
評価体系の整っている実施計画記載事業評価に取り組み、順次対象
事業を拡大し平成17年度のシステム確立を目指す。
        平成13・14年度  試行期間、平成15年本稼働
        平成13年 実施計画記載事業
           14年 他の一般事務事業
           15年 組織・団体への補助金負担金交付事業
           16年 総務管理的事務事業
                施策評価(総合計画小分類単位の評価)
○評価の手法
次のプロセスを踏まえ実施する。
   @事業担当者の評価 評価調書の作成
   Aグループ内の評価 事業担当者作成の評価調書に基づきグル
     ープ単位で評価。対象事業を相対評価
   B課内の評価   @Aを基に課単位で評価対象事業を相対評
               価
   C評価結果の活用  最終評価の結果を基に事業の見直し等を
             検討し次年度以降の計画(事業)立案に反映
  
というものでした。
 私は当時『高山市の考え方は臼杵市のサービス検証システム止まり、分かり易く言えば内部検証システムの段階の考え方です。 臼杵市ではこれに外部評価:市民の満足度評価を加えて、最終的に事業成果と利用成果の改善を目指している点です。それをスパイラル効果でつなぎ毎年の計画立案にフィードバックさせ、市民へのサービス向上・改善への効果を上げていく事を目標にしています。』と報告しています。
 市民参画による協働のまちづくりの基本というところであったと認識しています。
 私はその後、何度か一般質問で行政評価・政策評価について質問を重ねていますが、時系列で追ってみたいと思います。
 
@平成16年3月議会:合併を見据えた行政運営について エ.行政評価の考え方
國島企画管理部長答弁
  事務事業の評価につきましては、世界経済状況の変化や、それらに的確に対応した行財政運営推進のために、これまでも今お話しにならましたように年度当初や予算編成時における評価を始めといたしまして、庁内会議などでも事業の必要性や、いわゆる効率性などについて随時検証、あるいは評価を行ってきているところでございます。また、合併協議における事務事業の調整におきましても事業の評価を加えた検討をする中で、その調整も行ってきたところでございます。しかし地方分権の推進、少子高齢化の到来、市民ニーズの多様化意識の高揚、財政状況の悪化などによりまして今まで以上に市民に対する行政の説明責任の充実や市民本位の効率的で質の高い行政の推進、あるいは市民の視点に立った成果重視の行政への転換、これらが求められているのも事実でございます。このため事業の必要性、あるいは効率性、有効性などを総合的に評価いたしまして、改善方策などの事業の方向性を明確にできる新しい評価手法の整備が必要であると認識しているところでございます。ご提案でございます市民の目から見える、そういう評価のあり方を含めて現在、実施に向けた検討を行っているところでございます。できるだけ早い時期の導入を図ることとしておりますので、よろしくお願いをもうしあげます。
 
A平成17年3月議会: 中心市街地活性化計画の見直しについて
                ウ.パブリックコメント導入と官民協働による計画の推進体制を                       エ.目標の指標化と検証体制の確立を
岡田基盤整備部長答弁
 目標に指標化というお話でございますが、近年国・県におきましては、各種事業の計画にあたり「事業評価」を実施する事が重要であると言われており、特に具体的な数値目標を持つことが求められています。納得できる成果が達成されたかどうかを絶えず評価しまして、その結果を踏まえた施策の実施を進めるなど客観性を重視した評価が重要となってきており、今後の計画にあたってもこれらの事を念頭に検討して参りたいと考えております。
國島企画管理部長答弁
 「パブリックコメント導入と政策評価の件でございますが、現段階では、パブリックコメントに関する条例などは定めておりませんが、これまでの政策を推進していく中では、市民の皆さんのご意見を広く聞く機会を設けまして、実行してきたところでございますし、各種の計画の立案や見直しにあたっては、関係団体のご意見を伺う、専門家の指導を受けながらワークショップを開催する、また市民の皆さんの提案を受けたり意見交換をするなどして、広く市民の意見を反映しながら実施することとしております。中心市街地活性化基本計画の見直しを行うにあたりましても、そうした考え方のもとに進めたいと考えております。
 第七次総合計画の中でも示しておりますように、これからの市政の運営には行政と市民の皆さんとの協働が一層重要視されてきておりますことから、市民参加のあり方や本市にふさわしい手法、また他市の取り組み状況などを踏まえての官民協働の計画づくり並びに推進に努めてまいりたいと考えております。<BR>
 目標の指標化と検証体制の確立についても、同様に第七次総合計画では計画行政の推進として事務事業評価制度を示しております。具体的に評価・検証するには目標の指標化は基本であります。どのような指標を設定するかについてはケースバイケースで対応すべきですが、中心市街地の問題につきましては、金沢市で行っている指標の方法も一つの選択肢と思います。
 これまでも議員より一般質問等でご指摘、ご指導いただいておりますことを踏まえ、高山市ではどのような指標化が適切か研究の余地はあろうかと考えますので、市民の皆さんにもわかりやすく、具体的に示すことが大切であろうということも踏まえて、ご意見を頂戴しながら対応して参りたいと考えております。
 政策課題への対応と評価につきましては、全庁的な組織横断連携の求められるところでございますが、昨年決定された、「誰にも優しいまち作り構想」「ウオーキングシテイ構想」2つの地域再生計画の実行を生むような政策課題への対応と評価については、全庁的な組織横断連携が求められるところありますので、総合政策の観点から市民のため市長の市政経営方針を実現できる体制の確立にこれから努めさせていただきます。
 
平成19年3月議会:機構改革と執行体制について
           ア. 民間との協議会・研究会の必要性      
           イ. 目標の指標化と数値目標
国島企画管理部長答弁
  民間との協議会・研究会の必要性の関係でございます。今年度策定いたしました景観計画もそうでございましたけども新しく計画などを策定する場合におきましては全庁的に関係する場合が多ざいまして、関係する課が中心となりまして関係課職員によるワーキンググループを先ず立ち上げ、その結果を基にして関係課長会議などを組織し最終的には全庁的な調整・あるいは連携を図っていくという手法をとっておるところでございます。こうゆうような組織がまだできていないような場合について随時、企画課が関係課を招集しまして検討を重ね調整を進めているというような2本重ねで現在のところは連携をしているところです。計画などの策定における民間との共同体制につきましてはこれまでも男女共同参画プランの策定とか推進、さらには今年度策定しました地域福祉計画でも市民の策定推進ワーキンググループと協働いたしましてそれぞれ協議する中で計画を策定してきたところでございます。また、今年度は新たに青年会議所の皆さんと市職員が勉強会を行うようなことも立ち上げさせていただいたところでございます。第7期の総合計画の中でも構想の着実な推進を目指すうえで、市民と行政の共同によるまちづくりに取り組むことを基本に掲げているところでございます。お話にございましたように審議会やパブリックコメントのように市の素案を提示して意見を聞くことも大切でございます。さらには内容によっては市民に策定の段階から参画していただきながら共に取り組んでいくことも必要であるというふうに考えております。今後もそうした視点を踏まえて検討してまいりたいと考えているところでございます。
 目標の指標化と数値目標の関係のお尋ねでございました。計画の具体的な目標につきましては個々の計画の中で目標となる指標を設定しまして主観となるかが中心となり、全庁的な取り組み状況をとりまとめまして進行管理しているところでございます。常に全庁的に目標を共有しながら計画の着実な実施に努めていると私どもは認識しているところでございます。しかしながら官民で取り組むべき課題につきましては、議員のお話のように計画策定の段階から参画してもらいまして共通の認識の中で設定した目標でなければ真に取り組んでもらうのは難しいのではないかと考えております。 本年一月に財団法人の社会経済生産性本部が出しました地域経営の生産性改革という提言の中にも、今後効果的に経営していくためにはその担い手が行政機関に限らず企業や組合、市民団体、NPOなど多種多様な主体が集合して品質生産性を高める経営戦略を立てるべきであると述べているところでございます。先ほど申し上げましたように新たな計画を計画するとき必要な場合は、計画策定のスタートから市民の皆様にも参加していただくような市民協働の取り組みにつきまして検討してまいりたいと思います。更に御提言にございました内部の検証、外部の評価についてもこれと同様検討して参りたいと考えておりますのでお願いを申し上げます。
 
平成21年6月議会:1.高山市第七次総合計画後期計画について
             イ.市民満足度と目標の指標化
             ウ.事業評価と行政評価
西倉企画管理部長答弁
目標の指標化についてでありますが、目標指標の導入にあたっては、協働のまちづくりを進めるため、目指すべき目標をわかりやすくすると共に、その進捗、評価を把握できるようにしたいと考えています。具体的には、アンケート調査に於いて計画の分野ごとに「現在の満足度」、「今後の重要度」の設問項目を設けまして、これまでの高山市の施策に対する市民の満足度や、今後のまちづくりにおける施策の重要度をお聞きする事によって、今後の重点施策の検討を行っていくこととしております。
 また、調査結果を市民満足度指標として計画に盛り込むほか、分野ごとに定量的な目標指標も設定しまして、定期的に進捗、評価しこういった形で政策評価の導入を検討しているところです。
 政策評価につきましては、評価の結果を政策に活用すると共に、効率的な成果重視の行政への転換を図り、さらに市民の方々への説明責任を果たすことを目的としまして、現在行っている事務事業評価と連動させながら、事業主体から施策主体に重点を移した評価システムの導入を検討して参りたいと考えています。
 なお行政評価につきましては、政策評価への外部評価の導入という意味でお使いになっていると思いますが、これにつきましては政策評価のシステムを構築した後、次の課題として検討していきたいと考えています。
 
平成22年3月議会「市民参加と行財政運営」について
          ア.行政における意思決定過程への参画機会の充実とは
          イ.事業評価制度による進行管理など計画行政の推進とは
          ウ.情報を公開し市民と情報を共有するとは
西倉企画管理部長答弁
 「市民参加と行財政運」につきましてアからウまでご質問でございますので、一括してお答えいたします。情報の共有や意思決定課程における参画についてでございますが、市民と同じように議会との間においても重要であると考えております。アの「行政における意思決定過程への参画の充実」という点でございますが、市が策定を予定している各種計画について、年度当初に各所管の常任委員会で、その年度での策定の目的やスケジュールなどについて説明させていただきたいと考えております。
 閉会中の継続調査などを活用していただくことによりまして、議会においても意思決定過程へ参画いただけるのではないかと考えております。
 又イとウでございますが、「事業評価制度によります進行管理など計画行政の推進」ですとか「情報を公開し市民と情報を共有する」につきましては、現在策定をしております個別計画には、それぞれ極力目標指標を盛り込んできております。その目標指標に対する進捗状況を公表することでまちづくりの目標を共有するなど、市民の皆様や議会と協働しての 行政運営を進めて参りたいというように考えております。
 
 という状況です。
 平成12年に「高山市事務事業評価システムについての考え方]が発表されてから、早11年が経過し、時々の担当部長からもその必要性を答弁される中にあって、その間市民参画・市民協働のまちづくりの必要性から、各自治体において市民参加条例・自治基本条例の制定が相次ぐ時代となっています。
 そうした意味からは、7次総後期計画においては、市民アンケート調査やそれに基づく目標設定に努力されましたが、未だ道半ばの状況です。又、昨年事務事業評価シートの公表がされました。平成12当時の考え方からすると、事務事業評価の評価調書の作成と公表を行った段階です。インプットとアウトプットに基づく事業担当者の評価、もしくはグループ内での評価の段階ではないかと考えます。
 「市民協働のまちづくり」がいわれる今日にあっては、行政内部の政策形成サイクルと連動する市民参画の必要性があり、外部評価の確立、もしくは市民満足度に基づく内部の検証は必須事項であり、市民参加条例なり自治基本条例の制定で、市民参画のまちづくりを担保していく為の仕組みを市民に公表していく中で、その精度を高めていく必要があると考えます。
 政策検討市民委員会の設立は、それなりに意義のあることと考えますが、これまでの経緯からすれば事務事業評価制度の精度を上げること、その上で政策評価を確立する。その為の制度設計も含めて政策検討市民委員会の立ち位置は、今後の検討課題であると考えます。
 今回の設立についての説明では、政策検討市民委員会の提案・提言は、その内容によっては審議会等に諮問した上で政策に反映出来るかどうかを検討するとなっているようですが、その前段では、「市の政策や事業等の創設、改善、廃止について、市民が自主的・自発的に提案・提言できる場を創設することにより、市民の市政への参画を促進し、協働のまちづくりを進めるために設置する」となっており、ここでいう政策や事業等の中身をどう捉えていくのか、相当大きな幅を持たせた考え方であると考えます。政策・施策・事業といういわゆる政策体系の中から考えれば、基本構想に基づく政策体系から個別の事業までを包含することとなると捉えることができます。
 又、設立準備委員会の提案書には、「委員会からの提言・提案には真摯に受け止め、政策への反映に努めるとともに、提言・提案された事項の実施の可否については、その理由等をも含め委員会に説明して頂きたい」、「委員会から資料の提出や職員の出席を求められた場合には、誠意を持って対応されたい」とあるなかにあっては、「場の提供」だけですむのか、又、市長公約の抜粋にもあるとおり「行政の事務事業や各種条例規則等の必要性、有効性を検証し、見直しを提言できるようにします」との間に、ずれは生じないのか、疑問点も出てきます。
 もう一点気になる点は、今回の私の質問に対する國島市長の答弁です。「納めた税金の使い道を含め市民が一歩踏み込んで検証する、その循環を作り上げるのが自治基本条例の基本である。政策検討委員会は自由な場の中で議論して頂き参加して頂く、そして最後の検証まで頂く場であるというイメージでいる」という点です。
 自治基本条例の説明における「検証」と、政策検討市民委員会の説明における「検証」の意味合いは同じなのか、整合性がとれるのかの点です。条例に基づかない内部機関としての位置づけで設立する委員会が下す検証とは、政策検討市民委員会は、本当に検証が出来る立場にあるのか、検証という場合ある程度は責任が生ずるとも思えるのですが、その点は曖昧ままでの立ち上げです。
私はその答弁を聞いて「市長のいう循環、将にPDCA。行政評価のサイクルである。これを上手く循環させるためには、行政内部に評価を受ける基準や体系だった仕組みを整える必要がある。それがなければ絵に描いた餅になってしまう。自治基本条例制定の中で市民参加を受け入れる条件整備の必要がある」と申し上げたのですが・・・
 いろいろな意味で考えさせられる問題ですが、高山市においてはなぜ遅々として政策評価の制度設計が進まないのか、市民参加とはどういうことなのか、市の組織は上手く機能していくのか、条例制定への課題等について少し考えていきたいと思います。追って順次報告していくつもりです。